
TOCFL過去問は非公開!模擬問題の入手法と効果的な勉強法
この記事でわかること
- TOCFLは過去問を公表していないが、模擬問題を無料で提供している。
- TOCFLの模擬問題は台湾の公式サイトから入手可能。方法はこちら。
- 模擬問題は解いて終わりではなく、徹底的に有効活用しよう!
TOCFL(華語文能力測験)は、台湾教育部が実施する中国語能力試験で、台湾留学や奨学金申請の条件としても広く利用されています。

TOCFLの過去問が見つからないのですが…
実は、TOCFLの過去問は公式に公開されていないのです。
その代わりに、試験主催機関である教育部華語文測驗中心(SC-TOP)が、本番と同じ形式の「模擬試題(サンプル問題)」を無料で提供しています。
この記事では、TOCFLの模擬問題を入手する具体的な方法から、レベル別、出題内容別の効果的な勉強法を解説します。



あなたの不安を一気に解消しましょう。
目次
TOCFLの「過去問」は存在する?実際の公開状況


なんらかの試験を受験する際、多くの人が過去問を活用しています。
しかし、TOCFL(華語文能力測験)では、過去に出題された問題は公開されていません。
では、どのように本番対策をすればよいのでしょうか?
ここでは「過去問」と「模擬試題」の違いを整理しながら、公式情報に基づいて解説します。
- 公式情報(1)TOCFLは過去問を公開していない
- 公式情報(2)TOCFLサイトでは「模擬試題」を配布
公式情報(1)TOCFLは過去問を公開していない
TOCFLは過去に出題された本試験問題を公開していません。
そのため、有料・無料問わず、「第○回の過去問題」「過去問5年分」といった形式の教材は存在しません。
また、試験後は問題用紙が回収されるため、個人のブログやSNSでも発信することが不可能です。
日本の公式サイトには次のような記述があります。
より厳正な試験実施のため、試験問題は非公開としています。
試験終了後は、試験官の指示にしたがって問題冊子とマークシートを返却してください。
万が一、問題冊子・マークシートの持ち出しがあった場合には、罰金等の措置をとらせていただきます。
そのため、インターネット上で「TOCFL過去問」と記載のあるサイトは、実際には過去問題ではなく、公開されている「模擬問題」のことを指しています。
公式情報(2)TOCFL公式サイトでは「模擬試題」を配布
TOCFL公式サイトでは、各レベル(Novice、Band A、Band B、Band C)に対応した無料の模擬試験問題が配布されています。
内容は本試験と同じ構成で、リスニング音声・設問形式・語彙レベルまで忠実に再現されています。
「過去問代わり」として利用することができ、実際、受験者の多くがこの模擬問題を使って出題傾向をつかんでいます。
さらに、2024年以降はパソコンを使ったCAT(適応型テスト)形式が導入され、新形式に対応した「題庫型模擬問題」も追加されています。
これらを活用すれば、過去問がなくても本番に近い練習が可能です。
TOCFL模擬問題の入手方法


それでは、TOCFLの模擬問題はどうやって入手したら良いのでしょうか?
TOCFLは過去問が公開されていないため、「模擬問題」が試験合格に欠かせません。
この章では、模擬問題の入手ルートとその選び方を解説します。
- 方法(1)台湾公式サイトにある無料模擬問題を利用する
- 方法(2)オフライン用PDFとオンライン版の使い分け
- 方法(3)台湾留学支援サイトにある模擬問題を利用する
- 方法(4)書籍や教材として購入する
方法(1)台湾公式サイトにある無料模擬問題を利用する
TOCFLの模擬問題は、台湾の公式サイトに複数用意されています。
日本の公式サイト:台湾中国語検定 華語検定(TOCFL)公式サイト
台湾の公式サイト:國家華語測驗推動工作委員會
模擬問題(PDF):國家華語測驗推動工作委員會-準備考試
模擬問題(オンライン形式):華測會測試平台
模擬問題(題庫型):國家華語測驗推動工作委員會-準備考試
全て無料で提供されており、PDFタイプはBand A・B(基礎~中級レベル)が5回分、Band C(上級レベル)が4回分あります。




オンライン形式は各バンド3回分とCAT(適応型テスト)があります。
また、新設されている「題庫型」の模擬問題には、級別ではないCATテスト向けに1787題(2024年7月更新)が保存されています。
なお、台湾のサイトのため、サイトは繁体字か英語のみです。



上記リンクから直接模擬問題のページに飛べますので、有効活用しましょう。
方法(2)オフライン用PDFとオンライン版の使い分け
2025年現在、日本でのTOCFLは、一部の会場を除いて従来のマークシート型の紙の試験が中心です。
一方台湾では、パソコンを使ったCATに移行されています。
本番同様の形式で練習したい場合は、どこの会場でどのタイプの試験を受けるのかによって利用する模擬問題を選びましょう。
従来の紙の試験の場合は、PDF+音声が適しています。



音声はサイト上で直接聞くことも、ダウンロードすることもできます。
日本の一部の会場や台湾でパソコンを使った試験を受ける場合は、試験問題だけでなくパソコンの操作にも慣れておくと安心です。
基礎固めや、レベルチェックにはどちらのタイプも活用できます。
方法(3)台湾留学支援サイトにある模擬問題を利用する
台湾留学支援サイトの「PAPAGO遊学村」では、日本人向けに使いやすい模擬問題を公開しています。
TOCFLの台湾公式サイトにある模擬問題を正式に同意を得て加工したものです。
模擬問題:TOCFLリスニングBAND A vol.1_1-25 台湾語学短期留学.大学進学|PAPAGO 學習村
A・B・C各バンド、3回分ずつあります。
「台湾公式サイトは日本語がないのでハードルが高い…」という方は利用してみましょう。
方法(4)書籍や教材として購入する
さらに本格的に対策したい場合は、模擬問題集や台湾華語のテキストが販売されています。
模擬問題販売サイト:TOCFL – 台湾留学.com
台湾華語学習本(例):単語と文法から学ぶ PAPAGO式
模擬問題は試験対策に有効ですが、模擬問題だけでは根本的な理解が不足してしまいがちです。
体系的に学習できるテキストで学んでから、模擬問題で試験傾向に沿った練習をするのがおすすめです。
Band別TOCFL試験問題のレベル


TOCFLはHSKとは異なり、受験者が3つのBand(A, B, C)からレベルを選択して受験するシステムです。
この章では、各Bandのレベル感や出題傾向を解説します。
- Band A(入門・基礎級):基礎と日常生活のコミュニケーション
- Band B(進階・高階級):台湾進学の最低ライン
- Band C(流利・精通級):高度な専門性を必要とする上級レベル
Band A:基礎と日常生活のコミュニケーション
Band A過去問は入門級(Level 1/CEFR A1)と基礎級(Level 2/CEFR A2)の2つのレベルに分かれます。
語彙数の目安:500~1,000語
学習時間の目安:240~720時間
台湾華語学習の導入段階として位置づけられており、出題内容は日常生活(買い物、飲食、掲示物など)が中心です。
HSK3級程度の学習者に適しています。
Band B:台湾進学への最低ライン
Band B過去問は進階級(Level 3/CEFR B1)と高階級(Level 4/CEFR B2)に分かれます。
語彙数の目安:2,000~5,000語
学習時間の目安:720~1920時間
台湾の大学進学に必要な最低ライン、また台湾奨学金申請の条件となることが多い重要な通過点です。(※学校によりますが、Level3以上を求められることが多くあります。)
リスニングでは実生活に近い速さで、リーディングでは一般的な文法・読解に加え、HSKではあまり見かけない広告やイベントのチラシ、メールなど実生活に密着した内容が豊富です。



HSK4級から5級程度の学習者に適しています。
Band C:高度な専門性を必要とする上級レベル
Band C過去問は流利級(Level 5/CEFR C1)と精通級(Level 6/CEFR C2)の最高レベルに分かれます。
語彙数の目安:8,000語
学習時間の目安:1920時間以上
「どのような状況でも複雑な会話を理解し、適切に運用できる」極めて高度な能力を測る試験です。
難易度はHSK6級や中国語検定準1級以上とされ、台湾の大学院進学や専門職での就職を目指す学習者向けの最高目標です。



試験では、生物学、医療、科学など高度な専門分野の話題が扱われ、抽象的で複雑なテーマの討論を理解する力が求められます。
高度な語彙力や、四字熟語を理解する知識も必要とされます。
模擬試題を使ったTOCFL対策法


TOCFLの模擬試題は、本試験に最も近い形式で作られた貴重な教材です。
「とりあえず一度解いて終わり」にせず、徹底的に活用することでスコアを大きく伸ばせます。
ここでは、リスニング・読解の各技能と本番対策別に、模擬試題を活用した効果的な勉強法を紹介します。
- リスニング対策:音声を聞いて「声に出す」練習で理解を深める
- 読解対策:単語と文構造を正確に理解する
- 仕上げ:本番通りの時間で解く
リスニング対策:音声を聞いて「声に出す」練習で理解を深める
TOCFLのリスニングは、「聞こえた瞬間に意味をつかむ力」が求められます。
そのためには、単に音声を繰り返し聞くだけでなく、自分でも声に出して発音する練習(音読・シャドーイング)を取り入れるのが効果的です。
学習手順の一例:
1.模擬試題の音声を聞きながらスクリプト(原稿)を見る
2.分からない単語や読めない漢字を調べる
3.スクリプトを見ながら、音声に続いて声に出して読む
4.読めない文がおおむねなくなるまで続ける
5.本番同様にリスニング問題を聞いて設問に答える
音読やシャドーイングを繰り返すことで、耳だけでなく口と脳で音を再現する感覚が身につきます。
リスニング中に音が文字や意味として自然に結びつくようになり、理解スピードも向上します。
さらに、模擬試題のスクリプトは実用的な会話や日常表現が豊富なので、「音の聞き取り」だけでなく「自然な言い回しの習得」にも役立ちます。
読解対策:単語と文構造を正確に理解する



TOCFLの読解は、短文理解から長文読解まで幅広く出題されます。※試験は繁体字と簡体字を選べます。
日本人学習者は漢字の知識があるため、「なんとなく意味が分かる」と感じる人も多いと思います。
しかし、表面的な理解にとどまらず、文の構造や単語の正確な意味を把握しながら読むことが大切です。
もし知らない単語や意味が曖昧な文に出会ったら、そのまま流さずに辞書や文法書で確認してみましょう。
一文一文を丁寧に理解する積み重ねが、後の読解力向上につながります。
また、模擬試題を使うと、つい「正答率」ばかり気になってしまいがちですが、学習段階では正解数よりも「なぜそう答えるのか」を理解することが目的です。
試験問題は、語彙や文構造を学ぶための“練習素材”として活用する、--こうした地道な読み取り練習を重ねることで、試験本番でも焦らず確実に得点できる「読解の土台」が身につきます。
仕上げ:本番通りの時間で解く
試験は限られた時間内に解答しなければなりません。



学習の最終段階では、リスニング60分・読解60分という本番と同じ時間設定で模擬試題を解いてみましょう。
ここでの目的は、集中力の持続や解答ペースの感覚をつかむことと、誤答の復習です。
数回分解くと試験形式や時間配分に慣れてきますので、本番に向けて落ち着いて解答できるよう準備を整えましょう。
TOCFLに関するよくある質問


最後に、TOCFLの試験や問題に関して受験者からよく寄せられる質問をまとめました。
- TOCFLとは何ですか?
-
Test of Chinese as Foreign Languageの略で、台湾華語(中国語)を母国語としない人向けの台湾の公式中国語検定です。
- TOCFLとHSKは何が違いますか?
-
どちらも中国語能力を測る試験ですが、TOCFLは台湾華語を基準とした試験で、HSKは大陸の普通話に基づいています。
語彙・発音・文化背景に違いがあり、台湾留学や奨学金申請にはTOCFLのスコアが求められるケースが多いです。
台湾華語と大陸の中国語の違いについては、別記事で詳しく解説しています。>>>中国語と台湾華語の違いは?勉強の始め方や方法を紹介します
- TOCFLは繁体字ですか?
-
繁体字と簡体字を選べます。
しかし、台湾華語の教材のほとんどは繁体字を使用しているため、台湾の中国語を中心に学習したい場合は繁体字での学習が適しています。
- TOCFLの試験方式にはどんな種類がありますか?
-
主に以下の3種類があります。
・CBT(Computer-Based Test):コンピュータ上で解くレベル固定型の試験。
・CAT(Computerized Adaptive Test):解答結果に応じて問題の難易度が変化する適応型試験。
・紙筆正式(紙試験):従来型のマークシート試験。2024年以降はCAT方式への移行が進んでいますが、日本では2026年前半も一部会場を除き、紙の試験を継続しています。
試験日程と形式は日本のTOCFL公式サイトのトップページに掲載されています。>>>https://www.tocfl.jp/
- TOCFLの「過去問」はどこで手に入りますか?
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TOCFLの過去問(本試験問題)は公開されていません。
ただし、教育部華語文測驗中心(SC-TOP)が作成した公式模擬試題(サンプル問題)が、各レベル別にPDFと音声付きで無料公開されています。
これが実質的に「過去問の代わり」として最も信頼できる教材です。
- 模擬試題はどこからダウンロードできますか?
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國家華語測驗推動工作委員會-準備考試からダウンロードできます。
Novice/Band A/Band B/Band C の各レベルに対応しており、リスニング音声・スクリプト・解答用紙サンプルもすべて無料で提供されています。
- どのレベルを受ければよいですか?
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初めて受験する人は、自分の中国語力を客観的に測るためにBand A(基礎レベル)から受けるのがおすすめです。
中級以上の学習者であれば、模擬問題を試してからレベルを選ぶと安心です。
- スピーキングとライティング試験もありますか?
-
TOCFL全体としては、聴解・読解に加えてスピーキング(口語)とライティング(寫作)の試験も設けられています。
ただし、日本国内では現在、聴解と読解のみが実施されており、スピーキング・ライティングは台湾など一部地域の会場で受験可能です。
日本で受ける場合は、リスニングとリーディング対策に集中しましょう。
まとめ


TOCFL(華語文能力測験)は過去問を入手することができません。
しかし、台湾の公式サイトでは実際の試験と同形式・同レベルの模擬問題を無料で数回分公開しています。
模擬問題は、試験傾向や形式を知り、自分の現段階の実力を確認するだけでなく、リスニング原稿の音読・シャドーイング、読解文の精読などをすることでより効果的にレベルアップすることが可能です。
台湾への留学・就職を考えている方はもちろん、台湾への旅行や台湾のドラマが好きな人もチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
万全の準備で台湾での目標達成へつなげましょう!



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