
発音が難しい中国語の単語を一挙公開!カタカナ発音から脱却してネイティブに通じるコツ付き
この記事でわかること
- 中国語の単語で発音が難しいのは、zh, ch, sh, rが含まれるもの
- ü, e, er など日本語にない母音が含まれるものと、-n, -ngの区別も難しい
- 発音が難しい中国語の単語は、耳と目と手を使って練習しよう!

中国語の単語で、特に発音が難しいのはどれですか?



中国語は日本語にない発音が多いため、発音に苦労している日本人は少なくありません。
この記事では、日本人が特に言いにくい単語の中から実際の会話でよく使われるものを選びました。
発音のコツもあわせて紹介しますので、今日はさっそく練習を始めて、ネイティブに褒められる発音をゲットしましょう!
目次
発音が特に難しい中国語単語一覧


それではさっそく日本人が難しいと感じる中国語の単語を見ていきましょう。
よく使われる重要単語を厳選して紹介します。
- そり舌音(zh・ch・sh・r)が含まれる単語
- ü・e・erなど日本語にない複雑な母音を持つ重要単語
- 鼻音(n・ng)が含まれる単語
- 軽声・変調がある単語
- 声調の違いで意味が変わる同音異義語
そり舌音が含まれる単語
中国語学習者が最初につまずく大きな壁、それが「そり舌音(そりじたおん)」です。
ピンインの zh, ch, sh, r がこれにあたり、日本語にはない舌の使い方をするため、多くの人が苦手意識を持っています。
ポイントは、舌先を上の歯茎の少し奥(硬口蓋)に向けて持ち上げ、舌全体を少し奥に引くことです。



「舌を巻く」と意識しすぎると不自然な力が入ってしまうので、まずは「舌を奥に引いて、スプーンのような形にする」イメージを持ってみましょう。
zh の音を含む単語(無気音)
舌をそり舌音のポジションにセットし、息を破裂させずに出します。
- 中国 (Zhōng guó) – 中国
- 知道 (zhī dào) – 知っている、わかる
- 找 (zhǎo) – 探す
- 重要 (zhòng yào) – 重要である
- 一直 (yì zhí) – ずっと、まっすぐ
ch の音を含む単語(有気音)
zh と同じ舌の形で、強く息を吐きながら出します。
ティッシュを口の前にかざし、それが勢いよく揺れるくらい息を出すのが目安です。
- 吃 (chī) – 食べる
- 出租车 (chū zū chē) – タクシー
- 超市 (chāo shì) – スーパーマーケット
- 衬衫 (chèn shān) – シャツ、ワイシャツ
- 长城 (Cháng chéng) – 万里の長城
「出租车」は難易度が高いですが非常に良い練習になります。
sh の音を含む単語
zh ch と同じ舌のポジションで、息を隙間から持続的に摩擦させて出す音です。
- 是 (shì) – ~です、はい
- 老师 (lǎo shī) – 先生
- 什么 (shén me) – 何
- 书 (shū) – 本
- 说 (shuō) – 話す
特に shì は最頻出単語なので、ここで正しい形をマスターしましょう。
r の音を含む単語
日本語の「ラ行」とは違い、舌先はどこにも触れません。
- 日本人 (Rì běn rén) – 日本人
- 认识 (rèn shi) – 知り合う、知っている
- 如果 (rú guǒ) – もし~ならば
- 热 (rè) – 暑い、熱い
- 当然 (dāng rán) – もちろん、当然
焦らず、ゆっくりしたスピードから練習してみてくださいね。
複雑な母音を持つ代表的な単語
そり舌音と並んで、多くの日本人学習者を悩ませるのが「母音」の発音です。
日本語の母音は「ア・イ・ウ・エ・オ」の5つとシンプルですが、中国語には36種類もの母音が存在します。
特に、日本語にはない口の形や舌の動きが求められる母音は、意識して練習しないとネイティブにはなかなか通じません。
ここでは、特に日本人が苦手としがちな「ü」「e」「er」と鼻音を含む、代表的な単語を見ていきましょう。
ü (yu) を含む単語
「u」の上に点々が付く「ü」は、日本語にない代表的な母音です。
ストローで飲み物を吸う時のように唇をぐっとすぼめて「イ」を言うと近い音が出ます。
- 女 (nǚ) – 女性
- 绿 (lǜ) – 緑
- 去 (qù) – 行く
- 学习 (xué xí) – 勉強する
juは実はj+uではなく、j+üです。quとxuも同様です。
曖昧母音 e を含む単語
口を半開きにして、舌を自然な位置に置き、喉の奥から「エ」と「オ」の中間の音を曖昧に出すのがポイントです。
口周りの力を抜いてリラックスしましょう。
- 喝 (hē) – 飲む
- 饿 (è) – お腹がすいた
- 哥哥 (gē ge) – 兄
- 可乐 (kě lè) – コーラ
巻き舌母音 er を含む単語
曖昧母音「e」を発音しながら、最後に舌先をグッと奥に引いてカールさせる音です。
アメリカ英語の “bird” の “ir” の音によく似ています。
- 二 (èr) – 数字の2
- 儿子 (ér zi) – 息子
- 耳朵 (ěr duo) – 耳
- 这儿 (zhèr) – ここ
主に中国の北方の地域で言われています。
鼻音が含まれる単語
中国語の発音の中で、日本人には同じように聞こえるのに、中国人には全く違う単語に聞こえているのが「鼻音」です。
日本語の「ん」は、実は後ろに来る音によって無意識に発音が変わる音ですが、中国語ではこの違いを意識的にコントロールする必要があります。
発音のコツ:-n は前(舌先)、-ng は奥(舌の根)
まずは、2つの音の決定的な違いである「舌の位置」を覚えましょう。
- -n (前鼻音 an, en, in, un, ün など)
- 舌の位置: 舌先を、上の歯茎の裏側にしっかりとくっつけます。
- 音のイメージ: 日本語で「あんない」と言う時の「ん」の音です。発音の最後に舌先で息にフタをする感覚です。
- -ng (後鼻音 ang, eng, ing, ong)
- 舌の位置: 舌先はどこにもつけず、舌の付け根(奥の方)をグッと持ち上げて、喉の奥を塞ぐようにします。
- 音のイメージ: 日本語で「まんが」と言う時の「ん」の音です。口を少し開けたまま、鼻と喉の奥で「ング」と音を響かせる感覚です。
理屈がわかったら、今度は実際に単語で違いを体感してみましょう。
以下のペアを、舌の動きを大げさに意識しながら発音してみてください。
| -n 前鼻音 | -ng 後鼻音 |
| 陈 (chén) | 成 (chéng) |
| 真 (zhēn) | 正 (zhèng) |
| 心 (xīn) | 星 (xīng) |
| 晚 (wǎn) | 网 (wǎng) |
| 穿 (chuān) -着る | 窗 (chuāng) -窓 |
ミニ例文で練習!
- 这个房间真大。 (zhège fángjiān zhēn dà.)
→ この部屋は本当に大きいですね。
(fangは舌の奥、zhenは舌先、と意識して切り替えましょう) - 请相信我。 (qǐng xiāngxìn wǒ.)
→ 私を信じてください。
(xiangは奥、xinは前。鼻音の連続は良い練習になります) - 银行离这里远吗? (yínháng lí zhèlǐ yuǎn ma?)
→ 銀行はここから遠いですか?
(yinは前、hangは奥、yuanは前。一つの文に鼻音が満載です)
練習のヒント
最初はゆっくり、「fanーfang」のように交互に発音し、舌先の動きと喉の響きの違いを体で覚えるのが効果的です。
自分の声を録音して、ネイティブの音声と聞き比べてみるのも良いでしょう。
軽声、変調が含まれる単語
中国語の単語の意味を決定づける「声調」。
実際の会話では、単語が組み合わさることで声調が変化することが頻繁に起こります。
それが「軽声(けいせい)」と「声調変化(変調)」です。



ルールを理解すれば、あなたの中国語は一気にネイティブらしくなります。
軽声になる代表的な単語
「軽声」とは、音節が本来の声調を失い、前の音に添えるように軽く、短く発音される音のことです。ピンインでは声調記号を付けずに表記されます。
助詞や単語の2音節目などによく現れ、発音に自然な強弱のリズムを生み出します。
【軽声の代表例】
- 的 (de) – (~の)
- 例: 我的 (wǒ de) – 私の
- 妈妈 (mā ma) – お母さん
- ma は軽く添えるだけ。mā mā と同じ強さで発音しません。
- 朋友 (péng you) – 友達
- 什么 (shén me) – 何
- 漂亮 (piào liang) – きれいだ
声調変化(変調)が起こる代表的な単語
特定の声調が連続するとき、発音しやすくするために声調が変化するルールです。特に重要な3つのルールを覚えましょう。
ルール①:第三声 + 第三声 → 第二声 + 第三声
低い音である第三声が続くと発音しにくいため、前の第三声が上がり調子の第二声に変化します。これは最も頻繁に起こる変調です。
- 你好 (nǐ hǎo → ní hǎo) – こんにちは
- 可以 (kě yǐ → ké yǐ) – ~できる、~してもよい
- 水果 (shuǐ guǒ → shuí guǒ) – 果物
- 很小 (hěn xiǎo → hén xiǎo) – とても小さい
ルール②:「一 (yī)」の変調
「一」は後ろに続く単語の声調によって、声調が変わります。
- 後ろが第一声、第二声、第三声の場合 → 第四声 yì に変化
- 一天 (yī tiān → yì tiān) – 1日
- 一起 (yī qǐ → yì qǐ) – 一緒に
- 後ろが第四声の場合 → 第二声 yí に変化
- 一个 (yī ge → yí ge) – 1つ
- 一样 (yī yàng → yí yàng) – 同じ
ルール③:「不 (bù)」の変調
「不」はシンプルです。後ろに第四声の単語が続くときだけ、第二声の bú に変化します。
- 不是 (bù shì → bú shì) – ~ではない
- 不对 (bù duì → bú duì) – 違います
- 不去 (bù qù → bú qù) – 行かない
※変化しない例:不吃 (bù chī), 不忙 (bù máng)
声調で意味が変わる同音異義語
「中国語は声調が命」——この言葉を何度も聞いたことがあるかもしれません。
日本語でも「橋(はし)」と「箸(はし)」のように同音異義語がありますが、イントネーションで区別しますよね。
中国語では、その役割を「声調」が担っています。
声調を1つ間違えるだけで、意味が通じないどころか、全く違う意味に取られてしまい、時には赤面するような誤解を生むことも…。
ここでは、特に間違えやすく、覚えておくとリスニング力とスピーキングの正確性が格段にアップする「そっくりさん単語」たちを、面白い例文と一緒に紹介します。クイズ感覚でマスターしていきましょう!
まずは基本!単音節のそっくりさん
1つの音だけで意味が全く異なる、声調トレーニングの基本となる単語です。
- ma ファミリー
- 妈 (mā) [一声]:お母さん
- 麻 (má) [二声]:麻、しびれる
- 马 (mǎ) [三声]:馬
- 骂 (mà) [四声]:罵る
- tang ファミリー
- 汤 (tāng) [一声]:スープ
- 糖 (táng) [二声]:砂糖
- 躺 (tǎng) [三声]:横になる
- 烫 (tàng) [四声]:熱い(やけどするほど)
- ミニ例文: 这碗汤(tāng)很烫(tàng),不要放糖(táng),我想躺(tǎng)着喝。
(このスープはとても熱いから、砂糖は入れないで。横になって飲みたいなあ。)
- jian ファミリー
- 肩 (jiān) [一声]:肩
- 煎 (jiān) [一声]:(油で)焼く・炒める
- 茧 (jiǎn) [三声]:(手足の)まめ、たこ
- 见 (jiàn) [四声]:会う
- ミニ例文: 我明天去见(jiàn)一个朋友,他的肩(jiān)上长了一个茧(jiǎn)。
(明日一人の友人に会いに行きますが、彼の肩にはまめが一つできています。)
意味が真逆に?買い物・会話で要注意の単語ペア
言い間違えると意図が正反対に伝わってしまう、非常に重要なペアです。
- 买 (mǎi) vs 卖 (mài)
- 买 (mǎi) [三声]:買う
- 卖 (mài) [四声]:売る
- ミニ例文: 我想买(mǎi)那个,不是卖(mài)。
(私はあれを買いたいのであって、売りたいのではありません。)
- 问 (wèn) vs 吻 (wěn)
- 问 (wèn) [四声]:聞く、尋ねる
- 吻 (wěn) [三声]:キスする
- ミニ例文: 我可以问(wèn)你一个问题吗?
(一つ質問をしてもいいですか?) ※決して wěn と言い間違えないように!
2音節でもこんなに違う!聞き分けられるようにしよう
単語が2音節になってもルールは同じです。聞き分けの難易度が少し上がりますが、良い練習になります。
- 睡觉 (shuì jiào) vs 水饺 (shuǐ jiǎo)
- 睡觉 (shuì jiào) [四声・四声]:寝る
- 水饺 (shuǐ jiǎo) [三声・三声]:水餃子
- ミニ例文: 他太困了,没吃水饺(shuǐ jiǎo)就去睡觉(shuì jiào)了。
(彼は眠すぎて、水餃子も食べずに寝てしまいました。)
- 教室 (jiào shì) vs 教师 (jiào shī)
- 教室 (jiào shì) [四声・四声]:教室
- 教师 (jiào shī) [四声・一声]:教師
- ミニ例文: 那位教师(jiào shī)在教室(jiào shì)里等我们。
(あの先生は教室で私たちを待っています。)
- 语言 (yǔ yán) vs 预言 (yù yán)
- 语言 (yǔ yán) [三声・二声]:言語
- 预言 (yù yán) [四声・二声]:予言
- ミニ例文: 他的预言(yù yán)是,未来这种语言(yǔ yán)会消失。
(彼の予言は、未来にはこの言語は消滅するだろう、というものです。)
- 眼镜 (yǎn jìng) vs 眼睛 (yǎn jing)
- 眼镜 (yǎn jìnɡ) [三声・四声]:メガネ
- 眼睛 (yǎn jinɡ) [三声・軽声]:目
- ミニ例文: 他的眼睛(yǎn jing)不好,所以戴着眼镜(yǎn jìng)。
(彼の目は良くないので、メガネをかけています。)
- 经理 (jīng lǐ) vs 经历 (jīng lì)
- 经理 (jīng lǐ) [一声・三声]:支配人、マネージャー
- 经历 (jīng lì) [一声・四声]:経験(する)
- ミニ例文: 那位经理(jīng lǐ)有很多有趣的人生经历(jīng lì)。
(あのマネージャーはたくさんの面白い人生経験を持っています。)
- 城市 (chéng shì) vs 诚实 (chéng shí)
- 城市 (chéng shì) [二声・四声]:都市
- 诚实 (chéng shí) [二声・二声]:誠実である
- ミニ例文: 要在这个大城市(chéng shì)里做一个诚实(chéng shí)的人。
(この大都市で誠実に生きるべきだ。)
このように、ピンインが同じでも声調が違うだけで意味が全く変わる単語は無数にあります。
焦らず一つずつ、音の違いを楽しみながら覚えていきましょう。
発音が難しい中国語単語の練習方法


それでは最後に、中国語の発音が難しい単語の練習方法を紹介します。
中国語は発音を間違えるととても通じにくい言語です。
聞き分けて自分でも言えるようにしていきましょう。
- 似ている子音の練習方法
- 声調変化ルールと同音異義語で間違えやすい単語の効果的な記憶術
- 日本語の音韻体系に引きずられないネイティブレベル発音への転換テクニック
似た子音の練習方法
似た音の聞き分けは、舌の位置と息の強さを「目で見て、体で感じる」練習で、意外とあっさり解決できるんです。
日本人が最も苦労するのは、そり舌音であるzh、ch、sh、rとそれ以外の区別、および有気音と無気音の区別です。
これらは発音の特徴が似ているため、聞いただけでは区別が難しいですが、発音時の舌の位置や息の強さという物理的な違いを体感することで確実に区別できるようになります。
鏡で自分の口の形や舌の位置がお手本と同じになっているか確認しましょう。



1日10分程度でも「見る・聞く・比較する」練習を続けてみてください。
「あれ?いつの間にか聞き分けできてる!」という嬉しい発見が来る日はそう遅くはありません。
声調を間違えやすい単語の覚え方
声調は「手・頭・心」で覚えましょう。
声調は抽象的な音程変化のため、耳からの情報だけでは記憶に定着しにくいのです。
手のジェスチャー、単語の意味、使う場面を一緒に覚える方法なら、自然で実用的な声調感覚が短期間で身につきます。



手のジェスチャー練習では、第一声は水平、第二声は上昇、第三声はV字、第四声は下降の動きと連動させて練習しましょう。
カタカナ発音から脱却するコツ
中国語の発音は日本語より種類が多い上、声調があるため、カタカナでは正確な発音を書き表すことができません。
カタカナ発音からの卒業は4ステップで脱却しましょう。
- 一度日本語を忘れる
- 鏡で形を確認
- ネイティブ音声をマネ
- 録音で客観チェック
一度カタカナで覚えてしまうと、あとから矯正するのが大変です。
中国語の発音はピンインで覚えることも大切です。
まとめ


発音が難しい中国語の単語を一気に紹介しました。
中国語の発音が難しい!と感じる理由は口の形や舌の位置、息の出し方などが日本語とは異なるからです。
「我是日本人」に代表されるそり舌音をはじめ、「e」など日本語にない母音、-nと-ngの区別、有気音と無気音、さらには声調の変化まで練習することがたくさんあります。
耳だけの情報だけでは、無意識に日本語のカタカナで代用しがちなので、目や手も使って練習しましょう。
少しずつでも毎日続けることが大切です。
毎日中国語公式LINEの中国語学習情報もチェックしてみてくださいね!




