
中国ライブ配信がもっと分かる用語集|視聴前に押さえる基本ポイント
この記事でわかること
- 中国語で「ライブ配信」は「直播(zhíbō)」、「フォロー」は「关注(guānzhù)」、「いいね」は「点赞(diǎnzàn)」と言う。
- 「666」は「すごい!」、「哈哈哈」は「ははは」を表す。
- 中国のライブ配信は「抖音(TikTokの中国版)」などで見られるが、日本からの視聴は工夫が必要。
中国のライブ配信で飛び交う中国語を理解し、推しとリアルタイムで交流する。
そんな体験をしてみたいと思いませんか?
抖音(Douyin)や小红书(rednote)には、教科書には載っていない「生きた表現」が溢れています。
「666」や「yyds」といったスラングを1つ使うだけで、配信者があなたの名前を呼び、反応してくれるかもしれません。

この記事では、中国のライブ配信に関する基本用語に加え、配信の楽しみ方と注意点も紹介します。
中国のネット文化に触れてみましょう。
目次
中国語のライブ配信に関する基本用語


中国のSNSや動画アプリを開くと、日本とは桁違いの熱気を感じるのがライブ配信の世界です。
教科書では習わない独特な用語やスラングが飛び交っているため、最初は戸惑うかもしれません。
しかし、基本となる単語さえ押さえておけば、現地のトレンドや文化がぐっと身近に感じられるようになります。



まずは、中国のライブ配信を楽しむために最低限知っておきたい、最も基礎的な用語から見ていきましょう。
用語(1)ライブ配信「直播」と配信者「主播」


まずは最も基本となる4つの用語です。
中国語で「ライブ配信」は「直播(zhíbō)」と言います。
「直播间(zhíbō jiān)」と呼ばれる配信ルームに入室すると、いいねやコメントができるようになるのが一般的です。
配信者が「主播(zhǔbō)」なのに対して、視聴者は「观众(guānzhòng)」です。
■ 例文:
- 欢迎来到我的直播间!(私の配信ルームにようこそ!)
用語(2)フォロー「关注」といいね「点赞」


ライブ配信やSNSで欠かせない「フォロー」は中国語で「关注(guānzhù)」です。
フォローした人(フォロワー)は「粉丝(fěnsī)」と言い、これは英語の「fans」に由来しています。
「いいねをする」は「点赞(diǎnzàn)」です。
アプリによっては「小心心」と書かれていたり、ハートやグッドマークのこともあります。
■ 例文:
- 双击屏幕点个赞!(画面をダブルタップして「いいね」よろしく!)
- 点个关注,不迷路。(見失わないようにフォローしてね)
用語(3) 流れるコメント「弾幕」文化


ライブ配信では、コメントが横に流れていることがあります。
これを「弹幕(dànmù)」と言います。
盛り上がっている配信では、画面がコメントで埋め尽くされているのもよく見る光景です。
コメントに流れている「哈哈哈哈哈哈」は日本語の「ははははは」と同じ笑い声です。
「哈(ha)」の頭文字だけ取って「hhhhhhhhh」と書く人もいます。
日本語の「笑笑笑」「wwwww」と同じ感覚ですね。
「笑死(xiàosǐ)」もよく使われる笑いを表す言葉です。
また、「666」と6が並んでいるのは「すごい!さすが!」と賞賛を意味します。
同じ発音の「溜(liù)」や似ている発音の「 牛(niú)」も同じ意味で使われます。
他に、感動して涙目になる「泪目(lèimù)」、感情が大きく動かされた「破防了 (pòfángle)」など様々な表現があります。
用語(4)ギフト「礼物」と投げ銭システム


ライブ配信には、仮想アイテムを使って配信者を応援する「投げ銭」機能があり、「打賞(dǎshǎng)」と言います。
ライブ配信では「ギフトを贈る」という意味の「刷礼物(shuā lǐwù)」もよく使われます。
投げ銭のランキングトップは「榜一(bǎngyī)」と呼ばれ、一種の社会的なステータス表示となっています。
もちろん、初心者がいきなり高額なギフトを送る必要はありません。
まずは無料の「いいね」から気軽に始めてみましょう。
用語(5)略語のネットスラング


「666」の他にもさまざまな略語があります。
「永遠の神」を意味する「yyds」は数年前に大流行しました。
「tql(太强了)」「xswl(笑死我了)」はピンインの頭文字を取ったものです。
「520」や「88」は発音が似ている語呂合わせから「愛してる」「バイバイ」となりました。
また、音楽系のライブ配信では、「kksk(ここ好き)」など日本語由来の略語が見られることもあります。
一方、ネットスラングは日本と同様に移り変わりがとても激しいです。
最先端の流行語は実際のライブ配信で感じてみてくださいね。
用語(6)トラブルが発生したら


ネットでライブ配信や動画を見ていると、画像や音声が途切れ途切れになってしまうことがあります。
こういう時は「卡了(kǎ le)」と言います。
完全にネット回線が切断されてしまった時は「掉线了(diàoxiàn le)」です。
また、手が滑って意図せぬところを押してしまった時は「手滑了(shǒuhuá le)」が使えます。
アプリそのものに問題が生じている時は、日本語の「バグ」と同じで「出bug了(chū bug le)」と表現されます。
スムーズに視聴できない場合は、周りの人のコメントを見て、配信者側の問題か自分のネット環境の問題か確認してみましょう。
中国のライブ配信が見られる主要アプリ・サイト一覧


中国にはYouTubeやInstagramとは異なる、独自のアプリ文化が根付いています。
それぞれ、エンタメ・買い物・学習・ゲームなど得意分野があり、「住人(ユーザー層)」が分かれています。
それでは、主要アプリの特徴を見ていきましょう。
アプリ(1)抖音(Douyin)|若者トレンドの発信地
抖音(Douyin)は、日本でも有名なTikTokの中国版です。
ショート動画とライブ配信が完全に融合しており、歌・ダンス・雑談・日常ネタなど、テンポの速いエンタメ系配信が中心です。
最大の特徴は、ライブコマース(配信中の即購入)が非常に発達している点です。
ユーザーが検索しなくても、視聴履歴や興味関心をもとに商品や配信が次々と表示される仕組みになっています。
中国国内では利用者数が非常に多く、都市部の若年〜中堅層を中心に支持されています。
流行語・最新トレンド・今どきの話し方を知りたい人には、まずチェックしたいアプリです。
ブラウザ版:抖音-记录美好生活
アプリ(2)快手(Kuaishou)|生活に密着した配信が多い
快手(Kuaishou)は、抖音と並ぶ大手動画・ライブ配信アプリですが、雰囲気はかなり異なります。
こちらは地方都市や農村部のユーザーが多く、素朴でリアルな生活感のある配信が特徴です。
職人の作業風景、田舎暮らし、一般の人の特技披露など、「普通の中国人の日常」に近い内容が多く見られます。
視聴者と配信者の距離が近く、「老鉄(lǎotiě)」と呼ばれる強い仲間意識のあるコミュニティ文化も有名です。
方言や内輪ノリが多いため、中国語初心者には少し難しく感じることもありますが、リアルな中国社会や地方の暮らしを知りたい人には非常に参考になります。
ブラウザ版:精彩短视频-快手
アプリ(3)bilibili(B站)|Z世代・アニメ / ゲーム文化の中心
bilibili(通称B站)は、若者向けの動画・ライブ配信プラットフォームです。
アニメ・漫画・ゲーム(ACG)、VTuber、音楽、学習系配信など、趣味性の高いジャンルが充実しています。
最大の特徴は、上記で紹介した画面上をコメントが流れる「弾幕」文化です。
視聴者の参加意識が高く、配信者と一緒に盛り上がる一体感があります。
若者言葉、ネットスラング、アニメやゲーム系の中国語など、教科書では学べない中国語に触れられる場でもあります。
ブラウザ版:哔哩哔哩 (゜-゜)つロ 干杯~-bilibili
アプリ(4)淘宝直播(Taobao Live)|ライブコマースの本拠地
淘宝直播(Taobao Live)は、中国最大級のECサイト「淘宝(タオバオ)」内のライブ配信機能です。
目的は非常にシンプルで、「お買い物」です。
エンタメ要素よりも、価格、品質、割引情報が重視され、配信のテンポも非常に速いのが特徴です。
11月11日などセール期間中は、驚くほどのスピードで商品が売れていきます。
ブラウザ版:淘宝直播
アプリ(5)小红书(レッドノート)|美容・ファッションに強い
小红书(rednote)は、口コミ・レビューを重視するライフスタイル系SNSです。
中国では、「商品を買う前に小红书で調べる」という行動が若い女性の間で一般的になっています。
ここでよく使われる言葉が「种草(zhòngcǎo)」です。
他人の投稿を見て「欲しくなる」「試したくなる」ことを意味します。
ライブ配信だけでなく、写真+文章による丁寧なレビューが多いため、美容・ファッション・中国の最新ライフスタイルを知りたい人におすすめです。
ブラウザ版:小红书 – 你的生活兴趣社区
アプリ(6)虎牙 / 斗鱼(Huya / Douyu)|ゲーム配信専門
虎牙(Huya)と斗鱼(Douyu)は、ゲーム配信に特化したプラットフォームです。
プロゲーマーや人気実況者の生配信、eスポーツの公式大会中継などが中心です。
内容のメイン:
- ゲーム実況
- プレイ解説
- ゲーム雑談
これらは「ゲーマーの聖地」とも言われています。



ゲームが好きな人であれば、見ているだけでも魅力が満載です。
中国語のライブ配信を楽しむポイント


中国のライブ配信は、教科書に出てこない表現、今リアルに使われている中国語、世代・地域ごとの話し方に触れられる、非常に貴重な素材です。
最初はすべて理解できなくても問題ありません。
「雰囲気をつかむ」「よく聞く単語を拾う」ことから始めてみましょう。
ポイント(1)視聴を始める際に
中国のアプリやサイトは日本語に対応していません。
ちょっと紛らわしいのですが、中国語の「注册」が日本語の「登録」、中国語の「登录」はサインインです。
いいねやコメントをせず、ただ視聴するだけなら登録が不要なこともあります。
まずは、「直播」の2文字を探し、そこを押してみましょう。
目的の人物やジャンルがある場合は、直接検索もできます(例:穿搭直播、美食直播、王者荣耀直播)。
ポイント(2)配信ルームに入ったら
配信ルームに入ったら、少し様子を見て配信者のスタイルやコメントのテンポをつかみましょう。
「哈哈哈」 「666」 とコメントしたり、 「点赞(いいね)」 してみるのが最も無難な参加方法です。
配信者が「家人们」と呼びかけたり、「把赞点到10万(いいねを10万目指そう)」 と言った時は、参加を促す合図です。
「感谢礼物(ギフトありがとう)」と言った時は投げ銭のタイミングです。
「刷礼物(ギフト)」などお金が関わる活動には、ルールをよく理解してから参加しましょう。
日本から中国の配信を視聴する方法と注意点


日本から中国のアプリを利用するのは、想像以上に高いハードルがあります。
アプリストアにアクセスしても目的のアプリが見つからなかったり、インストールできても動画が再生されなかったりすることが多々あります。
ここでは、中国のライブ配信を楽しむ前に必ず知っておきたい技術的な壁や文化的な注意点を解説します。
注意点(1)中国版アプリのDL手順が複雑
最大の壁は「アプリが見つからない」ことです。
これは、TikTok(国際版)と抖音(中国版)が完全に別のアプリとして管理されており、日本のストアでは入手できないためです。
iPhoneなら中国のApple IDを新規作成し、Androidなら公式サイトからAPKファイルを直接ダウンロードする必要があります。
既存のIDの地域設定を変更する方法もありますが、サブスクリプションが解約されるなどのリスクがあります。
ちょっと試しに見てみるだけなら、ブラウザ版から視聴できることがあります。
注意点(2)コメントのマナーやNG行動がある
コメントをする際、日本と同じ感覚で発言すると、意図せずトラブルに巻き込まれる可能性があります。
中国のネット空間には厳格な検閲システムが存在し、特定の政治用語や指導者の名前は自動的にフィルタリングされます。
禁止ワードを使用したアカウントは即座に「発言禁止」処分を受けるリスクもあります。
トラブルを避けるためにも、政治的な話題は避け、配信内容に対するポジティブな感想や、簡単な挨拶に留めておくのが賢明です。
注意点(3)通信環境や地域制限の壁がある
アプリを入れただけでは「ネットワークエラー」と表示されて何も見られないことがあります。
これはアプリ側が海外からのアクセスを制限しているためです。
回避するには、中国国内にサーバーを持つVPNや、GPS位置情報を偽装するツールが必要になります。
無料のVPNはセキュリティリスクが高く、接続も不安定になりがちです。
快適な視聴のためにも、有料の信頼できるサービスを利用することをおすすめします。
| ツール種別 | 機能・役割 | メリット |
|---|---|---|
| 逆壁VPN(Transocks等) | 中国国内のIPアドレスを経由して接続する | 通信が比較的安定しており、多くのアプリに対応可能 |
| 位置情報偽装(LocaChange等) | スマホのGPS情報を中国国内(上海など)に変更する | 地域限定のコンテンツやフィードを表示させやすい |
まとめ


ライブ配信の基本用語をおさらいしましょう。
- 直播(zhíbō):ライブ配信
- 主播(zhǔbō):配信者
- 关注(guānzhù):フォロー
- 点赞(diǎnzàn):いいね
- 刷礼物(shuā lǐwù):ギフトを贈る
- 弹幕(dànmù):画面上を横に流れるコメント
- 哈哈哈:ははは
- 666:すごい
- 卡了(kǎ le):固まった
中国のライブ配信は、教科書では学べない生の中国語が満載です。
ライブ配信を見られるアプリやサイトは日本語に対応していないため、これらの用語をおさえるところから始めましょう。



配信者の中国語を聞きとるのが難しくても、中国の雰囲気を味わいながら楽しめますよ。
もっと話せるようになりたい方は、毎日中国語公式LINEの学習情報もぜひ活用してくださいね。




