中国語のスピーキングが上達しない原因診断【練習法あり】

中国語は声調や発音の難しさ、そしてアウトプットの環境不足など、特有のハードルがあります。

正しく原因を知り、適切な対策を取らないと、「読める・書けるのに話せない」という壁にぶつかってしまいがちです。

この記事では、中国語スピーキングが上達しない原因を大きく3つに整理し、それぞれの解決のヒントを紹介します。

さらに、今日からできる効果的な練習ステップや、実際に声に出して取り組めるチャレンジ問題も用意しました。

スピーキングに自信をつけましょう！

中国語のスピーキングが上達しない根本原因

「単語や文法はわかるのに、なぜか話せない…」多くの学習者が抱えるこの悩みには、いくつか共通する原因があります。

ここでは代表的な4つの根本原因を取り上げ、それぞれにどんな対策が有効なのかを解説していきます。

1. 発音・声調が「通じるレベル」に届いていない
2. 知識を「使う練習」が足りていない
3. 完璧を求めすぎる
4. 日本語でも話すのは苦手

原因（1）発音が「通じるレベル」に届いていない

チェックポイント
　⬜︎ 全てのピンインを自信を持って発音できますか？
　⬜︎ 4つの声調、軽声、第3声や「一」「不」の変調ルールを理解していますか？
　⬜︎ 単語やフレーズを覚える時、ピンインと声調もセットで定着させていますか？

中国語のスピーキングが伸び悩む大きな原因の1つは、発音が「相手にストレスなく伝わるレベル」に達していないことです。

「自分では正しく言っているつもりなのに、相手に聞き返される…」そんな経験はありませんか？

ご存知の通り、中国語には日本人にとって言いにくい発音が多くあり、さらに声調が違うだけで「母（mā）」が「馬（mǎ）」になるなど、全く意味が変わる言語です。

HSKなどの筆記試験では文法や語彙力が測れても、発音の正確さは評価されません。

そのため、多くの学習者が無意識に発音練習を後回しにしてしまいがちです。

まずは基本に立ち戻ろう
・ピンインと声調を徹底的に復習する
・短い時間でも毎日音読・シャドーイング・録音を行う
・自分の声を聞き返してズレを確認・修正する

原因（2）知識を「使う練習」が足りていない

チェックポイント
　⬜︎ 新しく覚えた単語や文法を声に出して読んでいますか？
　⬜︎ 中国語の独り言や日記で「自分で文を考える」練習をしていますか？
　⬜︎ 週に3回以上ネイティブと話す機会を作っていますか？

単語や文法を覚えるインプット学習に比べ、実際に話してみるアウトプットの練習量が不足していることも、中国語スピーキングが上達しない大きな原因です。

「単語は覚えているのに、いざ話そうとすると口から出てこない…」よくありますよね。
知識を「知っている」だけでなく、「使える」ようにするためには、繰り返し声に出し、実際の会話で使う練習が欠かせません。

アウトプットのコツ
・毎日5分でも「声に出して読む練習」を続ける
・独り言や日記は短くて簡単な文から始める
・オンラインレッスンや言語交換を活用して、実際に話す時間を増やす

原因（3）完璧を求めすぎる

チェックポイント
　⬜︎ 間違えることを恐れて、話す前に言葉を飲み込んでいませんか？
　⬜︎ ミスをして落ち込むことが多くありますか？
　⬜︎ 通じなかったらどうしようと不安になりますか？

中国語スピーキングが伸び悩むもう1つの原因は、「間違えてはいけない」という気持ちから完璧を求めすぎてしまうことです。

「正しい文法や発音を考えている間に周りの話はどんどん進んでしまい、結局何も発言できなかった…」これは多くの人が通る道です。

しかし、実際の会話では多少の文法ミスや発音の揺れがあっても、文脈やジェスチャーで相手に伝わるものです。

むしろ大切なのは、「正確さ」よりも「伝える」ことです。

小さな成功体験を積み重ねることで、自然と自信がつき、会話の幅も広がっていきます。

継続のコツ
・完璧を目指さず「まずは通じればOK」と考える
・小さなフレーズでも使えたら自分を褒める
・ミスは成長の証だと捉え、学びの材料にする

原因（4）日本語でも話すのは苦手

チェックポイント
⬜︎ 日本語でも、大勢の前でのスピーチや、大事な会議でのプレゼンなど緊張しますか？
⬜︎  「うまく発言しなきゃ」「気の利いたことを言わないと」と思いますか？
⬜︎ 普段の会話でも、自分の意見を言うより聞き役になることが多いですか？

日本語でも人前で話すことが苦手な人は、外国語である中国語で話そうとするとさらに難しく感じます。
「うまく言わなきゃ」と自分でハードルを上げてしまうことで、口を開くこと自体がプレッシャーになってしまうのです。

でも「話す」というのは相手がいて初めて成り立つもの。

相手も人間ですから、完璧な言葉より「伝えようとする気持ち」の方が大切です。

まずは短くてもシンプルな言葉を口に出すことから始めましょう。

内気な人でも中国語を話すコツ
・1フレーズでも話せたらOKとする
・端的に結論から話し出す
・少人数・安心できる場で練習する

今日からできる！効果的な練習ステップ

「原因はわかったけれど、実際に何をすればいいの？」という方のために、ここでは中国語スピーキング力を伸ばすための具体的な練習ステップを紹介します。

大切なのは完璧を目指さず、小さな行動を積み重ねることです。

今日からできることに取り組んでみましょう。

1. 発音を「通じるレベル」まで磨く
2. 短いアウトプットを習慣化する
3. 直接中国語で考える練習をする
4. 実践会話の機会を積極的に作る
5. 続けられる学習習慣をデザインする

ステップ（1）発音を「通じるレベル」まで磨く

中国語は発音が少し異なるだけで意味が大きく変わってしまうため、基礎をしっかり固めることが大切です。

とはいえ、最初からネイティブのアナウンサーのような発音を目指す必要はありません。

まずは相手にストレスなく伝わるレベルを意識すれば十分です。

毎日5分でいいのでピンインや声調を声に出して確認しましょう。

短い単語やフレーズを録音し、自分の声を聞き返すと「思ったより声調が崩れている」と気づくこともあります。

さらに、ネイティブ音声を繰り返し真似して「リズムと抑揚」を体に染み込ませる練習も効果的です。

ステップ（2）短いアウトプットを習慣化する

「いざ話そうとすると頭が真っ白になる」というのはアウトプット不足の典型です。

解決の鍵は、短い文でいいので「その場で使う」習慣を作ることです。

例えば、新しく覚えた単語をその日のうちに短文で言ってみる。

「今日は暑い」「コーヒーを飲みたい」といった身近なフレーズを中国語に置き換えて独り言を言うだけでも立派な練習になります。

1日3文でもOK。

いきなり長い文を話そうとするより、短文を積み重ねる方が続けやすく、確実に「使える知識」に変わっていきます。

ステップ（3）直接中国語で考える練習をする

日本語で考えてから中国語に訳そうとすると、どうしても文が複雑になりがちです。

私たちは母国語の日本語を長年使っているため、知っている単語や表現の数が圧倒的に多く、中国語ではまだ表現できないことを言おうとして詰まってしまうのです。

そこで効果的なのが、日本語を介さずに直接中国語で考える練習です。

自分の趣味や好きなことなどから言いやすい話題を選んだり、今日の出来事を友達に話すつもりで、「こんなことがあった」と中国語でつぶやいてみましょう。

難しい表現は避け、短く簡単な文で反射的に話す練習を重ねることで、少しずつ「中国語で考える回路」が育ち、瞬発力が上がってスピーキング力がぐんと伸びていきます。

ステップ（4）実践会話の機会を積極的に作る

独学だけでは限界があります。

やはり「実際に相手に向かって話す経験」がスピーキング力を飛躍的に伸ばしてくれます。

まずは週に2〜3回は、オンラインレッスンや言語交換の場を確保しましょう。

学習アプリやSNSで中国語パートナーを見つけるのも効果的です。

最初は緊張してうまく話せなくても、「通じた！」という小さな成功体験を積むことで自信が育ち、学習のモチベーションも大きく高まります。

ステップ（5）続けられる学習習慣をデザインする

スピーキング力は一朝一夕で身につくものではありません。

だからこそ「続けられる仕組みづくり」が欠かせません。

おすすめは、毎日決まった時間に「発音 → 短文アウトプット → 会話練習」の流れをルーティン化することです。

勉強時間を長く取るよりも、「朝食後に5分だけ」「通勤前に音読する」など、行動のトリガーを固定する方が継続につながります。

また、学習の記録を残すと「先週より声調が安定している！」と自分の成長を実感できます。

チャレンジ！中国語で答えよう！

最後に実際に中国語で答える練習をしてみましょう。

段階的に挑戦してみてくださいね。

• 1文で答える
• 2～3フレーズで答える
• 5文以上で答える

レベル（1）：1フレーズで答える

質問①
你喜欢喝什么？（何を飲むのが好きですか？）

回答例：我喜欢喝咖啡。（コーヒーを飲むのが好きです。）

ポイント：
まずは「主語＋動詞＋目的語」でシンプルに。

レベル（2）：2～3フレーズで答える

質問②
你周末一般做什么？（週末は普段何をしますか？）

回答例：我周末一般看电影，也会去公园散步，有时候还跟朋友一起吃饭。（週末は映画を見ます。散歩に行ったり友達とご飯を食べることもあります。）

ポイント：
「也」「还」「有时候」などを入れると、自然に2〜3文に広げられます。

レベル（3）：5文以上で答える

質問③
请介绍一下你喜欢的偶像/歌手/演员。（あなたの推しを紹介してください）

回答例：
我最喜欢的偶像是王一博。他很会唱歌，也会跳舞。我觉得他特别帅，而且很努力。我看过很多他的电视剧，真的很好看。他的笑容让我很开心，所以我每天都关注他的新闻。我希望以后有机会去看他的演唱会。

（私が一番好きなアイドルは王一博です。彼は歌が上手で、ダンスもできます。彼はとてもかっこよくて、それにすごく努力家だと思います。彼のドラマをたくさん観ましたが、本当に面白いです。彼の笑顔を見ると私はとても幸せな気持ちになるので、毎日彼のニュースをチェックしています。将来、彼のコンサートに行ける機会があればいいなと思っています。）

ポイント：
「主張→具体例や経験→感想→将来の希望」のように順序良く筋道を立てて話すとうまくいきやすいです。

まとめ

中国語のスピーキングが上達しない原因は、大きく分けて4つです。

• 発音・声調の基礎不足
• アウトプット練習の不足
• 完璧を求めすぎる
• 日本語でも話すのは苦手

この記事で紹介したように、まずは自分の課題を知り、短い時間でも継続的に練習することが大切です。

また、今回のチャレンジコーナーのように、実際に声に出して答える練習を繰り返すことで、知識が「使える力」に変わっていきます。

はじめから完璧を目指す必要はありません。

小さな一歩を積み重ねることで、中国語は必ず上達します。

ぜひ今日から取り入れて、あなたのスピーキング力アップにつなげていきましょう。

中国語学習は1人だとどうしても悩んで止まってしまうことがあります。