
中国語【入門を終えた人向け】問題集|中検3級・HSK4級レベル対応
この記事でわかること
- 中国語入門後〜HSK4級レベル達成までのおすすめ問題集7種
- 検定試験を受験する予定がなくても、試験対策問題集は文法事項が整理されていて役立つ
- 問題集は「解説を読む→練習問題をする→答えの解説を読んで理解する」の3ステップで取り組もう!

中国語問題集のおすすめを教えてください。
勉強したはずなのに、いざ話そうとすると「なんて言うんだっけ?」「この文法はええと・・・」となることがありますよね。
これは学んだ知識を「使える力」に切り替える練習が不足しているからです。
中国語は使う過程で覚えていきます。
どんなに分かりやすい説明が書いてある参考書でも、練習がなければなかなか定着していきません。
そこで役に立つのが「問題集」です。
この記事では、中国語の入門を終えた人が、知識を定着させ、使える力へと変えていける問題集と、その効果的な使い方を紹介します。



「知っている」から「使える」に変えていきましょう!
- なお、本記事で紹介する問題集は全て2025年12月現在の内容・価格(税込)です。
目次
中国語の入門を終えた人向け【問題集】


入門テキストを一通り読んだけど「覚えられない」と感じる人はとても多いです。
この段階で必要なのは、「理解 → 練習 → 定着」ができる総合型の問題集です。
まず、2冊ピックアップして紹介します。
総合(1)新ゼロからスタート中国語 文法編 準拠版 トレーニングブック
■ Jリサーチ出版(2025/6/20)¥1,320-
定評のある『新ゼロからスタート』シリーズに練習用トレーニングブックが登場しました。
『新ゼロからスタート』と併用でも単体でも使えるようになっています。
入門後のあやふやな知識を整理したい人に非常に向いている一冊です。
書き込み式のワークブックで、文法・単語・リスニング・作文まで幅広く練習できます。
「文法のまとめ → 単語練習 → エクササイズ」という分かりやすい流れで、問題の種類がとても豊富なのが特長です。
「単語練習コーナー」では実際に書いて覚えるスペースが用意されており、語彙と簡体字を同時に定着させられます。
音声は無料ダウンロード対応で、スマホ再生OK。
さらに、発音動画も視聴でき、入門後に不安が残りやすい発音・リスニングの補強にも役立ちます。
- HSK3級の土台作りにも適した問題集です。
総合(2)ドリル式 知りたいことがわかる実戦中国語文法 改訂版
■ 朝日出版社(2017/10/6)¥2,530-
「文法書は読んだけど、実際に使えるようにならない」そんな悩みを持つ独学者に特に評価が高い一冊です。
この本の大きなポイントは、解説と問題のバランスが非常に良いことです。
- 左ページ:体系的な文法説明
- 右ページ:練習問題
- 章末:応用問題
このような構成で、理解した直後に必ず手を動かす流れが作られています。
解説は「他们妈妈」と「他们的妈妈」の違い、「能/可以/会」の使い分けなど、学習者がつまずきやすい細かい疑問まで丁寧にフォローされています。
問題数も多く、「○/△/×で判断させる」など、考えずに流してしまうのを防ぐ工夫がこなされています。
ラジオ講座や入門教材を終えたあと、文法を頭の中で整理し直し、使える形にしたい人に向いています。
入門後〜中級入口への橋渡しとして力をつけられる問題集です。
中国語検定をベースに進める問題集


中国語の入門を終えたあと、「文法を日本語でしっかり理解したい」「語順や細かいニュアンスまで整理して学びたい」という人には、中国語検定(中検)ベースの問題集が非常に相性が良いです。
中検の教材は、日本人学習者がつまずきやすい点を前提に作られており、文法・語法・語順など、「中国語の地力」を伸ばせる構成になっています。
中検を受験する予定がない人にもおすすめです。
ここでは3シリーズを紹介します。
中検(1)完全攻略!シリーズ(準4級・4級・3級)
知識を整理しながら練習したい人に向いているのが、アルク出版の〈完全攻略!〉シリーズです。
書いて覚える本格派。
中検の出題内容をベースにしながら、発音・文法・語彙を体系的に確認できる構成になっており、入門を終えたあとの知識の整理に非常に使いやすいシリーズです。
【準4級】完全攻略!中国語検定準4級
■ アルク出版(2018/1/29)¥2,200-
- レベル感:入門修了
- 特長:
- 発音・文法・単語をバランスよく復習
- 例文 → 文法まとめ → 練習問題、というコツコツ型構成
入門書は読んだけれどよくわからない、覚えられない人に向いています。
【4級】完全攻略!中国語検定4級
■ アルク出版(2018/1/29)¥2,200-
- レベル感:3ヶ月〜1年程度勉強した人
- 特長:
- 見やすく、情報が整理されている
- 文法説明が分かりやすく、初学者にも取り組みやすい
基礎をしっかり固めたい人に向いています。
【3級】完全攻略!中国語検定3級
■ アルク出版(2020/3/27)¥2,750-
- レベル感:200〜300時間勉強した人
- 特徴:
- 文法の総まとめ
- 単語量の大幅アップ
- リスニング力の底上げ
中級への分岐点となるレベルのため、「なんとなく分かる」を「説明できる・使える」に引き上げたい人に向いています。
中検(2)合格奪取!中国語検定トレーニングブックシリーズ(準4級・4級・3級)
たくさん練習したい人におすすめなのが、この〈合格奪取!〉シリーズです。
中検対策本の定番として長年支持されており、日本人学習者向けの作り込みが非常に丁寧です。
最大の特長は、圧倒的な問題量と解説の細かさです。
各級とも「出題範囲の完全網羅」をうたっており、演習量を通して実力を底上げできます。
【準4級】改訂版 合格奪取!中国語検定準4級トレーニングブック
アスク出版(2025/1/30)¥1,760-
- 問題数:約550問+模擬試験2回
- 音声:ダウンロード・ポッドキャスト
- 特長:
- 全問題に詳しい日本語解説つき
- 簡体字の書き取り問題には筆順解説あり
- リスニング対策が非常に充実
入門を終え、「聞く・読む・書く」を固めたい段階に最適です。
【4級】改訂版 合格奪取!中国語検定4級トレーニングブック
アスク出版(2022/12/1)¥1,760-
- 問題数:700問超(初版比 約3割増)
- 音声:ダウンロード・ポッドキャスト
- 特長:
- 全問題にピンイン・日本語訳・解説付き
- リスニングに長文会話問題を追加
- 語順問題、声調組み合わせ問題など実戦的な内容
実力固めに強い一冊です。
【3級】合格奪取!中国語検定3級トレーニングブック
■ アスク出版 筆記編(2016/2/17)リスニング編(2023/2/28)各¥1,760-
- 3級は「筆記編」+「リスニング編」の2冊構成です。
■ 筆記問題編
- 問題数:約680問+模擬試験
- 文法・語法の解説が非常に丁寧で、文法書としても使えるレベル
- 全問題にピンイン・日本語訳つき
■ リスニング問題編(音声DL版)
- 問題数:150問+模擬試験
- 音声はすべてダウンロード・ポッドキャスト対応
- 長文会話問題を含み、読解力も同時に鍛えられる構成
徹底的に演習したい人向けです。
中検(3)出るとこだけ!中国語検定 合格一直線シリーズ(準4級・4級・3級)
効率よくポイントを学びたい人に向いているのが、〈出るとこだけ!〉シリーズです。



このシリーズの最大の特長は、中検の「出題頻度の高いところだけ」に絞っていることです。
試験によく出るということは、それだけ「大事なところ」ということです。
短期間で成果が出やすい嬉しいシリーズです。
【準4級】出るとこだけ!中国語検定準4級 合格一直線
■ アスク出版(2013/10/15)¥1,760-
- 問題数:600問超+模擬試験1回
- 音声:スマホ直接ダウンロード対応
- 特長:
- 文法・リスニング・単語を1冊で対策
- 発音(-n / -ng など)や「在 / 有」の使い分けなど、間違えやすい点に特化
- 簡体字の書き取り練習も充実
入門直後を短期間で突破したい人に向いています。
【4級】改訂版 出るとこだけ!中国語検定4級 合格一直線
■ アスク出版(2024/10/30)¥2,200-
- 問題数:800問以上+模擬試験1回
- 音声:ダウンロード・ポッドキャスト
- 特長:
- 文法・リスニング・単語を効率よく整理
- 出題頻度データに基づいた解説と練習
- 24日間の学習スケジュール付きで進めやすい
短期で初級知識を固めたい人におすすめです。
【3級】改訂版 出るとこだけ!中国語検定3級 合格一直線
■ アスク出版(2023/11/30)¥2,750-
- 問題数:500問以上+模擬試験1回
- 音声:ダウンロード・ポッドキャスト
- 特長:
- 文法・リスニング・語彙を「出る順」に整理
- 頻出640語+近年増えている新語(IT・医療関連)も収録
- 28日間スケジュールで計画的に進められる
バラバラだった知識をまとめて固める「総仕上げ」のような存在です。
中検シリーズの使い分けまとめ
- 理解重視 → 完全攻略!シリーズ
- 演習量重視 → 合格奪取!シリーズ
- 効率・短期集中 → 出るとこだけ!シリーズ
学習スタイルによって選びましょう。
HSK4級レベルの【総まとめ】問題集


HSK4級は中国語学習において1つの節目です。



語彙量・文法の幅・文章の長さが一気に増え、「単語や文法を個別に覚える学習」から文章全体を理解し、使いこなす学習へと移行します。
そのため、HSKを実際に受験しなくても、HSK4級向けの問題集は「中級総まとめ教材」として非常に優秀です。
この章では2種類紹介します。
HSK(1)合格奪取!新HSK4級 トレーニングブック 読解・作文問題編
■ アスク出版(2016/6/4)¥1,980-
「試験対策」だけでなく、純粋に中国語力を底上げしたい人にも向いている一冊です。
読解・作文を通して「使える力」に引き上げることを目的としています。
- レベル感:実際の試験より難しめ
- 特徴:
- 「単語 → 文法 → 複文 → 長文」と段階的
- 単語・長文の音声付き(ダウンロード対応)
- 文法を体系的に理解できる
将来、HSK5級・6級や実用レベルを目指したい「実力重視の人」には、非常に価値の高い問題集です。
別冊の「リスニング編」と併用するのがおすすめです。
HSK(2)中国語検定HSK公式過去問集4級 2021年度版
■ スプリックス(2021/12/10)¥3,410-
HSK4級レベルの実力を客観的に確認することができます。
HSKを受験しなくても、総まとめ用の問題集として非常に価値が高いのが、公式過去問集です。
- レベル感:大学の第二外国語で2年程度勉強した人
- 特徴:
- 過去問5回分を収録
- 全問題・全文に日本語訳つき
- リスニング原稿(スクリプト)掲載
- 音声はスマホ対応
問題形式を通して「何ができて、何が足りないか」を把握する目的で使うと、非常に効果的です。
効果が出る中国語問題集の使い方


問題集は、「どれをやるか」よりも「どう使うか」で効果が大きく変わります。
特に入門を終えた段階では、解説を読んで分かった気になる、問題を解いて○×だけ確認して終わるという使い方では、実力が伸びにくくなります。
ここでは、中国語の問題集を実力アップの道具として使い切るための基本手順を紹介します。
手順(1)まず、その章の解説を読む
練習問題に取りかかる前に、必ず章の解説・まとめページに目を通します。
この段階で暗記をする必要はありません。
「ふむふむ。そうなのか。」と思いながら読み進めましょう。



解説を飛ばすと、問題を解いても学習効果が下がってしまいます。
手順(2)問題を解き、区切りごとに答え合わせをする
解説を読んだら、練習問題に取り組みます。
難しく感じる時は、解説を見返しながら解いて構いません。
そして、区切りごとに答え合わせをしましょう。
問題の記憶が鮮明なうちに確認したほうが定着しやすくなります。
また、「なんとなく正解した問題」「自信がなかったけど当たった問題」にも印をつけておくと、後で復習しやすくなります。
手順(3)答えの解説を読んで理解する
答え合わせをしたら、解答の解説を読みます。
間違えた問題だけでなく、正解した問題でも「少しでも不安があったもの」は解説を読んで理解します。
「正解した=理解できている」とは限らないことを念頭に置いておきましょう。
中国語の問題集を使うときの注意点


最後に、問題集で勉強するときの注意点を解説します。
どんなに評判の良い問題集でも、使い方を間違えると、効果は半減してしまいます。
以下を意識するだけで、同じ問題集でも伸び方が大きく変わります。
注意点(1)正答率は気にしない。目的は「定着」である
練習問題を解くと、「何問できた!」「何問間違えた」と、どうしても正答率が気になってしまいます。
しかし、問題集はテストのように点数を取るためのものではありません。
問題を解く過程を通して、知識を整理し、定着させていくことが最大の目的です。
「間違えた問題」「分からなかった問題」は「学習が必要な問題」ということです。
- 単語が分からなくて正答できなかったなら辞書で調べる
- 文法の用法が分からなかったなら解説を見返す
この基本姿勢を続けることが大切です。
注意点(2)同時に何冊にも手を出さない
一生懸命勉強しようとするあまり、同時にアレもコレもと取り組んでしまうのはおすすめできません。
目の前の1冊に集中し、1冊が完成してから次の問題集を始めましょう。
ただし、以下は例外です。
- 筆記とリスニングが別の本である
→ 並行して学習可 - 単語帳
→ 問題集と併用可
注意点(3)目だけで読まない
中国語は漢字のため、私たち日本人は見れば「なんとなく分かる」ことがたびたびあります。
しかし、中国語が話せて聞き取れるようになるためには、それぞれの単語の「読み方(ピンイン)」を正確に覚えることが欠かせません。
解説の例文や練習問題は全て声に出して読むことを習慣化しましょう。
声に出すことで、「意味は分かるけど読めない」という単語が思っているより多いことに気づきます。
問題集にピンインがあれば確認し、なければ辞書で調べましょう。
この地道な努力が、のちの確実な中国力へとなっていきます。
まとめ


中国語の問題集は知識を定着させ、使える力へと変えていけるものです。
この記事では、入門を終えた段階からHSK4級までの問題集を紹介しました。
中国語は、使って練習していく過程で身についていきます。
正答率に一喜一憂せず、誤答やあやふやな点を理解することを意識して、コツコツ練習を進めましょう。



1冊終える頃には、「なんとなく分かる」が「自分でできる」にレベルアップしているはずです。
自分の発音が合っているか分からない、独学では学習を続けるのが難しいというときは、毎日中国語公式LINEまでお気軽にご相談くださいね。




