HSKは何級から役に立つ？就活生必見！有利になる秘訣

HSKは日本だけでなく世界的に通用する資格で、客観的に中国語能力を証明することができます。

高い中国語能力を証明できれば、キャリアを大きく変える可能性を秘めています。

この記事では、実際にHSKが役に立つ具体的な場面、就職・転職での効果的なアピール方法、HSK以外にも実行したいことを紹介します。

HSKとは？基本情報を解説

この章では、HSK（漢語水平考試）の基本的な情報を紹介します。
HSKの基本情報には主に以下の内容があります。

• HSK試験の制度と各級のレベル構成
• 国際的な認知度と通用性

HSK試験の概要とレベル

HSKは「汉语水平考试（Hàn yǔ Shuǐ píng Kǎoshì）」の略で、中国政府が認定する中国語の試験です。

1級から6級までの級別試験と、7〜9級共通の試験で構成されており、級が上がるほど語彙数と難易度が段階的に高くなります。

級	語彙数	できること
1級	150語	簡単な単語とフレーズ
2級	300語	簡単な日常会話
3級	600語	基本的なコミュニケーション
4級	1,200語	広範囲な会話
5級	2,500語	新聞、雑誌、テレビ、映画の理解整ったスピーチ
6級	5,000語	中国語のスムーズな理解流暢な表現

参考：各級の紹介 | HSK 日本で一番受けられている中国語検定（公式サイト）

1級と2級はリスニングと読解、3級以上はそれに加えて書く問題があります。

企業の評価では、一般的にHSK4級から履歴書への記載が可能となり、HSK5級以上で中国語を活用する専門職への応募資格を得られるケースが多くなります。

HSK合格に必要な学習時間の目安は【HSK級別】単語数と勉強時間｜効率よく勉強しよう！の記事で解説しています。

世界共通の中国語資格

HSKは世界118以上の国と地域で実施されている国際標準の中国語能力認定試験です。

中国政府が認定する国際的な標準試験であるため、世界中の教育機関や企業が統一基準として採用しており、特に中国大陸への留学や就職の際には必須要件となることが多いです。

中国の大学入学には一般的にHSK4級もしくは5級以上が必要で、中国政府提供の奨学金申請にもHSKスコアが必要になります。

日本国内でも、日本企業の中国関連業務への配属や外資系企業の中国担当職には5級以上を求める企業が増えています。

また、海外駐在や中国現地法人での就職を希望する場合、HSK6級の取得が有利に働くケースが見られます。

このように、グローバルに活躍したい方や中国本土での経験を積みたい方には、HSKの取得が効果的な選択となります。

HSKが役立つのはいつか？

それでは、HSK（漢語水平考試）が役立つ具体的な場面を見ていきましょう。

• 客観的な中国語能力の証明と社会的な認知
• 学習モチベーションの向上と継続的な成長
• 就職・転職・昇進などキャリア面での優位性
• 中国文化への理解と異文化コミュニケーション能力向上

中国語スキルを客観的に証明

HSKの取得により、自身の中国語能力を世界共通の基準で客観的に証明できます。

いくら「中国語を話せます」と言っても、その感じ方には個人差があり、どのくらいできるのか説得力がありません。

そこで「HSK5級取得（ビジネスレベル）」と具体的に提示することで、実際にどの程度の中国語力があるかを示すことができます。

外資系企業の中国担当職では、HSK6級が選考の必須条件になるケースも増えており、昇進時の語学資格手当（月額1～3万円）の適用対象になる企業も存在します。

HSK取得は「中国語ができる」という曖昧な表現から、中国語能力の客観的な証明に変えてくれるのです。

学習意欲の維持向上に繋がる

HSK受験という明確な目標設定により、中国語学習への取り組みが計画的になり、継続して学習しやすくなります。

具体的な受験日程と目標級が設定されることで、「いつまでに何を身につけるべきか」が明確になり、学習の進捗管理がしやすくなるためです。

1級から順に挑戦すれば、達成感を得ながら段階的にレベルアップが可能です。

級ごとの語彙数が明確で学習の進歩を実感しやすいのも、学習のモチベーションを維持する上で重要な要素となります。

キャリアアップのチャンス拡大

HSK取得は就職・転職・昇進の場面で強力な武器となり、中国関連業務への参入機会や年収アップの可能性が高まります。

日本企業の中国市場進出増加とインバウンド観光客の増加により、中国語対応可能な人材は需要が高く、HSK取得者は他の候補者との差別化を図れます。

実際に、HSK5級取得者が入社2年目で上海駐在に抜擢されたケース（機械メーカー営業職）や、HSK6級を武器に日系企業の中国現地法人へ転職し年収アップを実現した事例があります。

総合商社ではHSK5級以上を海外駐在候補者の条件とする企業も増えています。

中国文化への理解が深まる

言語はその土地の文化と大きなつながりがあります。

日本人にとっておなじみの「よろしくお願いします」が、実は中国ではほとんど言われないなど、同じ場面でも日本語とは違う表現が使われることがよくあります。

HSKの試験内容には日常生活からビジネスまで幅広い場面が含まれており、単なる文法・語彙学習を超えて、実際に中国で使われる表現や文化的背景を学習することができます。

また、HSKの上級レベルでは中国の時事問題や伝統文化に関する文章が出題されるため、社会的知識も身につきます。

語学学習を単なる試験対策に終わらせず、HSKを通じて中国文化への理解を深めることが大切です。

HSK取得のデメリットと注意点

この章では、HSK取得の際に知っておきたいデメリットと注意点を紹介します。
HSK取得のデメリットと注意点には主に以下の内容があります。

• 受験料・教材費などの経済的コスト
• スピーキング能力の評価に関する限界
• 資格の有効期限と更新の必要性
• 資格取得後の継続的な学習の重要性

受験料・教材費などの費用

HSK受験には、試験料・教材費・交通費などがかかります。

級	受験料
1級	3,850円
2級	5,060円
3級	6,600円
4級	7,920円
5級	9,900円
6級	11,550円

※2025年5月現在

独学の場合、教材費は1冊2,000〜5,000円程度かかります。

オンラインレッスンや中国語学校の授業を受ける場合はさらに費用がかかります。

また、受験会場が遠い場合は交通費・宿泊費も必要になる場合があります。

HSKが役に立つ資格として認知され、就活や転職で有利になる一方で、何度もチャレンジするとそれだけ費用もかさんでしまうので、レベルに合わせて段階的に受験していきましょう。

教材と勉強方法は全レベルまとめ！HSK対策におすすめ参考書と学習の進め方の記事で解説しています。

会話力が直接測れる訳ではない

HSKはリスニング・読解・ライティングが中心で、スピーキング能力は別途HSKK（口語試験）を受験する必要があります。

HSKは「話す」試験がないため、実際の会話能力や発音の正確性を直接評価することができず、企業が求める「話せる」中国語力を完全には証明できない場合があります。

実際に、HSK6級保持者でも突然の電話対応で戸惑うケースや、面接で実際の会話能力に疑問を持たれた例もあります。

また、ビジネス会議で中国人との即興的な議論についていけないこともあり、企業によってはHSKとは別にスピーキングテストを実施するケースも増えています。

このような実情を考慮すると、実践的なスピーキング能力も必要な場合は、HSKに加えてHSKKの受験やオンライン会話レッスンの併用が有効です。

資格には有効期限が存在する

HSKの成績証明書は有効期限2年です。

期限が過ぎると留学や就職で認められない場合があります。

特に成績証明書の提出が求められている場合や、「直近2年以内の語学資格」など記載がある場合は注意が必要です。

実際に、大学時代に取得したHSKが就職時に有効期限切れで使えないケースや、中国留学申請時に新たに受験し直す必要が生じた学生もいます。

HSKは役に立つ資格ですが、時期が過ぎると証明力を失うため、重要な場面（就職・転職・昇進・留学等）の直前に受験するか、継続的に学習を続けて資格更新を行うスケジュール管理が必要です。

資格取得がゴールではない点

HSK取得はあくまで現在地点の証明であり、実務で「使える」中国語力を維持・向上させるためには、資格取得後も継続的な学習が必要です。

語学力は使わなければ徐々に低下し、また実務では試験で問われない専門用語や業界特有の表現、文化的ニュアンスへの対応が求められます。

教科書的な中国語は理解できても、ネイティブが普段話す口語表現を理解できなかったり、ビジネスシーンで使う専門用語に対応できないということもあります。

HSKは中国語能力の証明やモチベーション維持に役立ちますが、資格取得を通過点として捉え、実際に「使える」中国語を身につけることが大切です。

就職・転職でのHSK活用術

この章では、HSK資格を就職・転職活動で最大限に活用するための具体的な方法を紹介します。
就職・転職でのHSK活用術には主に以下の内容があります。

• 履歴書への記載基準と効果的な書き方
• 業界・職種別の企業が求めるレベルと評価基準
• HSK資格が特に有利になる業界と職種の具体例
• 面接でのアピール方法と想定される質問への対策

履歴書に書けるのは何級から？

一般的に履歴書に記載して評価されるのはHSK4級以上です。

HSK4級は約1,200語の語彙力で、企業が「一定の中国語能力を持つ」と判断する最低ラインです。

専門職や中国関連業務では5級以上を求められることも多くあり、実務で活用できる能力があると見なされます。

外資系企業では6級で即戦力として期待されるケースがあります。

履歴書への記載は取得の年月に加え、スコアやレベルを具体的に記入しましょう。

例：

• HSK（漢語水平考試）4級合格（日常会話可能）
• HSK（漢語水平考試）5級 210点/300点（ビジネスレベル）

具体的な能力をアピールすることで、就職・転職活動での書類選考通過の可能性が高くなります。

企業が求めるHSKレベルとは

企業が求めるHSKレベルは業務内容により異なります。

級	業務例
4級	ホテル接客販売員
5級	中国語の事務（メール対応、資料作成など）貿易事務
6級	会議通訳・翻訳取引先との交渉

日常的な中国語使用が前提となる職種では5級以上、専門的な業務では6級以上が求められる傾向にあります。

グローバル化により中国市場への対応が重要になっており、企業は具体的な業務遂行能力に基づいてHSKレベルを要求基準として設定しています。

応募予定企業の具体的な業務内容と要求レベルを事前調査し、必要に応じて上位級への挑戦やスピーキングテスト（HSKK）の併願も検討しましょう。

有利になる職種と業界を紹介

日本企業の中国市場参入とインバウンド観光の成長により、中国語対応可能な人材への需要が各業界で増しています。

HSKが有利になる業界例：

• 中国取引が多い商社
• 中国進出メーカー
• 観光業
• IT業界

総合商社では中国担当営業職で5級以上が採用要件となるケースが増えており、製造業では海外事業部の現地駐在候補として6級が優遇されます。

観光業では中国人観光客対応で4級以上を求める企業が多く、IT企業では中国系企業との連携業務で5級が評価されています。

貿易会社では国際物流・通関業務で5級が昇進要件となる企業も見られます。

HSKが特に役に立つ場面として、これらの業界では単なる語学能力だけでなく、中国ビジネス文化への理解も評価されます。

希望業界の求人トレンドを研究し、業界固有の専門用語や習慣も合わせて学習することで、HSK資格の価値をさらに高めることができます。

面接で効果的にアピールする方法

面接ではHSKの級だけでなく、具体的な中国語の使用経験と今後の活用イメージを明確に伝えることが重要です。

採用担当者はHSKの級制度を正確に理解していないケースもあり、実際の業務でどのように活用できるかを具体的に伝えることで、より高い評価を得られます。

例えば「HSK5級取得により、中国語でのビジネスメール作成と商談資料の読解が可能です」のように、具体的にできることを伝えましょう。

実際の学習経験として「3年間継続学習し目標を達成した計画性」をアピールすることも効果があります。

面接冒頭で簡潔な中国語での自己紹介を準備しておけば、実際のスピーキング能力を実演することもできます。

今後の目標設定として「HSK6級取得を目指し、海外駐在にも対応したい」といった具体的なビジョンを示すことも効果的です。

想定される質問（学習動機、実務経験、今後の目標）への回答を事前準備し、可能であれば簡単な中国語による受け答えも練習しておくと、HSKが役に立つ資格であることを実証できます。

HSKと中検どっちが有利？

この章では、HSKと中国語検定（中検）の違いを比較し、どちらが有利かについて紹介します。
HSKと中検の比較には主に以下の内容があります。

• 試験制度・評価基準・認知度の違い
• 学習目的（就職・転職・留学・資格取得）別の選択基準
• 両資格のダブル取得による相乗効果

中国語検定(中検)との違い

HSKと中国語検定（中検）は性質が大きく異なります。

違う点	HSK	中検
実施場所	世界	主に日本
対象者	世界中の人	日本語を母国語とする人
認知度	世界的	日本のみ
級	1級〜9級（9級が最高）	準4級、4級、3級、2級、準1級、1級（1級が最高）
内容	コミュニケーション重視	文法・翻訳の正確性重視
実施頻度	毎月	年に3回

就職・転職活動の場面では、企業の性質（国内企業か外資・グローバル企業か）と事業展開（中国本土か日本国内か）により、有利な資格が変わることを理解しておきましょう。

学習目的別のおすすめはどっち

中国本土への留学・就職ならHSK、日本国内での就職・転職なら企業の特性により選択が分かれます。

中国留学・中国企業就職を目指す場合、多くの大学の入学要件や奨学金申請でHSKが指定されています。

翻訳・通訳業界では、正確な文法・語彙・翻訳能力が求められるため、中検の方が優勢です。

観光・接客業では実用的コミュニケーション能力が重視されるため、HSKが実務に直結します。

HSKは、特に中国関連のグローバルビジネスで必須の資格となっています。

学習目的を明確にした上で、希望する企業・業界の採用条件や業務内容を事前調査し、最も評価される資格を取得しましょう。

両方取得する相乗効果とは

HSKと中検の両方を取得することで、実用的コミュニケーション能力と正確な文法知識の両面を証明でき、特に商社・貿易業界で高く評価されます。

現代のビジネスシーンでは実用的な会話能力だけでなく、契約書作成や正確な通訳・翻訳も求められるため、両資格の取得により総合的な中国語能力を証明できます。

実際の事例として、「HSK5級＋中検2級」のダブル取得で、総合商社の海外駐在員候補として評価が大幅にアップした例があります。

外資系企業では契約交渉（HSK）と法務文書翻訳（中検）両方に対応可能な人材として重宝されるケースもあります。

また、基礎を学習する段階でも、HSKと中検の両方を学習することで、学習に偏りなくバランスよく学ぶことができます。

時間と予算が許すなら、まず学習目的により適した資格を優先して取得し、その後にもう一方の資格に挑戦することで、中国語人材としての市場価値を最大化できます。

まとめ

• HSK取得は就職・転職活動において確実に役立つ
• 履歴書記載は4級以上、専門職は5級以上
• 趣味で学ぶ場合も、HSK合格は進歩を実感でき、やる気を維持しやすい

HSKは中国進出企業、商社、観光業などで高く評価され、昇進・昇給の評価対象にもなります。

一方で取得には費用がかかり、2年の有効期限があるため、受験日は目的に応じて選びましょう。

面接では合格した級だけでなく、具体的な中国語力をアピールすると評価がされやすくなります。

毎日中国語公式LINEでは話せるようになる無料勉強会を実施しています！