中国語の発音でもう悩まない！初心者が知っておくべき上達のコツ

中国語の発音は、声調やピンインなど、日本語とは異なる要素が多く、初心者にとっては難しいと感じるかもしれません。

しかし、基礎をしっかりと理解し、正しい練習方法を身につければ、短期間で上達することができます。

この記事では、中国語の発音の基礎から初心者が注意すべきポイントをご紹介します。

中国語発音の基礎

中国語の発音の特徴については、「中国語の発音の特徴って？日本人にとって難しい理由やピンインと声調のコツを解説！」の記事でも解説しています。

ピンインとは

ピンインとは、中国語の発音をアルファベットで表記したものです。ピンインを知ることで、漢字を見なくても正確な発音をすることができます。

例えば、「你好（Nǐ hǎo）」は「ニーハオ」と発音しますが、ピンインがないと「ニハオ」などと誤って発音してしまいます。

中国語学習初心者は、ピンインをしっかりと学習して、中国語の発音の基礎を固めましょう。

声調（四声）

中国語発音における「四声（しせい）」とは、音節にかかる音の高低や調子の変化を示すもので、中国語の意味を正しく伝えるために欠かせない要素です。

1声は高く平らな音、2声は上昇する音、3声は一度下がってから上がる音、4声は一気に下がる鋭い音です。

例えば「ma」という音は、声調によって「母（mā）」「麻（má）」「馬（mǎ）」「罵（mà）」と異なる意味になります。中国語発音記号ではこれらの声調を符号（トーンマーク）で示し、ピンイン表記と組み合わせて学びます。

中国語学習初心者は、声調をしっかりと学習して、中国語の発音をマスターしましょう。

特殊な声調変化（変調）のパターン

中国語の声調には基本の4種類に加えて、会話の中で発音が変化する「変調」という現象があります。これは複数の音が連続する際に発音しやすくなるよう、声調がルールに基づいて変わる仕組みです。

代表的なのが「3声＋3声」の組み合わせで、「nǐ hǎo（こんにちは）」のように、最初の「nǐ（3声）」が「ní（2声）」に変化し、自然な発音になります。また、「一（yī）」や「不（bù）」といった語は、後ろに来る声調によって自動的に変調する特徴もあります。

こうした変調パターンは、知らないと発音を聴き取れなかったり、ぎこちない話し方になったりする原因になります。

母音

母音は発音の基本となる音であり、中国語には6つの単母音とer(儿)、9つの二重母音、4つの三重母音、16の鼻母音の合計36の母音があります。

例えば、「a」は口を大きく開いて発音します。また、「o」は口を丸めて発音します。このように、母音の発音方法は日本語と大きく異なるため、しっかりと練習することが大切です。

中国語学習初心者は、母音の発音を一つ一つ丁寧に練習しましょう。また、発音の違いを意識しながら、音声を聞き取る練習も併せて行うと効果的です。

二重母音と三重母音の発音の違い

中国語には単一の母音だけでなく、2つまたは3つの母音が連続してひとつの音節を構成する「二重母音」「三重母音」が多く存在します。これらは日本語にはない特徴で、母音間のなめらかなつながり方が重要になります。

例えば「ai（アイ）」「ao（アオ）」といった二重母音や、「iao（イアオ）」「uai（ウアイ）」などの三重母音では、音を分断せず滑らかに続けて発音する必要があります。

日本語話者はつい母音を分けて発音してしまいがちですが、それでは中国語らしさが失われてしまいます。

正しい発音を身につけるためには、音声をよく聴き、スローで発音しながら真似することが効果的です。母音のつながりを意識することで、より自然で伝わりやすい中国語になります。

子音

子音は、母音と組み合わせて音節を形成する重要な要素です。中国語には21個の子音があり、それぞれに特定の発音方法があります。

子音の発音が不正確だと、聞き手に誤解を与える可能性があります。例えば、「跑」（走る）は「pǎo」と発音しますが、「bǎo」と発音すると「宝」と聞こえてしまいます。

中国語学習初心者は、子音の発音を一つ一つ丁寧に練習しましょう。また、発音の違いを意識しながら、音声を聞き取る練習も併せて行うと効果的です。

子音の発音をマスターすることで、全体的な発音スキルを高めることができます。

無気音と有気音の違いを体感しよう

中国語発音の特徴のひとつに、「無気音」と「有気音」の明確な区別があります。

無気音とは息を強く出さずに発音する音で、「b」「d」「g」などが該当します。

一方、有気音は息をしっかりと吐き出しながら発音する音で、「p」「t」「k」などがあります。日本語にはこの区別がないため、初心者は同じ音に聞こえやすく、誤解される原因にもなります。

たとえば「bā（バア）」と「pā（パア）」は、意味がまったく異なるため、発音の違いが重要です。

練習方法としては、口の前にティッシュをかざし、音を出したときにティッシュが動くかで息の強さを確認するのがおすすめです。自分の発音を録音し、ネイティブの音声と聞き比べることで、無気音と有気音の違いをしっかり体で覚えることができます。

j, q, x の発音ポイント

中国語の「j」「q」「x」は、日本語にない独特の音で、特に初心者が苦手としやすい発音のひとつです。

これらの音は口の中の前のほう、つまり舌を上前歯の裏側近くに当てながら発音します。

また、「j」「q」「x」は、いずれも「i」の母音と一緒に使われることが多く、舌の位置と息の出し方のバランスが大切です。

たとえば、「qī（七）」は日本語の「チ」に近いですが、強く息を出す点が大きな違いです。また、「xī（西）」は「シ」に似ていますが、空気が擦れるような摩擦音になります。

これらの発音を習得するには、鏡を使って舌の位置や口の開け方を確認しながら練習するのが効果的です。ネイティブの発音を繰り返し聴き、そっくり真似ることが正しい発音への近道です。

zi, ci, si を正しく発音するためのヒント

「zi」「ci」「si」は、中国語独特の摩擦音で、日本語には対応する音が存在しないため、習得に少しコツが必要です。

これらの音を出す際の舌の位置は、うがいをするときのように舌をやや奥に引き、上の前歯の裏に近づけるのがポイントです。

たとえば「zì（字）」は日本語の「ズィー」に近いように感じられるかもしれませんが、実際には舌で空気をせき止めてから細く吐き出す摩擦音となります。

また、「cì（刺す）」「sì（四）」もそれぞれ独特の発音で、似ているようで違うため、注意が必要です。

おすすめの練習法は、ゆっくりと1音ずつ丁寧に発音し、それを録音してネイティブ音声と比較することです。何度も聴き比べて修正を重ねていくことで、自然に正しい発音が身についていきます。

捲舌音（そり舌音）の出し方

中国語には「zh」「ch」「sh」「r」など、舌を後ろに反らせて発音する「捲舌音（そり舌音）」が存在します。

たとえば「zhōng（中）」の「zh」は、英語の「judge」に近い音で、舌先を上あごの奥の方に反らせて破擦音を出します。また、「ch」「sh」も同様に、息を一瞬せき止めてから出す感覚で発音します。

「r」は特に難しく、巻き舌ではなく、舌を反らせて震わせずに音を出す独特な音です。

練習には、動画や発音解説アプリなどの視覚教材を活用すると、舌の位置や口の形が分かりやすくなります。ゆっくり繰り返し練習することで、自然と正しい音が出せるようになります。

中国語発音のよくある誤解とその克服法

発音の基礎である「ピンイン」の扱い方や、日本語と異なる音に対する感覚を身につけることが大切です。

ピンインをローマ字読みしないコツとは？

中国語の発音を学ぶ際、多くの日本語話者はピンインをローマ字のように読んでしまう誤りに陥ります。

ピンインはローマ字に似たアルファベット表記を用いますが、その役割はあくまで中国語の「発音記号」であり、日本語のローマ字とは全く異なる発音になります。

たとえば「shi」は「し」ではなく、舌を巻きながら発音する独特な音です。「xi」も見た目は似ていても、日本語の「シ」とは口の形や舌の使い方が異なります。

ピンインを覚える際は、文字だけでなく音とセットで学ぶことが重要です。音声付きの中国語発音表や中国語発音記号一覧を活用し、視覚と聴覚の両方で記憶しましょう。

アルファベットをただ読むのではなく、あくまで「発音記号」として捉える姿勢が上達への第一歩です。

日本語話者が間違えやすい発音例と改善法

日本語には存在しない音が中国語には多数あり、それが日本語話者にとって発音の難所となります。

特に間違えやすいのが「巻き舌音」や「有気音・無気音」の区別です。

「zh」「ch」「sh」などの巻き舌音は、日本語の「じ」「ち」「し」と混同しがちですが、舌の位置が大きく異なります。

また、「b」と「p」、「d」と「t」などの音は、息を強く出すか出さないかという微妙な差があり、意味の違いにも直結します。

さらに、「ü」は日本語にない音で、唇を突き出して「イ」の音を出すという特殊な発音です。

こうした音を習得するには、ネイティブの発音と自分の発音を比べる「録音チェック」や、発音練習アプリを使ってAIによるフィードバックを受ける方法が有効です。苦手な音を客観的に把握し、重点的に練習することが発音改善の鍵となります。

中国語発音を上達させるコツ

中国語の発音は難しく感じるかもしれませんが、正しい方法と練習で確実に改善できます。ここからは、発音を上達させるためのコツを紹介します。

中国語の発音が通じない理由については、「中国語の発音が通じないのはなぜ？理由と通じる発音の習得方法を紹介」の記事で解説しています。

はじめから正しい発音を聞く

中国語の発音を正確に習得するためには、最初から正しい発音を聞くことが基本です。間違った発音を覚えてしまうと、後で修正するのが難しいからです。

正しい発音を聞く際には、以下の点に注意しましょう。

正しい発音を聞くことを習慣づけることで、中国語の発音を効率的に上達させることができます。

口の形と声の出し方を意識する

中国語の発音を正確に習得するためには、口の形と声の出し方を意識することが重要です。

例えば、「i」の発音は、口を左右に大きく引いて発音することで正確な音が出ます。また、「n」の発音は、鼻から声を出すことで正確な音が出ます。

口の形と声の出し方を意識することで、より正確な発音が可能になります。

また、中国語の発音には、日本語とは異なる発音方法がいくつかあります。例えば、「r」の発音は、日本語の「ら」とは異なり、舌を巻いて発音します。

このような発音方法は、最初は難しいと感じるかもしれません。しかし、口の形と声の出し方を意識して練習を重ねることで、徐々に身につけることができます。

大きい声で繰り返し練習する

中国語の発音を正確に習得するには、繰り返しの練習が欠かせません。

そこで、大きな声で繰り返し練習することが効果的です。

具体的な練習方法としては、例えば「你好」を大きな声で10回繰り返し発音する練習などがあります。

ネイティブと話す機会を作る

中国語の発音を正確に習得するためには、ネイティブスピーカーと話す機会を作ることが非常に重要です。

ネイティブと話す機会を作る方法としては、以下のようなものがあります。

ネイティブと話す機会を作ることで、以下のメリットがあります。

中国語の発音向上のために、ぜひネイティブと話す機会を作ってみましょう。

中国語発音の練習方法

ここからは、中国語の発音の練習方法を3つご紹介します。

ピンイン表を使って発音練習する

中国語の発音を正確に習得するためには、ピンイン表を使った発音練習が不可欠です。ピンイン表は、中国語の発音をアルファベットで表記したもので、声調も含めて正確な発音を学ぶことができます。

ピンイン表を使った発音練習を積み重ねることで、中国語の発音を正確に習得することができます。

「中国語のピンインの発音とは？種類と覚え方を解説」の記事では、中国語のピンインの発音についてさらに深掘りしています。

声調記号を使って発音練習する

中国語の発音を正確に習得するためには、声調記号を意識して発音練習をすることが重要です。

声調記号は、中国語の音の高低や強弱を表す記号で、同じピンインでも声調によって意味が変わります。

声調記号を意識して発音練習を積み重ねることで、中国語の発音を正確に習得することができます。

中国語の発音練習アプリについては、「中国語の発音練習におすすめの無料アプリ7選！字幕付き、矯正にも効果的な使い方」の記事も読んでみてくださいね。

音声に合わせてシャドーイングする

シャドーイングとは、音声に合わせてすぐに発音を繰り返す練習方法です。

ネイティブスピーカーの発音を即座に真似することで、自然な発音とリズムを身につけることができます。

具体的には、中国語のポッドキャストや教材の音声を使って、話された内容を即座に繰り返します。

シャドーイングは、発音のみならず、リスニングやスピーキングのスキルも同時に練習できる効率的な方法です。

発音の基礎を習得した後にチャレンジしてみましょう。

中国語の発音変換ツールについて興味がある人は、「中国語の発音変換ツールおすすめ5選！発音練習や応用方法も紹介」の記事をご覧ください。

中国語発音の注意点

中国語の発音は、日本語とは異なる音が多く、正確に発音するのが難しいと言われています。ここでは、中国語発音の注意点を2つご紹介します。

日本語発音の影響を受けない

中国語の発音は、日本語とは異なる音が多く、日本語の発音の影響を受けやすいです。そのため、中国語の発音練習では、日本語の発音のクセを避け中国語特有の発音に集中することが重要です。

具体的には、以下のような点に注意しましょう。

日本語の発音の影響を受けないように意識することで、正しい中国語の発音を身につけることができます。

発音を間違えると意味が変わる

中国語は声調が非常に重要で、同じピンインでも声調によって意味が変わります。そのため、発音を間違えると、全く異なる意味に伝わってしまう可能性があります。

例えば、「买(mǎi)」は買うこと、「卖(mài)」は売ることですが、声調が違うだけで意味が逆になります。

まとめ

この記事では、中国語の発音の基礎から、初心者が注意すべきポイントをご紹介しました。

発音練習は、最初は難しいかもしれませんが、コツコツと練習を積み重ねることで、必ず上達します。