HSK何級からすごい？履歴書に書ける級・評価されるレベル徹底解説

客観的指標がないと、自分が今どのレベルで、どの級を目指すべきか分かりにくいですよね。

一般的に4級から履歴書に書けますが、4級と5級は企業からの評価に大きな差があります。

この記事では、HSK各級の難易度や必要な勉強時間、就職・転職で評価されるレベル、中国語検定との違いを解説します。

さらに、HSK合格を活かしたキャリア形成や効率的なステップアップ法も紹介します。

中国語スキルを武器にキャリアを広げましょう。

HSKは何級からすごいと評価される？

この章では、HSKの各級がどのように評価されるのか、特に就職・転職市場での評価基準を紹介します。

HSKの評価基準には主に以下の内容があります。

• HSKの評価基準と各級の目安
• 履歴書に書けるのは何級から？
• HSK4級と5級の評価の差
• 職種別に見る企業が求める中国語レベル

HSKの評価基準と各級の目安

HSKは中国政府が公認する中国語能力の国際標準試験で、以前は1級から6級まででした。

後に新設された7〜9級は非常に高度な試験です。

6級までの各級とCEFR（ヨーロッパ言語共通参照枠）の対応は以下の表のとおりです。

CEFR	HSKの級	単語数	説明
A1	HSK1級	150語	初学者。基本的な挨拶や自己紹介ができる。
A2	HSK2級	300語	初級者。日常的な簡単なやりとりができる。
B1	HSK3級	600語	中級者。身近な話題について要点を理解できる。
B2	HSK4級	1,200語	準上級者。複雑な話題も主要な内容を理解できる。
C1	HSK5級	2,500語	上級者。高度な内容の長い文を理解できる。
C2	HSK6級	5,000語	熟練者。ほぼ全てのものを容易に理解できる。

参考：CEFRとは | HSK 日本で一番受けられている中国語検定（HSK公式サイト）

「HSKは何級からすごい？」とよく聞かれますが、実際に履歴書に書いて企業から評価されるのは4級からとされています。

ただ、本当に“すごい”と感じられ、就職・転職で強みになるのはHSK5級以上です。

履歴書に書けるのは何級から？

履歴書に中国語能力として記載するなら、HSK4級から価値があると言われています。

4級は中国語の基本的な運用能力を示すもので、特に新卒採用では十分なアピールポイントになります。

しかし、転職市場や中国関連の専門職を目指す場合は、HSK5級以上が求められることが多いのが現実です。

職種によっても基準は異なり、一般事務職であればHSK4級でも「中国語能力あり」として評価されますが、海外営業や中国関連の担当職ではHSK5級が評価の分岐点になることが多いです。

さらに通訳や翻訳、現地でのマネジメント職では、HSK6級が条件として明記されることも珍しくありません。

履歴書に記載する際は、単に級だけでなく、取得点数や実践経験も併記するとより効果的です。

例えば「HSK5級（210/300点）・上海駐在経験1年」のように書くことで、実務での活用能力も含めてアピールできます。

HSK4級と5級の評価の差

4級は「ある程度の中国語能力がある」という評価なのに対し、5級は「ビジネスレベルの中国語能力を持つ」と見なされる傾向があります。

4級では短い文章の読み書きやシンプルな会話が可能なレベルですが、5級になると中国語の新聞記事や映画を理解したり、ビジネス文書の読解・作成ができるレベルとなり、「使える中国語」として評価されます。

4級から5級へのレベルアップは、転職市場での評価や仕事の幅を大きく広げる投資と言えるでしょう。

職種別に見る企業が求める中国語レベル

企業が求める中国語レベルは、業種や職種によって大きく異なります。

一般的にビジネスで実用的に活用できると評価されるのはHSK5級以上です。

グローバル経済における中国の存在感が増す中、中国語スキルへの需要は高まり続けており、HSKはその能力を客観的に証明する重要な指標となっています。

業種別に見ると、日系企業の中国関連事務職ではHSK4級でも応募可能な場合が多いですが、貿易業やメーカーの現地担当者にはHSK5級が標準的な要求レベルとなっています。

通訳・翻訳職に関してはHSK6級がほぼ必須条件であり、外資系企業の中国関連部門ではHSK5級に加えて実務経験も求められることが一般的です。

中国での現地採用を目指す場合は、職種によって異なるものの、HSK5級以上が基本ラインとされ、特に管理職ポジションではより高いレベルが期待されます。

中国関連のキャリアを本格的に考えるなら、最低でもHSK5級、理想的には6級の取得を目指しましょう。

HSKと中検どちらを選ぶべきか

この章では、中国語検定試験の二大選択肢であるHSKと中検（中国語検定）の違いと、目的別の選び方を紹介します。

HSKと中検の選択には主に以下の内容があります。

• HSKと中検の違いを徹底比較
• 就職・転職でどちらが有利か
• 留学を目指すならHSKがおすすめ

HSKと中検の違いを徹底比較

HSKは中国政府が公認する国際標準化試験であり、世界中で実施されています。

一方、中検（中国語検定）は日本中国語検定協会が主催する日本人学習者向けの検定試験です。

試験形式の大きな違いは、HSKはリスニング、リーディング、ライティング（3級以上）が中国語のみで出題されるのに対し、中検では設問は日本語で書かれ、日本語から中国語への翻訳問題も含まれる点です。

HSKは実用的なコミュニケーション能力を測ることに重点を置いているのに対し、中検は文法知識や漢字の知識も重視されます。

試験の特徴が異なるため難易度の比較は一概にはできませんが、おおよその目安は以下の通りです。

中検	HSK
準4級	1〜2級
4級	2〜3級
3級	4〜5級
2級	5〜6級
準1級/1級	6級以上

参考：試験概要 | 中検（中検公式サイト）

自分の得意不得意や学習スタイルによって取り組みやすさが変わります。

どちらを受験するかは、自分の目標に合わせて決めることが大切です。

就職・転職でどちらが有利か

就職・転職市場での評価は、どのような企業や職種を目指すかによって変わります。

日本国内の企業では中検の方がHSKよりも知名度が高く、評価される傾向があります。

特に日本国内の商社や製造業では、中検2級以上が有利に働くことがあります。

一方、外資系企業や国際機関、中国を含む海外での就職を目指す場合は、HSKの国際的な認知度が強みとなります。

中国現地採用求人の多くがHSK5級以上を条件として明記しており、IT業界や貿易業ではHSK5級に加えて実務経験も重視されます。

翻訳・通訳業では中検準1級/1級またはHSK6級が基準となることが多いです。

キャリア目標に応じて選ぶことが重要で、可能であれば両方の資格を取得することで、より多角的に中国語能力をアピールできるでしょう。

中検について詳しくは下記の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事】中国語検定が就職に有利になるのは何級から？資格を活かすための注意点も紹介

留学を目指すならHSKがおすすめ

中国や台湾への留学を考えている場合、HSK（または台湾向けのTOCFL）の取得は必須と言えます。

中国の大学や大学院への入学には、HSKのスコアが明確な入学要件として設定されているため、中検では代用できません。

中国の大学学部課程では一般的にHSK4級〜5級が必要で、学部によって要求レベルが異なります。

大学院ではHSK5級180点以上が必要です。

特に北京大学や清華大学などの一流大学では、HSK6級が求められる場合もあります。

台湾の大学ではTOCFL Band B（HSK4級相当）以上が一般的な要件となっています。

また、中国政府奨学金の申請においても、HSKのスコアが選考の重要な判断材料になります。留学を視野に入れている場合は、早い段階からHSKの勉強を始めましょう。

HSK各級の難易度と学習時間

この章では、HSKの各級における難易度や必要な学習時間を紹介します。

HSK各級の難易度と学習時間には主に以下の内容があります。

• HSK4級難易度と必要な勉強時間
• HSK5級の壁を乗り越える方法
• HSK6級までの道のり

HSK4級の難易度と必要な勉強時間

HSK4級は履歴書に書ける最低限のラインです。

約1,200語の語彙力が求められ、幅広い話題について理解し議論する能力が評価されます。

メールの読み書きや簡単な業務連絡、標準的なスピードの会話を理解できるレベルです。

学習時間は大学の第二外国語で2年間が目安です。

試験はリスニング、リーディング、ライティングの3セクションで構成され、300満点中180点で合格です。

HSK4級を目指す場合は、文法の理解を深めるとともに、会話練習が効果的です。

単語帳やオンラインアプリを活用した語彙学習と、中国語メディア視聴によるリスニング強化を日常に取り入れることで効率的に実力を高められます。

HSK5級の壁を乗り越える方法

4級から5級への移行では、単語数が1,200語から2,500語へと倍以上に増加し、文章の複雑さも大きく変わります。

この壁を越えるには、180時間程度の追加学習（毎日2時間なら3ヶ月）が必要です。※習得時間には大きな個人差があります。

短期取得には、最初の1ヶ月で単語暗記とリスニング基礎、次の1ヶ月で過去問演習と間違い分析、最後の1ヶ月で模擬試験と弱点補強という段階的アプローチが効果的です。

『HSK公認テキスト』と『公式過去問集』、アプリの『公認HSK単語』『SuperTest』などを活用し、着実に力をつけましょう。

HSK5級は真の中国語力を持つ人材として評価され、キャリアの選択肢が大幅に広がります。

HSK6級までの道のり

HSK6級は中国語能力の最高ランクとして、5,000語以上の語彙力と、ほぼネイティブに近い理解力・表現力が求められます。

6級に到達するには5年以上（2,500〜3,000時間）の継続的な学習が必要とされています。※個人差があります。

試験ではニュースや専門書の読解力が必要で、ライティングには要約する問題があります。

6級を目指す場合は、語彙増強だけでなく、複雑な文章の要約練習や流暢な自己表現の練習、専門分野の語彙強化が重要です。

取得後もビジネス中国語（BCT）などの専門分野へのステップアップで、真の国際人としての価値をさらに高められます。

HSKを活かしたキャリア形成法

この章では、HSK取得がキャリア形成にどのように活かせるのかを紹介します。

HSKを活かしたキャリア形成には主に以下の内容があります。

• HSK5級取得で広がる就職先
• HSK6級で目指せる専門職
• HSK合格者のキャリアアップ成功事例

HSK5級取得で広がる就職先

HSK5級を取得すると、多くの企業で「ビジネスレベルの中国語能力」として高く評価され、中国語を活かした様々な職種への道が開けます。

特に中国との取引が活発な業界では大きな強みとなるでしょう。

実際に中国現地採用求人の多くがHSK5級以上を条件としており、キャリア形成における重要な分岐点と言えます。

就職・転職先としては、日系メーカーの中国市場担当や中国工場との調達交渉担当、中国企業の財務分析担当、中国人観光客向けのインバウンド戦略担当、中国マーケット向けのIT製品ローカライズ担当などがあります。

HSK5級を目指す際は、語学力だけでなく、自分のキャリア目標に合わせた専門知識も並行して学ぶと効果的です。

履歴書には具体的な点数も記載し、実践経験があれば併記することで、より説得力のあるアピールができるでしょう。

HSK6級で目指せる専門職

HSK6級取得者は「中国語のプロフェッショナル」として評価され、高度な専門職への道が開かれます。

ほぼネイティブに近い中国語能力を示す6級は、学術的・専門的な状況でも効果的に自己表現できる能力があることの証明となります。

プロの通訳者・翻訳者、大学や語学学校の中国語教師、国際機関の中国関連プロジェクト責任者、中国担当の外交官、中国マーケット専門のコンサルタント、日系企業の中国現地法人マネジメント職など、高度な中国語スキルが必須の職種に就くことが可能になります。

HSK6級取得後も、ビジネス中国語（BCT）や専門分野の語彙強化を進め、特定の業界知識も深めることで、より専門性の高いポジションを獲得しやすくなります。

HSK合格者のキャリアアップ成功事例

HSK取得者の中には、その資格を活かして就職・転職や昇格に成功し、キャリアアップした事例が多数存在します。

事例1：Sさん/大学の外国語学部中国語学科卒・HSK6級取得で就活に成功

HSK6級を取得したSさんは、就職活動の際に「中国語力のある人材」として注目され、複数企業から内定をもらいました。

現在は大手グローバル企業で働いています。

事例2：Kさん/仕事で必要性感じ中国語を学習

Kさんは中国・台湾への出張の際に現地の人とうまくコミュニケーションを図れず、中国語学校に通うことにしました。

HSK6級取得後は、上海・深圳でIT製品用部品の購買リーダーを担当し、HSKの学習がとても役に立ちました。

事例3：Mさん/証券会社勤務

Mさんは、勤務先の昇格時に資格取得要件があり、中国語を選ぶならHSK5級以上が必要でした。

無事HSK5級を取得して昇格を果たしました。

参考：HSK受験者インタビュー（HSK公式サイト）

HSKは客観的な中国語能力の証明として企業から信頼され、中国市場の重要性が高まる現在、大きな強みとなっています。

HSKをキャリアアップに活かすには、資格取得だけでなく、業界特有の専門用語や習慣の理解、中国人とのコミュニケーション経験など、実践的なスキルも身につけることが重要です。

HSKと専門スキルを組み合わせることで、独自の市場価値を高められるでしょう。

効率的なHSK学習法

この章では、HSKを効率的に学習するための方法と教材について紹介します。

効率的なHSK学習法と教材には主に以下の内容があります。

• リスニング・読解力を伸ばすコツ
• 挫折しない学習計画の立て方
• モチベーション維持のための戦略

リスニング・読解力を伸ばすコツ

リスニングと読解力は実践的な反復トレーニングと段階的な難易度アップで効果的に伸ばすことができます。

リスニング強化法：

• 音声を聞きながら同時に声に出して真似るシャドーイング練習
• 短い音声を聞いて書き取るディクテーション
• 中国語字幕付き中国語ドラマの視聴

特に数字や固有名詞などのキーワードだけでも聞き取る練習から始めると良いでしょう。

読解力向上法：

• 易しい文章を量多く読む多読法
• 難しい文章を徹底的に分析する精読法
• 時間を計って読む速読トレーニング

どちらのスキルも日常的な取り組みが重要で、通勤・通学時間を利用したリスニング練習や就寝前の短文読解など、毎日15分でも継続することで徐々に耳と目が中国語に慣れていきます。

おすすめの教材は下記の記事をご覧ください。

【関連記事】全レベルまとめ！HSK対策におすすめ参考書と学習の進め方

挫折しない学習計画の立て方

中国語学習、特にHSKの上位級を目指す過程では、学習内容の多さと難しさから挫折してしまう人もいます。

挫折しないためには、次のような持続可能な学習計画が大切です。

1. 具体的な数値目標（例：⚪︎月⚪︎日のHSK5級で200点以上）
2. 無理のない計画（例：週15時間→週10時間に調整）
3. キャリア目標に関連付け（例：⚪︎年⚪︎月に中国企業へ転職

スケジュール例：

• 平日1日30分〜1時間（朝活または通勤時間活用）
• 週末は集中学習日を設定（2〜3時間×土日どちらか）
• 月間では4週目を復習週間として定着度を確認する

また、進捗管理には、学習管理アプリ（Todoist、Habiticaなど）の活用、学習日記の作成、定期的な模擬テストで客観的な実力確認を行うと良いでしょう。

モチベーション維持のための戦略

長期的なHSK学習を成功させるカギはモチベーション維持にあります。

まず、目的を明確化して可視化しましょう。

「HSK5級→中国現地法人勤務→管理職」などのキャリアマップや目標達成後のイメージを見える場所に貼っておくと効果的です。

次に、小さな成功体験を積み重ねることが大切です。

週単位で達成可能な小目標（新出単語50個覚える、リスニング問題10問解くなど）を設定し、達成ごとに自分へのご褒美を用意します。

また、学習の記録をつけて進捗をグラフ化するなど可視化することもモチベーション維持に役立ちます。

さらに、仲間づくりと共有も効果的です。

オンライン学習コミュニティに参加したり、HelloTalkなどのアプリで語学交換パートナーを見つけると孤独な学習から脱却できます。

SNSで「#HSK学習記録」などのハッシュタグを使って進捗を共有するなど、自分の興味・関心と中国語学習を結びつけて楽しめるようにすることも長期継続のポイントです。

まとめ

• HSK4級から履歴書に書ける
• HSK5級になるとビジネスレベルとして高く評価される
• HSK6級はほぼネイティブレベル

HSKが何級からすごいと感じるかは個人差がありますが、実用的には5級からです。

4級から履歴書に書けるものの、日常的に中国語を使う企業が求める中国語力は5〜6級以上です。

目的に応じた学習計画で、キャリアを広げましょう。

具体的かつ無理のない学習計画で、小さな成功体験を積みながらモチベーションを維持することが大切です。

独学で伸び悩んでいる時は、毎日中国語公式LINEまでお気軽にご相談くださいね。