留学に必要なHSKのレベルとは？申請できる奨学金や本科・語学生の基準について解説

皆さんはHSKの取得が中国への留学に活用できることをご存知でしょうか。

中国の大学に留学し、専門分野を学ぶためには大学ごとに定められた条件をクリアする必要があります。

また短期・長期の語学留学の際にHSKの取得は必要ありません。

しかし奨学金の申請にはHSKの取得が必須です。

今回はそんなHSKの留学に対する活用方法について詳しく紹介します。

HSK何級以上で中国留学できる？

留学の種類は大きく分けて語学留学と本科（大学）・大学院留学の2つです。また語学留学の中でも現地留学とオンライン留学に分けられます。

この章では様々な留学において取得が必須なレベルや取得すると安心なレベルを紹介します。

自身の中国語レベルを上げるために中国へ行くなら語学留学に必要なレベルを参考にしてください。

本科留学や大学院留学に必要なHSKレベル

本科留学や大学院留学は入学時にHSKの取得が含まれていることがほとんどです。

多くの学校で5級以上の取得が必要ですが、一部の大学では4級の取得で入学できます。

大学ごとに必要なHSKの級は異なるので、参考に下記の主要大学のHSKの条件表をご覧ください。

大学名	大学	大学院
吉林大学	HSK5級180点以上	HSK5級180点以上
北京大学	学科によって基準が異なる	理学・工学専攻： HSK6級200点以上、作文65点以上  人文・社会専攻 ：HSK6級210点以上、作文65点以上
清华大学	HSK5級以上 （全ての単元で平均60点以上）	文系：HSK5級180点以上理系：HSK4級195点以上
上海交通大学	HSK5級180点以上 中国語専攻：HSK3級180点以上	HSK5級180点以上
复旦大学	HSK5級以上 （合計250点以上で全ての単元で平均70点以上）	HSK5級以上 （合計210点以上で全ての単元で平均70点以上）
南京大学	商学部：HSK5級 理系中国語学科：HSK4級	文系および商学部：HSK5級 理系：HSK4級

文系と理系で必要なレベルも異なる点で注意が必要です。

語学留学に必要なHSKレベル

語学留学においてはHSKを取得する必要はありません。

しかし基本的な会話を行えることや奨学金制度の利用を考慮すると、3〜4級の取得がおすすめです。

奨学金制度に関しては、後ほどの「中国留学で申請できる中国政府奨学金とは」にて詳しく解説します。

オンライン留学に必要なHSKレベル

オンライン留学は語学留学と同じ部類であるため、同じくHSKの取得が条件に含まれていません。

奨学金の申請のためにHSKを取得してください。

オンライン留学では「李姉妹×ＨＳＫ」のようなプログラムがあります。

留学生のレベルに応じてクラスが分けられているのが大きなメリットです。

中国留学に有利なのはHSK？中国語検定？

中国語の検定試験と聞くと、今回紹介しているHSKのほかに中国語検定が有名です。

中国語の学習者の中には中検を受けたことがある人もいるでしょう。

しかし中国留学に活用できるのは実はHSKです。

この章ではHSKが中国留学に有利な理由や中検がなぜ使われないのかについて解説します。

HSKと中国語検定の違いを意識しながらご覧ください。

中国留学にはHSKが有利

中国留学にはHSKが圧倒的に有利です。

それはHSKが中国政府公認の資格で、なおかつ世界中で公的証明として活用できるから。

留学のみならず、現地採用を行っている日本・中国企業でも利用できます。

HSKの試験内容は中国語を用いたコミュニケーション力に重点を置いています。

中国語で会話を行う環境、つまり留学や中国企業への就職に便利な試験なのです。

一方で中国語検定はHSKより実用性に欠けます。中検の詳細については次節をご参照ください。

中国国内で中検の認定・評価はされない

中国語検定は中国国内であまり評価されません。

中検が中国語の知識・翻訳に特化した試験であることが大きな理由です。

実は中国語検定1級は通訳案内士試験に活用できます。日本人が日本で中国語を扱う目的にぴったりな試験です。

また中検は日本中国語検定協会が運営しています。

日本人の中国語学習者向けの試験であるため、世界中で扱われていないのがHSKとの大きな違いです。

中検を取得するなら、中国系企業の日本採用や通訳の仕事を希望する人におすすめします。

中国留学や現地採用を目的とした学習であればHSKがうってつけです。

自分の学習目的にあった試験を受けてください。

中国留学で申請できる中国政府奨学金とは？

語学留学を解説した節でHSKを取得することで奨学金を受けられることを紹介しました。

奨学金を受けることで、留学費用を何十万も安くできます。

この章では奨学金に関する以下の3点について詳しく解説します。

• 中国政府奨学金の応募方法
• 奨学金のコース一覧
• コースごとに必要なHSKレベルやその難易度

金銭的な負担をなるべく減らして、余裕をもって留学に行くためにも奨学金の条件を確認してください。

そして今必要なHSKのレベルを把握したら、未取得の人は試験勉強をすぐに始めましょう。

中国政府奨学金の応募方法

中国政府奨学金の応募方法は以下の表のとおり2種類あります。

HSK留学推進室とは留学希望者をサポートする推薦団体のことです。

	申請料金	推薦状発行までの流れ	申請者
推薦状発行のみ	44,000円	申請書類審査→面接→合格者に推薦状発行	申請する本人
推薦状発行＆奨学金の申請代行	66,000円	申請書類審査→面接→合格者に推薦状発行	HSK留学推進室

依頼書はExcelの形式でhsk-ex@jyda.jpに送付します。

基本的に申請代行を行った人は依頼書を送付すれば問題ありません。

自分で申請する人は申請システムに申請表・関係書類を提出します。

ちなみに大学院の修士課程・博士課程への留学を希望する人は代行申請ができません。

高校留学や大学の学科留学までが対象です。

申請に必要なHSKレベルと難易度

中国政府奨学金には6つのコースがあり、目的によって選ぶコースが異なります。

すべてのコースで免除される項目は「学費」「宿泊費」「総合医療保険費」です。

それ以外にコースによって支給額が異なります。

詳細を以下の表にまとめたので、参考にしてください。

	留学目的	留学期間	支給額	申請条件
Aコース	語学留学	4週間	×	HSK成績がある人
Bコース	語学留学	1学期	約5万円	・HSK3級180点以上、かつ　　　HSKK 成績がある方 ・HSKの成績がある人（中医太極文化を学習する人）
Cコース	語学留学	1学年	約5万円	・HSK3級270点以上、かつ　　　HSKK 成績がある方（国際中分教育の人） ・HSK4級180点以上、かつ　　　HSKK (中級)60点以上（漢語言文学・中国歴史・中国哲学） ・HSK3級210点以上（漢語研修）※HSKKの成績がある人は優遇されます。
Dコース	大学学士課程	最長4年	約6万円	・高校卒業以上 ・HSK4級210点以上、かつ　　　HSKK中級60点以上
Gコース	大学院修士課程	最長2年	約7万円	・学士学位取得者 ・HSK5級210点以上、かつ　　　HSKK中級  60点以上
Jコース	大学院博士課程	最長4年	約7万円	・修士学位取得者 ・HSK6級200点以上、 かつ　　　HSKK高級、60点以上

中国の大学で学びたい、研究したい人以外はAコースからCコースのいずれかで申請します。

短期留学だとしても、多少の会話ができたほうが充実した留学になるので3〜4級の取得がおすすめです。

HSK何級以上で中国留学できる？：まとめ

今回は中国留学におけるHSKの必要なレベルについて解説しました。

中国語初級者・中級者は語学留学でだいたい1年未満の短期間で留学をします。

その際には奨学金を利用しましょう。

コースにもよりますが、留学で多くのことを学ぶためにも3〜4級のHSK取得がおすすめです。

オンライン留学でも簡単な聞き取りと会話ができればより充実します。

HSK取得をして段階を踏んでから留学に行きましょう。