中国語検定とHSKはどっちがおすすめ？違いや受けるべき級を解説！

この様な疑問にお答えします。

中国語を学習していて、資格試験にチャレンジをしてみたいと思ったことはありませんか？

中国語の検定試験を調べてみると、中国語検定とHSKという中国語の2大検定試験があるため、どちらを受ければ良いか迷ってしまう方もいますよね。

中国語検定とHSKはどちらも有名な中国語試験ですが、内容やレベルには違いがあります。

中国語検定とHSK、どっちを受けるべき？

中国語検定とHSK結局どちらを受けるべきなのでしょうか？単純に中国語の能力を試したいというだけであれば、どちらを受けても良いでしょう。

ただし、中国語能力を試す以外の目的がある場合は、目的を明確にして、適した試験を受験する必要があります。中国語検定を受けた方が良い場合と、HSKを受けた方が場合について、下記にて説明します。

中国語検定を受けた方が良い人

中国語検定を受けた方が良い人は下記の通りです。

日本国内の日本企業への就職・転職を考えている

日本国内の日本企業への就職や転職を考えている場合は、中国語検定を受けることをおすすめします。

就職活動や転職活動をする際に、中国語検定であれば採用担当や面接官の方も間違いなく知っているはずですが、HSKのことを知らない可能性はあります。日本国内で日本企業への就職や転職を検討しているのであれば、中国語検定を受けましょう。

HSKのビジネスレベルについては、「HSKのビジネスレベルとは？BCT‐ビジネス中国語検定についても解説」の記事を読むことで、さらに詳しい情報を理解することができますよ。

中国語の翻訳能力を試したい

試験を受けて、中国語の翻訳能力を試したい場合は、中国語検定で実力を試すことができます。中国語検定は、日本語を中国語に翻訳するという問題もあるのです。

HSKには翻訳をするという問題はないので、翻訳能力を試すことはできません。

HSKを受けた方が良い人

HSKを受けた方が良い人は下記の通りです。

HSKについて詳しくは、「HSKとは？各レベルの難易度と学習プランの違い・合格のコツを紹介」の記事も読んでみてくださいね。

中国での就職・転職を考えている

中国での就職や転職を考えている場合は、HSKを受けることをおすすめします。日本では中国語検定の方が有名ですが、世界的にはHSKの方が有名であり権威があるのです。

中国やその他海外の国では、中国語検定という名前すら知られていない可能性もあります。もちろん中国であっても、日系企業であれば中国語検定を知っている可能性はありますが、中国での採用条件ではHSKを基準とすることがほとんどです。

HSK何級から履歴書に書けるのかについては、「HSKは何級から履歴書に書ける？バイトや就職に活かせるレベルとは」の記事で解説しています。

中国の大学への留学を考えている

単なる語学留学であればHSKは必要ないのですが、大学生として本科留学をするためにはHSKの取得が必要です。

大学や専攻科目によって違いがありますが、一例として、下記の様な入学条件を設けています。

入学条件は年度によって変更される可能性があるので、最新情報は各大学の公式サイトで確認をしてください。

中国就業時に必要なビザのポイントを上げたい

中国での就業ビザは、ポイント制となっています。大学を卒業していればプラス10点、今までの合計就業年数によってプラス10点などと加点されていき、60点以上あればビザを取得することができます。

その中で、HSKを取得していれば、ビザのポイントをあげることができるのです。

HSK1級は1点、2級は2点、3級は3点、4級は4点、5級と6級は5点です。5級と6級は同じポイントになります。

中国語検定とHSK、どっちがいい？試験の特徴の違いから考えてみよう

中国語の代表的な検定試験は、中国語検定（中検）とHSK（漢語水平考試）の2種類があります。

中国語の検定試験を受ける場合、どちらの試験を受ければ良いか迷うと思います。

「中国語検定取得で役に立つ3つの場面は？強みやアピールポイントも紹介」の記事では、中国語検定取得で役に立つ場面について深掘りしています。

日本国内で権威があるのは中国語検定

中国語検定は、日本の「一般財団法人日本中国語検定協会」が主催している、主に日本語を母語とする中国語学習者を対象とした資格試験です。

受験会場は基本的には日本国内ですが、中国・台湾・シンガポールでも行われています。

日本にある検定協会が主催していて、日本国内でも有名でもあり、日本での権威は中国語検定の方がHSKよりもあります。

海外向けに権威があるのはHSK

HSKは、中国政府教育部（日本の文部科学省に相当）直属の機関である「孔子学院総部」が主催している、中国政府が認定する資格試験です。

中国や日本はもちろんのこと、世界中で118の国と地域で試験が実施されており、国際的に認められています。

中国の大学に留学する際にHSKが必要な場合もあり、また中国での外国人向け就労ビザのランク付け基準にもHSKが採用されています。

中国語検定とHSKのレベルの違い

中国語検定とHSKはどちらも中国語の検定試験ですが、レベルや出題内容には違いがあります。

レベルや出題内容の違いや特徴を見ていきましょう。

レベル分けの比較

中国語検定は下から、準4級・4級・3級・2級・準1級・1級と、6段階に分かれています。

数字が小さくなるほど難しいレベルです。

HSKは下から、1級・2級・3級・4級・5級・6級と、こちらも6段階に分かれています。

中国語検定とは反対で、数字が大きくなるほど難しいレベルです。

7～9級の試験が始まる、具体的な時期はまだ決まっていません。

難易度の違い

中国語検定とHSKの各級の難易度やレベルは厳密には比較できませんが、おおよそ下記の通り比較できます。

中国語検定1級は非常に難しく、中国語ネイティブでも勉強をしないと合格できないと言われています。

出題内容の違い

中国語検定は日本語で出題されますが、HSKは中国語で出題されます。

中国語検定はHSKと違い、日本語を中国語に翻訳するという問題もあることが特徴的です。

出題内容は下記の通り、2～4つのパートに分かれています。

HSK3級の作文は、穴埋め問題と並べ替え問題のみで難易度はそれほど高くなく、4級以上は長い文章を書く必要があります。

HSKには会話（面接）試験はありませんが、その代わりにHSKとは別でHSKKというスピーキング能力に特化した試験があります。

HSKKは初級、中級、高級と3つのレベルに分かれています。

中国語検定とHSKの試験に関する違い

中国語検定は中国語の知識だけでなく、日本語との相互能力が求められます。

日本で権威のある資格であり、日本国内で中国語を活かしたい場合に必要となる場合が多いですが、中国やその他海外ではあまり知られていません。

HSKは、中国語の知識やコミュニケーション能力が求められます。

試験実施時期の違い

中国語検定は毎年3月・6月・11月に年に3回実施され、1級のみ年に1回、11月に実施されています。

HSKはほぼ毎月どこかしらの都市で実施されており、東京であれば2023年は年に10回実施されました。

受験料の違い

受験料は受験をする級によって違い、下記の通りです。

中国語検定の料金は以下の通りです。

HSKの料金は以下の通りです。

どちらも難しいレベルになるにつれて、受験料が高くなります。

若干の違いはありますが、受験料に大きな差はありません。

合格しやすいのはどっち？

中国語検定は準4級のみリスニングと筆記の合計点数が100点満点であり、4級以上はリスニング100点満点と筆記（リーディング+作文）100点満点で合計200点満点です。

中国語検定の各級の合格基準点数は下記の通りです。

中国語検定の場合、例えば1級であれば仮にリスニングが100点だとしても、筆記が85点未満であれば不合格となってしまいます。

一方、HSKの各級の合格基準点数は以下の通りです。

中国語検定はリスニングと筆記（リーディング+作文）で両方共が合格基準点を超えないと合格にはなりませんが、HSKは合計点数が6割以上で合格となるため、HSKの方が合格しやすいと言えます。

中国語検定とHSKの勉強方法

中国語検定やHSKを受けようと思っても、何級を受ければよいか迷ってしまいますよね？中国語検定とHSKの、受ける級の目安を紹介します。

また、中国語検定とHSKの受ける級を決めた後は、どの様に勉強すれば良いのでしょうか？どちらも中国語の検定試験ですが、試験内容が違うので、勉強するべき内容が少し違ってきます。

中国語検定とHSKは何級を受ければ良い？

中国語検定かHSKのどちらを受けるか決めた後は、何級を受ければ良いのでしょうか？
中国語のレベルを、超初心者〜超上級者の6段階に分けた場合の目安は、下記の通りです。

中国語学習初心者で自信がなくても、「中検4級 or HSK3級」を最初の目標にすることをおすすめします。

HSKは何級から受験すべきなのかについては、「HSKは何級から受験すべき？初心者におすすめの目標レベルと学習法」の記事を読んでみてくださいね。

中国語検定の勉強方法

中国語検定は日本人向けの中国語試験であり、「日本語→中国語」と「中国語→日本語」の翻訳能力を重視しています。

実際に「日本語→中国語」や「中国語→日本語」に翻訳をする問題が出題されるため、翻訳の練習が必要です。

中国語検定の準1級と1級は、二次試験では面接があるので、会話の練習も必要になります。準4級〜2級に面接はないので、会話の練習は必要ありません。

その他は、中国語検定の公式ガイドブックで勉強をして、過去問題を何度も解くことをおすすめします。

リスニングは、何度も問題集のリスニング問題を聴くことで、慣れていきますよ。

HSKの勉強方法

HSKは中国語検定とは違い、日本語⇔中国語の翻訳の問題はないので、翻訳の練習をする必要はありません。また、HSKは級ごとに出題される単語が明確に定められています。

そのため、受ける級が決まったら、HSK用の単語帳やアプリなどを使って覚えていきましょう。その他は、HSKの公認テキストで勉強をして、公式過去問集を何度も解くことをおすすめします。

過去問集以外の音源を、スキマ時間などに聴くことも良いでしょう。

同じポイントなので、ビザのためにHSKを取得する場合は5級を取得すれば良いでしょう。

大切なのは目標に合わせた資格を選ぶこと

中国語検定もHSKも中国語の検定試験であり、試験勉強をすることで中国語のレベルが上がります。

中国語のレベルを上げることが目的であれば、どちらの試験も非常に役に立つ試験です。

日本の企業への就職や転職の際にアピールをするのであれば、中国語検定がおすすめ。

海外の企業への就職や転職および、中国語圏への留学が目的であれば、HSKがおすすめです。

まとめ

今回は、中国語検定とHSKについて、下記内容を解説しました。

中国語検定とHSKは共に有名な中国語の検定試験ですが、内容やレベルには違いがあります。

日本で権威のある中国語試験は、日本での就職や転職時に役に立つ場合が多いです。

海外でも有名なHSKは、中国やその他海外向けの留学や転職時に役に立ちます。

中国語検定とHSKを両方受けてみるというのもありですね。