中国語「就」の使い方を4つの副詞で攻略|例文と発音のコツ
- 中国語の「就(jiù)」は、時間・語気・範囲・関連という4つの副詞に分ければ整理できる
- 例文で「就」の役割を確認しよう!
- 同じ文でも、どこを強く読むかで「たった〜だけ」と「〜も」が入れ替わる
中国語の「就(jiù)」は、教科書にもドラマにも何度も出てくるのに、そのたびに訳語が変わってしまう厄介な一文字です。
「すぐに」と習ったはずが、次のページでは「もう」、その次は「まさに」や「〜だけ」。
辞書を引けば語釈が20以上並び、読んだそばから抜けていく。

そんなもどかしさを感じていませんか。
実は「就」は、意味の数で覚える単語ではありません。
4つの役割に分けて、それぞれの代表例文を音で覚えてしまえば、初級・中級の段階で出会う「就」はほぼ処理できます。
この記事では、その4つの分け方と、日本人がいちばん見落としがちな発音の強弱まで、ピンイン付きの例文とあわせて整理します。
「就」は一文字なのに、どこを強く読むかで伝わる意味が変わります。
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「就」の意味が多いのは4つの顔があるから


中国語の「就」がつかみにくいのは、意味が多いからではなく、4つの違う役割を1つの漢字で兼ねているからです。
時間・語気・範囲・関連という4つの副詞に分けてしまえば、どの用法も「そのうちのどれか」に収まります。
まずは全体の地図を手に入れましょう。
訳語で覚えようとすると挫折する
「就」を訳語のリストで覚えようとすると、ほぼ確実に行き詰まります。
すぐに、もう、とっくに、まさに、〜だけ、〜も、〜なら。
並べただけでは共通点が見えず、記憶の引っかかりがどこにもないからです。
そもそも「就」には、日本語の「食べる」や「大きい」のような、それ自体で完結する意味がほとんどありません。
前後の内容をぐっと近づけたり、話し手の気持ちを乗せたりする、いわば接着剤のような働きをする語です。
だから訳が場面ごとに変わるのは当たり前で、辞書の語釈を暗記しても使えるようにはなりません。
大事なのは「この『就』は何をしている語か」を見分けることです。
時間を近づけているのか、気持ちを強調しているのか、範囲を絞っているのか、前後の文をつないでいるのか。
この4択で考える習慣がつくと、初めて見る文でも意味を推測できるようになります。
4つの副詞で見る「就」の全体像
副詞としての「就」は、次の4つに分類できます。
まずはこの表を頭に入れてから、次の章以降で1つずつ確認していきましょう。
| 分類 | 「就」の働き | 代表例文 |
| 時間副詞 | 時間を近づける | 饭马上就好。(Fàn mǎshàng jiù hǎo./食事はすぐできます) |
| 語気副詞 | 気持ちを強める | 我就是喜欢红色。(Wǒ jiù shì xǐhuan hóngsè./赤がとにかく好きなんだ) |
| 範囲副詞 | 対象を絞る | 房间里就我一个人。(Fángjiān lǐ jiù wǒ yí ge rén./部屋には私一人だけ) |
| 関連副詞 | 前後の文をつなぐ | 只要努力学习,你就会有回报。(Zhǐyào nǔlì xuéxí, nǐ jiù huì yǒu huíbào./努力さえすれば報われる) |
見てのとおり、日本語の訳はバラバラでも、やっていることは「近づける」「強める」「絞る」「つなぐ」の4つに整理できます。
会話でも試験でも登場頻度が高いのは時間副詞と関連副詞なので、迷ったらこの2つから手をつけると効率的です。
動詞や前置詞として使う「就」もある
副詞のほかに、「就」には動詞と前置詞の用法もあります。
数は多くありませんが、知らないと文の骨格を読み違えるので、存在だけは押さえておきましょう。
動詞の「就」は「近づく、そばに寄る」という意味で、「就职(jiùzhí/就職する)」「就业(jiùyè/職に就く)」のように熟語の中でもよく見かけます。



日本語の「就く」とほぼ同じ感覚なので、漢字から意味を想像できます。
前置詞の「就」は「〜について」の意味で、会議や文書などかたい場面で使われます。
「大家就这个方法进行了讨论(Dàjiā jiù zhège fāngfǎ jìnxíng le tǎolùn./一同はこの方法について討論した)」のような文です。
動詞や前置詞の「就」は初級のうちに深追いする必要はありません。
まずは副詞の4分類を優先し、この2つは「そういう顔もある」と覚えておけば十分です。
時間を表す「就」はすぐ・もう・したらすぐ


中国語の「就」でいちばん出番が多いのが時間副詞です。
時間の隔たりを詰めて「近い」と感じさせるのが役割で、日本語では「すぐに」「もう」「〜するとすぐ」の3通りに訳し分けられます。
加えて「就要〜了(jiùyào 〜 le)」という決まった形も押さえておきましょう。
すぐに〜すると伝える「马上就」
これから短い時間のうちに起きることを言うとき、動詞の前に「就」を置きます。
日本語の「すぐに」にあたる使い方で、「马上就(mǎshàng jiù)」という形で耳にすることがとくに多くなります。
- 我就去,稍等一下(Wǒ jiù qù, shāo děng yíxià./すぐ行くので少々お待ちください)
電話や店先でそのまま使える一言です。ここで「就」を抜いて「我去(wǒ qù)」とすると、行くという事実を伝えるだけで、切迫感が消えてしまいます。
「马上(mǎshàng/すぐに)」や「很快(hěn kuài/じきに)」といった副詞と一緒に使うと、早さがさらに際立ちます。
- 你等一下,他马上就回来(Nǐ děng yíxià, tā mǎshàng jiù huílái./ちょっと待って、彼すぐ戻ってくるから)
- 天很快就亮了(Tiān hěn kuài jiù liàng le./空はもうすぐ明るくなるよ)
これらのように、セットで口に出して覚えてしまうのが近道です。
時間や年齢の後ろに置くと「もう」
時間や年齢を表す言葉の後ろに「就」を置くと、話し手が「それは早い」と感じていることを表せます。
日本語では「もう」「とっくに」と訳される使い方です。
- 他二十岁就结婚了(Tā èrshí suì jiù jiéhūn le./彼は20歳で結婚した)
ここには、20歳という年齢を早いと感じている話し手の驚きが乗っています。
- 我们从小就是好朋友(Wǒmen cóngxiǎo jiù shì hǎo péngyou./私たちは小さい頃から親友だった)
こちらも、付き合いの長さを強調する言い方です。
ポイントは、この早さがあくまで主観だということ。20歳の結婚を早いと思わない人なら「就」は使いません。
- 这个事情早就清楚了(Zhège shìqing zǎo jiù qīngchu le./このことはもうとっくにはっきりした)
この「早就(zǎojiù)」のように、時間の語と組み合わさった形もよく使うので、まとめて覚えておくと便利です。
〜するとすぐを表す「一A就B」
2つの動作が間を置かず続けて起こることを表すのも「就」の仕事です。
- 他说完就回去了(Tā shuō wán jiù huíqù le./彼は話し終わるとすぐに帰った)
このように、前の動作の直後に次の動作が起きた、という流れを1文で表せます。
この形をさらにはっきりさせたのが「一A就B(yī A jiù B)」です。
Aの部分に最初の動作、Bの部分に次の動作を入れると、「AするとすぐにB」という意味になります。
- 她一下班就出去了。(Tā yí xiàbān jiù chūqù le./彼女は退勤するとすぐ出て行った)
- 这个语法很容易,我一看就会了。(Zhège yǔfǎ hěn róngyì, wǒ yí kàn jiù huì le./この文法は簡単で、見たらすぐできた)
- 他一解释我就懂了。(Tā yì jiěshì wǒ jiù dǒng le./彼が説明すると私はすぐに分かった)
会話でもリスニングでも頻出の形なので、「一〜就〜(yī 〜 jiù 〜)」という音のリズムごと体に入れてしまいましょう。
なお「一(yī)」は省略でき、その場合も意味は変わりません。
もうすぐを表す「就要〜了」
近い未来のことを言うときは、「就要〜了(jiùyào 〜 le)」という形を使います。
動詞の前に「就要」、文末に「了」を置いて「もうすぐ〜する」を表します。
- 我们下个月就要结婚了(Wǒmen xià ge yuè jiù yào jiéhūn le./私たちは来月結婚します)
ここでの「要(yào)」はこれからの予定を、「了(le)」は状況の変化を示していて、「就」が加わることで時期の近さがぐっと強まります。
似た形に「快要〜了(kuàiyào 〜 le)」がありますが、両者は使いどころが違います。
時期がはっきり決まっているときは「就要〜了」、いつ起きるか曖昧なときは「快要〜了」を選びます。
閉店時刻が決まっている店なら「就要(jiùyào)」、宿題がいつ終わるか分からないなら「快要(kuàiyào)」というイメージです。


気持ちを強調する語気副詞の「就」


語気副詞の「就」は、文の意味そのものより話し手の気持ちを乗せるための使い方です。
なくても文は成立しますが、入れると「まさにこれだ」「絶対にこうする」といった熱量が加わります。
日本人がいちばん使いこなせていない用法でもあり、ここが自然に出せると中国語がぐっとネイティブらしくなります。
まさに〜だと指し示す「就是」
何かをぴたりと指し示したいとき、「就」を使って強調します。
とくに「就是(jiùshì)」の形は会話で頻繁に登場します。
- 他就是我最喜欢的爱豆(Tā jiù shì wǒ zuì xǐhuan de àidòu./彼こそが私の一番好きなアイドルだよ)
「他是我最喜欢的爱豆(Tā shì wǒ zuì xǐhuan de àidòu.)」でも通じますが、それだと平坦な説明で終わります。
「就」が入ると、ほかでもないこの人だ、という指差しの感覚が生まれます。
場所を示すときにも同じ働きをします。
- 下一站就是街道口站(Xià yí zhàn jiù shì Jiēdàokǒu zhàn./次の駅が街道口駅だよ)
- 我家就在那个酒店的前面(Wǒ jiā jiù zài nàge jiǔdiàn de qiánmiàn./私の家はまさにあのホテルのすぐ前だよ)
どちらも「まさに」「ちょうど」を足しているだけですが、この一文字があるかないかで、聞き手が受け取る鮮明さは大きく変わります。
簡単には曲げない決意を表す
自分の意志が固いことを伝えるときにも「就」を使います。
日本語の「絶対に」「どうしても」に近い働きです。
- 你这么说我就不去了(Nǐ zhème shuō wǒ jiù bú qù le./君がそう言うなら行かないよ)
ここには、もう気持ちは決まっていて簡単には変わらない、というニュアンスが込められています。
この使い方のときは、「就」を重く、はっきりと発音するのがコツです。
同じ文字でも、軽く流せば単なる接続、しっかり押せば譲らない気持ちの表明になります。
文字だけを追っていると気づけない部分なので、音声教材や動画で実際の言い方を確かめながら練習してみてください。
したいならすればという投げやり
「動詞+就+同じ動詞」という形にすると、相手の好きにさせる気持ちを表せます。
文脈しだいで、あたたかい容認にも、突き放した投げやりにもなる便利な言い回しです。
- 你想吃就吃吧。(Nǐ xiǎng chī jiù chī ba./食べたければ食べなよ)
- 你要去就去,我无所谓。(Nǐ yào qù jiù qù, wǒ wúsuǒwèi./行くなら行けば?私はどうでもいいよ)
前者は相手を思いやる響き、後者は少し冷たい響きになります。
同じ構造でも、声のトーンと後半に続く言葉で印象が決まるわけです。
中国ドラマではこの形が頻繁に出てくるので、耳にしたら「あ、好きにしろの就だ」と反応できるようにしておくと、聞き取りがぐっと楽になります。
会話で使える「就」の決まり文句
「就」は決まり文句としても定着していて、丸ごと覚えるだけですぐ使えるものがいくつもあります。
文法として分解するより、フレーズのまま口に出したほうが早く身につきます。
- 这样就可以了!(Zhèyàng jiù kěyǐ le!/これでOKだよ!)
- 就这样吧!(Jiù zhèyàng ba!/じゃあこうしよう!)
- 我就这样长大了。(Wǒ jiù zhèyàng zhǎngdà le./私はこうして成長しました)
- 不用这么多,一个就够了。(Bú yòng zhème duō, yí ge jiù gòu le./こんなにいらないよ、1個で十分)
とくに「就这样吧(jiù zhèyàng ba)」は、話し合いをまとめるときの定番です。
会議でも友人との相談でも、最後にこの一言が出せると、やり取りが一気に自然になります。
こうした短いフレーズは、覚えた数がそのまま会話力になります。
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範囲と関連をつなぐ「就」の使い方


残る2つの副詞は、範囲を絞る「就」と、文と文をつなぐ「就」です。
範囲副詞は「〜だけ」と対象を限定し、関連副詞は仮定・条件・因果を受けて後半の結論に橋を架けます。
とくに関連副詞は複文の形で決まっているものが多く、構文ごと覚えてしまえば作文でもすぐ使えます。
〜だけを表す範囲副詞の「就」
範囲副詞の「就」は、対象を1つに絞って「〜だけ」と伝える使い方です。
意味としては「只(zhǐ)」や「只有(zhǐyǒu)」に近く、数や範囲の少なさを示します。
- 我就去过北京,没去过别的地方。(Wǒ jiù qù guo Běijīng, méi qù guo bié de dìfang./北京だけ行ったことがあって、ほかの場所は行ったことがない)
- 全班就他一个人没来,别人都来了。(Quán bān jiù tā yí ge rén méi lái, biérén dōu lái le./クラスで彼だけが欠席したが、ほかは全員出席した)
- 他们都是中国人,就我是日本人。(Tāmen dōu shì Zhōngguórén, jiù wǒ shì Rìběnrén./彼らはみんな中国人だけど、僕だけが日本人だ)
ここで注目したいのが「就」を置く位置です。
副詞は普通、動詞や形容詞の前に置きますが、範囲を表す「就」だけは例外で、「就我(jiù wǒ)」「就他一个人(jiù tā yí ge rén)」のように名詞や数量詞の前にも置けます。
この語順を見かけたら「範囲の就だ」と判断できるので、見分けの手がかりとして覚えておきましょう。
もし〜ならの仮定を表す「如果〜就」
前半で仮定を述べ、後半でその結果を言うときは「如果A,就B(rúguǒ A, jiù B)」の形を使います。
日本語の「もしAならB」にあたる、複文の代表格です。
- 如果有钱的话,我就买摩托车(Rúguǒ yǒu qián de huà, wǒ jiù mǎi mótuōchē./もしお金があったらバイクを買うよ)
日本語では「〜なら」と言えば仮定が伝わりますが、中国語では後半にも「就」を置いて受けるのが基本の形です。
日本語の感覚では後半の「就」を落としがちなので、ここは意識して練習したいところ。
前半の「如果(rúguǒ)」や「要是(yàoshi)」のほうは、口語では省略されることもあります。
「明天下雨,我就不去(Míngtiān xià yǔ, wǒ jiù bú qù./明日雨が降るなら、行かない)」のように、前半が短い場合は「就」だけが残る形もよく耳にします。
〜さえすればを表す「只要〜就」
条件を1つ挙げて「それさえ満たせば大丈夫」と言うときは、「只要A,就B(zhǐyào A, jiù B)」を使います。
仮定よりも前向きで、背中を押すような響きになる構文です。
- 只要经常锻炼,身体就会强健(Zhǐyào jīngcháng duànliàn, shēntǐ jiù huì qiángjiàn./常に体を鍛えさえすれば、体は丈夫になるよ
学習のアドバイスや励ましの場面で使いやすく、そのまま自分の言葉として持っておくと便利です。
「如果〜就」との違いは、条件のニュアンスにあります。
「如果」は起きるかどうか分からないことを仮定するのに対し、「只要(zhǐyào)」は「これだけクリアすればいい」と条件のハードルの低さを示します。
同じ「就」でも、前に来る接続詞で伝わる印象が変わるわけです。
〜だからの因果を表す「因为〜就」
理由と結果をつなぐときにも「就」が使われます。
「因为A,就B(yīnwèi A, jiù B)」で「AなのでB」を表す形です。
- 因为突然有事,就没去上课(Yīnwèi tūrán yǒushì, jiù méi qù shàngkè./突然の用事ができたので授業に行かなかった)
前半の理由を受けて、後半の結果へ自然に流れていきます。
会話では前半の「因为(yīnwèi)」が省略されることも珍しくありません。
- 任务紧急,我就提前赶来了(Rènwù jǐnjí, wǒ jiù tíqián gǎnlái le./任務が緊急だったので、日時を繰り上げて駆けつけた)
このように、理由を表す言葉がなくても「就」があるだけで因果関係が伝わります。
同じように仮定の「如果」が省かれた「不同意就算了(Bù tóngyì jiù suàn le./同意しないならやめましょう)」も定番です。
接続詞が見当たらないのに「就」がある文に出会ったら、前半が理由か仮定になっていないかを疑ってみましょう。


発音と「才」で変わる「就」のニュアンス


ここからが、独学ではいちばん見落とされる部分です。
「就」はどこを強く読むかで、伝わる意味が正反対になることがあります。
あわせて、日本人がよく取り違える「才(cái)」との違いも、話し手の主観という1本の軸で整理しておきましょう。
「就」を強く読むと「たった〜だけ」
まったく同じ文でも、「就」を強く読むと数量の少なさを強調する意味になります。
- 他就讲了一个小时,然后马上走了(Tā jiù jiǎng le yí ge xiǎoshí, ránhòu mǎshàng zǒu le./彼はたった1時間だけ話して、その後すぐ帰った)
1時間という長さを短いと感じている話し手の気持ちが乗ります。
同じ発想の文は日常でもよく使います。
- 我就吃了一个肉包子,还是有点饿(Wǒ jiù chī le yí ge ròubāozi, háishì yǒudiǎn è./肉まんを1つ食べただけだけど、まだお腹が空いてる)
食べた量の少なさを訴える言い方です。
範囲を限定する「就」も、基本的には強めに発音されます。
- 就我是日本人(jiù wǒ shì Rìběnrén)
「就」をはっきり押し出すと、自分ひとりだけという限定がくっきり伝わります。



文字を目で追うだけでは身につかないので、必ず声に出して確かめましょう。
前の語を強く読むと「〜も」になる
一方、「就」の直前にある主語や数量詞を強く読むと、同じ文が「〜も」という多さの強調に変わります。
さきほどの文をそのまま使ってみましょう。
- 他就讲了一个小时,别人都没有时间讲了(Tā jiù jiǎng le yí ge xiǎoshí, biérén dōu méiyǒu shíjiān jiǎng le.)
「他(tā)」を強く、「就」を軽く発音します。
すると「彼が1時間も話したので、ほかの人は話す時間がなくなった」という意味になります。
文字はほぼ同じでも、伝わる内容は逆です。
この「多い・十分だ」の系統には、「それだけあれば足りる」と伝える言い方も含まれます。
- 不用这么多,一个就够了(Bú yòng zhème duō, yí ge jiù gòu le./こんなにいらないよ、1個で十分)
- 我知道你很忙,五分钟就可以了(Wǒ zhīdào nǐ hěn máng, wǔ fēnzhōng jiù kěyǐ le./忙しいのはわかってる、5分だけでいいよ)
少ないと嘆いているのか、それで足りると言っているのか。
判断の手がかりは前後の文脈と、話し手がどこを強く読んだかにあります。
早いと感じたら就、遅いと感じたら才
「就」と並んで学習者を悩ませるのが「才(cái)」です。
両者の違いは、話し手が早いと感じているか、遅いと感じているかという主観の差にあります。
たとえば、ある人が9時に来たとします。
約束が10時だったなら1時間も前倒しなので「他九点就来了(Tā jiǔ diǎn jiù lái le./彼は9時にはもう来た)」。
逆に約束が8時だったなら1時間の遅刻なので「他九点才来(Tā jiǔ diǎn cái lái./彼は9時にやっと来た)」。
事実は同じ9時でも、話し手の評価で使う語が変わります。
形の上での見分け方もあります。
「就」の文は文末に「了(le)」を伴うことが多いのに対し、「才」の文では普通「了」を使いません。
「他九点才来了(Tā jiǔ diǎn cái lái le.)」としてしまう誤りは初中級で頻出なので、次の3点をセットで覚えておくと安心です。
| 比べる点 | 就(jiù) | 才(cái) |
| 話し手の感じ方 | 早い・もう〜した | 遅い・やっと〜した |
| 文末の「了(le)」 | よく使う | 普通は使わない |
| 条件を表す複文 | 只要〜就(zhǐyào 〜 jiù) | 只有〜才(zhǐyǒu 〜 cái) |
只要〜就と只有〜才の条件の違い
条件を表す複文でも、「就」と「才」は対になります。
「只要〜就(zhǐyào 〜 jiù)」はその条件さえ満たせばよい、「只有〜才(zhǐyǒu 〜 cái)」はその条件がなければ成り立たない、という違いです。
- 只要吃药,他的病就能治好(Zhǐyào chī yào, tā de bìng jiù néng zhì hǎo./薬さえ飲めば、彼の病気は治る
ほかにも治す道はあるが、薬が手っ取り早い、という含みがあります。
- 只有吃药,他的病才能治好(Zhǐyǒu chī yào, tā de bìng cái néng zhì hǎo./薬を飲まないと、彼の病気は治らない」。
こちらは、薬が唯一の条件だと言い切っています。
同じ日本語訳でも、言外の意味はまるで違います。
「あなたがいてくれれば楽しい」と言うつもりで「只有(zhǐyǒu)」を使えば、「あなたがいないと楽しくない」という重い告白になってしまう。
条件が唯一のものなのか、ほかにも道があるのか。
そこを意識して選ぶと、伝えたいニュアンスがぶれなくなります。


中国語の「就」でよくある質問
最後に、「就」を学ぶ過程でつまずきやすい5つの疑問に答えます。
ここまでの内容の復習としても使えるので、気になる項目から確認してみてください。
Q1. 「就」と「才」はどう違いますか?
話し手が早いと感じたら「就(jiù)」、遅いと感じたら「才(cái)」を使います。事実が同じでも、期待していたタイミングより前倒しなら「就」、後ろ倒しなら「才」です。「他九点就来了(Tā jiǔ diǎn jiù lái le.)」なら早く来た、「他九点才来(Tā jiǔ diǎn cái lái.)」なら遅れて来たことになります。「才」の文では文末に「了(le)」を使わない点にも注意してください。
Q2. 「就要〜了」と「快要〜了」の違いは?
起きる時期がはっきり決まっているかどうかが違います。閉店時刻や結婚式の日取りのように予定が確定しているときは「就要〜了(jiùyào 〜 le)」、いつ終わるか分からない作業などには「快要〜了(kuàiyào 〜 le)」を使います。どちらも「もうすぐ〜する」と訳せますが、「就要」のほうが時期の近さと確実さが強く出ます。
Q3. 「就」と「只」はどちらも「だけ」?
どちらも「〜だけ」と訳せますが、強調の度合いが違います。「只(zhǐ)」が単に「ただ〜」と範囲を示すのに対し、「就(jiù)」は「たった〜しかない」と少なさを強く押し出します。同じ「教室に2人いる」でも、少なさを相手に印象づけたいときは「就」を選びましょう。語順の面でも、「就」は名詞や数量詞の前に置けるという違いがあります。
Q4. 「一A就B」の「一」は省略できる?
省略できます。「他一说完就走了(Tā yì shuō wán jiù zǒu le.)」と「他说完就走了(Tā shuō wán jiù zǒu le.)」はどちらも「彼は言い終わるとすぐに行ってしまった」という意味で、どちらを使っても構いません。ただし慣れないうちは「一A就B(yī A jiù B)」の形で覚えておくほうが、2つの動作がセットになっていると意識しやすくなります。
Q5. 「就」は文のどこに置きますか?
副詞なので、基本は主語の後ろ、動詞や形容詞の前です。「我就去(Wǒ jiù qù.)」「他马上就回来(Tā mǎshàng jiù huílái.)」のように、動詞の直前に置くと考えれば迷いません。例外は範囲を表す「就」で、この場合だけ「就我是日本人(jiù wǒ shì Rìběnrén)」のように名詞や数量詞の前にも置けます。この語順を見たら範囲の用法だと判断できます。
まとめ|就は4つの副詞と発音で攻略できる


中国語の「就」は、意味の多さに圧倒されがちですが、役割で分けてしまえば恐れる相手ではありません。
最後に要点を振り返ります。
- 「就(jiù)」は時間・語気・範囲・関連の4つの副詞に分けると整理できる。訳語ではなく役割で覚える
- 時間の「就」は「すぐに」「もう」「〜するとすぐ」の3通り。「一A就B(yī A jiù B)」「就要〜了(jiùyào 〜 le)」は形ごと覚える
- 語気の「就」は気持ちを乗せる働き。「就是(jiùshì)」や「就这样吧(jiù zhèyàng ba)」は会話でそのまま使える
- 「就」を強く読めば「たった〜だけ」、直前の語を強く読めば「〜も」。同じ文でも意味が入れ替わる
- 早いと感じたら「就」、遅いと感じたら「才(cái)」。只要〜就(zhǐyào 〜 jiù)と只有〜才(zhǐyǒu 〜 cái)も条件の重さが違う
次の一歩は、この記事の例文を声に出して読むことです。
とくに「我就去,稍等一下(Wǒ jiù qù, shāo děng yíxià.)」「就这样吧(Jiù zhèyàng ba.)」のような短い文から始めて、「就」をどのくらいの強さで読むかを自分の耳で確かめてみてください。



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