中国語検定取得で役に立つ3つの場面は？強みやアピールポイントも紹介

中国語検定(中検)は、日本語を母語とする人が対象の試験で、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4つの能力に加えて「訳す」能力を重視しているのが特徴です。

その中検ですが、「就職や留学するのに役立つのかな？」「通訳や翻訳の仕事につくにはどれくらい勉強が必要？」などと疑問を思ったことはありませんか？

この記事では、中国語検定を取得することで役に立つ3つの場面や、強み・アピールポイントなどを紹介します。

中国語検定が役に立つ場面

まずは中国語検定がどのような場面で役に立つかを紹介します。

日本人が中国語を勉強する理由について、「日本人が中国語を勉強する理由｜なぜ英語じゃなくて中国語なのか？」の記事で詳しく解説しています。

仕事で役立つ中国語検定

中国語検定試験（中検）は、中国と関わりがある企業への就職や転職に役立ちます。一般的な企業であれば中国語検定3級、中国語を専門的に使う職業であれば準1級を目指しましょう。

役立つ理由は、世界最大の規模を誇る中国市場で様々な業界の企業が、中国語が話せる日本人の人材を求めているからです。中国語検定は日本で生まれた伝統ある試験なので、企業が求める中国語スキルの要件として採用されていることが多いです。

しかし、中国語を話せる日本人はまだまだ少ないのが現状です。入社時点で日本語と中国語を理解できる人材とアピールすることで大きな評価を得られるでしょう。

留学で役立つ中国語検定

中国語検定試験は日本国内の検定試験であるため、中国本土へ留学する場合は中国政府認定のHSKが役に立ちます。

• 中検：中国企業の日本での採用や、日本の大学での単位取得に役に立つ
• HSK：中国へ現地採用希望の場合や、中国の大学への留学に役立つ

中国語検定公式ホームページでも、以下の記載があります。

”中検は日本の企業での活躍を目指す方、HSKは中国の大学本科への留学や中国企業で活躍を目指す方に適していると言えるでしょう。”

引用： 日本中国語検定協会公式HP

中国語検定は日本の中国語検定協会が運営する組織なので日本での知名度は非常に高いです。しかしその反面、海外での知名度は低く、中国語検定という名前が通じないこともしばしばあります。

そのため、留学や現地採用など海外で活躍したいと考えている場合は、中国語検定よりもHSKを優先して受験しましょう。

通訳・翻訳に必要な中国語検定

通訳・翻訳に必要な中国語検定のレベルとは、中国語検定の準1級または1級を習得することです。

中国語検定準1級以上の上級レベルは、プロフェッショナルな語学力を持った人材として認められます。

中国語検定協会の公式ホームページには、下記の認定基準が記載されています。

• 準1級：実務に即従事しうる能力の保証（全般的事項のマスター）

社会生活に必要な中国語を基本的に習得し、通常の文章の中国語訳・日本語訳、簡単な通訳ができること。

• 1級：高いレベルで中国語を駆使しうる能力の保証

高度な読解力・表現力を有し、複雑な中国語及び日本語 （あいさつ、講演、会議、会談等）の翻訳・通訳ができること。

引用： 日本中国語検定協会公式HP

また、訪日外国人を対象に日本の案内と通訳業務が同時にできる国家資格の通訳案内士を目指す場合、中国語検定1級に合格すると全国通訳案内士試験（中国語）の外国語筆記試験が免除されます。

準1級の学習時間は約3年〜、1級の学習時間は約10年〜となっていますので、かなり高レベルな試験と言えるでしょう。

中国語検定が就職や仕事に役立つ理由

中国語検定が就職や仕事に役に立つ理由を、もう少し詳しく見ていきましょう。具体的に、下記の4つがあげられます。

日本で一番知名度の高い中国語の検定試験

中国語検定は、日本で一番知名度の高い中国語の検定試験です。

中国語の検定試験はいくつかありますが、日本で有名な試験といえば中国語検定とHSKの2つに絞られます。

その中でも、日本では圧倒的に中国語検定の知名度が高いのです。

世界的に知名度があるのはHSKであり、中国での就職や中国への留学をする場合は、HSKを取得した方がよいです。

ただし、日本で就職活動をするのであれば、中国語検定を取得することをおすすめします。

世界で2番目に話されている言語

中国語は、世界で2番目に話されている言語です。

世界で1番話されてる言語は英語であり、日本のみなさんも学生時代には必ず英語の勉強はしていますね。英語は第二言語として話す人も多く、英語を母国語として話す人と、英語を第二言語として話す人を合計すると、世界で1番話されています。

母国語で話されている言語としては、中国語が世界で1番になります。

世界中で2番目に話されていて、母国語としては世界で1番話されている中国語は、非常に注目されている言語なのです。

英語と比べて中国語を話せる日本人の人材が少ない

英語と比べて中国語を話せる日本人の人材は、まだまだ少ないです。

日本でも学生時代には、必ず英語の勉強をしています。中国語は大学で選択をして勉強することもありますが、基本的には自主的に学ぼうとしない限り勉強をしませんよね。

学校でも英語を勉強しますし、日本では長い間、外国語学習といえば英語を学ぶことでした。

そのため、日本では英語を話せる人は比較的多くいますし、英語を話せない人でもたいていの人は読むことはできます。

中国語学習者は年々少しずつ増えてはいますが、それでも中国語を話せる人は、非常に少ないのです。

中国語の需要は年々増えていますが、中国語を話せる人はまだまだ少ないので、中国語スキルは非常に重要であると言えます。

中国は世界最大のマーケット

中国は世界最大のマーケットになっています。

以前は世界の工場とも言われていて、中国で生産をした製品を海外に輸出するというビジネスが多かったですが、今では中国は世界最大のマーケットになっているのです。

中国のGDPは2009年までは世界3位で日本の2位よりも下でしたが、2010年に日本を抜いて世界2位となりました。
2030年頃には、中国のGDPはアメリカを抜いて世界1になるのではないかと予想されています。

そのため、非常に多くの日本企業が中国に進出済です。中国にある日本企業では、多かれ少なかれ日本人が必要とされます。

中国で働く以上、一定以上のレベルの中国語を求められることがほとんどです。中国語を話せる人材は、日本国内でも需要は増えていますが、中国での需要も増えており、中国語検定は非常に役に立つのです。

中国での就職を検討する場合は、HSKも同時に取得することをおすすめします。

HSKは就職におすすめ？については、「HSKは就職におすすめ？キャリアアップに役立つレベルとは」の記事で解説しています。

中国語検定で学べること

中国語検定で学べることは３つあります。

下記で詳しく解説します。

勉強のモチベーションアップ

中国語検定の勉強は、目標を設定することで学習意欲が向上し、中国語学習のモチベーションアップにつながります。

また、中国語検定は日本でつくられた資格試験ということもあり、たくさんの単語を覚えることや、日本語との違いに重きが置かれて作成されています。

単語の意味や漢字だけでなく、正しいピンインや声調を細かく覚えるためには、継続して学習することが重要です。試験に合格するという分かりやすい目標を持つことで、これらの継続をしやすくなるというのが中国語検定にチャレンジするメリットでもあります。

中国語を勉強するメリットについては、「中国語を勉強する7つのメリット！将来の需要や「学んでよかった」と思える世界を紹介」の記事も読んでみてくださいね。

文法に強くなる

中国語検定では、各級ごとに文法の難易度が上がり、それぞれのレベルに応じた文法の問題が多く出題されます。

そのため、文法の理解が不可欠な要素となっています。下記で、それぞれの級で頻出する表現をまとめてみました。

• 【準4級】基礎的な文法事項及び単文の組み立て
• 【4級】基本的な文法事項及び文法事項を含む単文の組み立て
• 【3級】基本的な文法事項及び文法事項を含む単文・複文の組み立て
• 【2級】中級レベルの文法事項及び文法事項を含む複雑な文章の組み立て
• 【準1級】上級レベルの文法事項及び文法事項を含む複雑な文章の組み立てと編集
• 【1級】専門的な文法事項及び文法事項を含む高度な文章の組み立てと編集

以上のように、中国語検定を順番に受験することによって、中国語の基本的な文法を段階的に学ぶことができます。

このようにしっかりと知識の身につく勉強ができることで、中国語の基礎を固めることができます。初心者さんに中国語検定がおすすめされる理由が、このようにしっかりと知識を蓄えられるというメリットがあるためです。

日本語との違いに強くなる

中国語検定がおすすめされる理由は、日本語と中国語との違いに強くなることです。中国語は日本語と同じ漢字を使ってはいるものの、微妙に書き方の異なる漢字が存在したり、同じ漢字でも意味が異なるケースもあります。

また、漢字が読めるばかりにピンインが疎かになりがちなのも、日本人の特徴です。しっかりピンインから勉強していないと合格させてもらえないことから、日本語の知識に頼りすぎない中国語の学習ができます。

中国語検定の価値

ここからは、中国語検定の価値を3つ紹介します。

就職でアピールできる

中国語検定は、就職活動でアピールする価値があります。

繰り返しますが、中国語検定3級は履歴書に記入できるレベルです。

とくに、中国との経済的な関係が深まる現在では、中国語に関するスキルを持っていることは、企業にとって魅力的な人材となります。

中国語検定を取得していることをアピールすれば、企業側の関心を引くことができ有利な結果を得られるでしょう。

「中国語検定3級は履歴書に書ける？就活・転職に有利なアピール方法とは」の記事では、中国語検定3級は履歴書に書けるのかについて深掘りしています。

ビジネスで実用的な知識が多い

中国語検定は、ビジネスにおいて実用的な知識を学ぶことができるため、ビジネスパーソンにとって有用なスキルアップの手段となります。

さらにビジネスに特化した中国語検定、BCT（ビジネス中国語検定）という中国政府公認の試験があります。

こちらは「聞く」と「話す」が重要な試験で、TOEICの中国版に近い検定試験です。

中国語圏でのビジネスにおいては、中国語を話せることがビジネスチャンスを広げるために有効であり、ビジネスパーソンにとっては有用なスキルアップの手段となります。

HSKのビジネスレベルの詳細については、「HSKのビジネスレベルとは？BCT‐ビジネス中国語検定についても解説」の記事でさらに解説しています。

まとめ

この記事では、中国語検定を取得することで役に立つ3つの場面や、強み・アピールポイントなどを紹介しました。

中国語検定は、中国企業の日本採用や日本の大学での単位取得、通訳・翻訳への道など、さまざまな場面で役立ちます。

勉強を進めることで、モチベーションアップや文法の強化が期待できますが、海外での活用を考慮する場合は他の試験も検討することが大切です。

自分の目標に合わせ、効果的に学びながら試験にチャレンジしましょう！