中国語の軽声|発音の高さを図で理解・基本単語リスト付き

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この記事でわかること

中国語の軽声っていつ使うんですか?音の高さは?

「軽く短く」と言われても、どれくらい軽くすればいいのか、どの高さで出せばいいのか、イメージがつかみにくいですよね。

実は、軽声は「前の音」との関係さえつかめば、誰でも簡単に発音できる明確な法則があります。

この記事では、軽声の音の高さを目に見える図で解説します。

軽声になる基本ルールやよく使われる軽声の単語リストで軽声の理解を深めましょう!

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目次

軽声の高さを決める前の音との関係

軽声の高さを決める前の音との関係
軽声の高さを決める前の音との関係

多くの人が「軽声=ただ軽く短く読むだけ」と誤解しがちですが、実は前の音によって、高さが自然に落ち着くところがあります。

以下の「高さの法則」を知れば、迷わず自信を持って発音できるようになりますよ。

1声+軽声:深くストンと落とす

例:妈妈(mā ma / 母)

第1声の後ろの軽声は、1声より低い位置へストンと置きます。

第1声は「高い音」をキープします。

そこから一気に力を抜いてのどの緊張を解き、軽声に続けます。

軽声が高いままだと「第1声+第1声」のように聞こえてしまうため、思い切って低く落とす意識を持つと、メリハリのあるきれいな発音になります。

2声+軽声:中くらいの高さに置く

例:爷爷(yé ye / 祖父)

第2声に続く軽声は、中くらいの高さに置きます。

第2声はやや低めの音から一番高くまで一気に上げます。

そこから少し力を抜き、2声の始まりと同じくらいの高さに軽声を添えます。

上がりきったところからの「適度な脱力」を意識すると、自然な高さに落ち着きます。

3声+軽声:高くポンと跳ねる

例:奶奶(nǎi nai / 祖母)

第3声の後ろの軽声は「高い音」になります。

第3声は音を低く抑え、その深く沈み込んだ反動を利用して「ポンッ」と自然に浮かび上がるイメージです。

無理に声を上げようとするのではなく、トランポリンのように跳ね上がる感覚をつかみましょう。

4声+軽声:低く短く添える

例:爸爸(bà ba / 父)

第4声の後ろの軽声は、音域の中で「最も低い位置」に現れます。

第4声自体が上から下へ一気に下がる音ですが、軽声はその勢いのままさらに下がります。

ここで軽声を強く発音しすぎると、怒っているように聞こえてしまうため、あくまで前の音の「余韻」として、エネルギーをスッと消していく意識が重要です。

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軽声化する単語の基本ルール4選

軽声化する単語の基本ルール4選
軽声化する単語の基本ルール4選

軽声になりやすい単語には、文法的な共通点があります。

品詞や言葉の成り立ちを見れば、初めて見る単語でも「あ、これは軽声かも」と当たりをつけられるようになりますよ。

その基本ルールを4つ見ていきましょう。

ルール(1)助詞や接尾辞(的・了・子など)

最も分かりやすいのは、文法的な機能のみの漢字です。

〜の(的)」や「〜した(了)」のように、実質的な意味(モノや動作そのもの)を持たず、文法的な役割だけを果たす言葉は、エネルギーを使わずに軽く添えるのが基本です。

以下の表にある言葉は、文法機能として使われる場合はほぼ軽声になります。

まずはこのリストにある言葉を「あえて弱く読む」ことから意識してみましょう。

※「孔子」「头部」のように意味を持つときは声調があります。

ルール(2)動詞や形容詞の重ね型

看看(kànkan /ちょっと見てみる)」「试试 (shìshi / ちょっと試してみる)」のように、動詞や形容詞を同じ言葉で重ねて言う表現があります。

これは「動作の軽さ」や「試しに〜してみる」というニュアンスを表しますが、このとき、2つ目の音節は軽声になります。

前の音にアクセントを置き、後ろの音は添えるだけというリズムが決まっているのです。

「ちょっと〜する」と言いたい時は、2回目の発音で意識的にフッと力を抜くことで、ネイティブのような自然なリズムが出せるようになります。

ルール(3)動詞の後ろにつく方向補語

上边(shàngbian / 上の方)」や「里边(lǐbian / 中の方)」のように、場所や方向を示す言葉(方位詞)が名詞の後ろに付く場合、その部分は軽声化するのが一般的です。

本来、「边(biān)」は第一声ですが、位置を示す役割として単語の後ろにくっつく際は軽くなります

方向を示す言葉はあくまでメインの単語の「おまけ情報」だと捉え、軽く流すように発音するのがコツです。

ルール(4)親族の呼び方や特定の日常単語

妈妈(māma / お母さん)」や「哥哥(gēge / お兄さん)」などの親族を呼ぶ言葉では、2音目が軽声化することで「親しみ」を表します。

また、「朋友(péngyou / 友達)」や「先生(xiānsheng / 男性への敬称)」などの日常的によく使う単語も、慣用的に軽声化することが多いです。

「よく使う言葉は、言いやすいように軽く短くなっていく」という自然な変化として覚えておきましょう。

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軽声になる中国語基本単語リスト

軽声になる中国語基本単語リスト
軽声になる中国語基本単語リスト

それでは、軽声になる単語を具体的に見ていきましょう。

ここでは日常でよく使う単語のみを厳選しました。

なお、ピンイン表記は全て『现代汉语词典 第七版』に基づいています。

① 家族

単語ピンイン日本語訳
爸爸bà baお父さん
妈妈mā maお母さん
哥哥gē ge
姐姐jiě jie
弟弟dì di
妹妹mèi mei
爷爷yé ye祖父(父方)
奶奶nǎi nai祖母(父方)
孩子hái zi子ども
儿子ér zi息子
孙子sūn zi

② 日用品・モノ

単語ピンイン日本語訳
椅子yǐ ziいす
桌子zhuōzi
房子fáng  zi
杯子bēi ziコップ
盘子pán zi
盒子hé zi
钥匙yào shi
窗户chuāng hu
衣服yī fu
东西dōng xiもの
石头shí tou
名字míng zi名前

③ 食べ物

単語ピンイン日本語訳
饺子jiǎo zi餃子
包子bāo zi肉まん
橘子jú ziみかん
豆腐dòu fu豆腐
葡萄pú taoぶどう
萝卜luó bo大根
芝麻zhī maごま
蘑菇mó guきのこ
点心diǎn xin軽食、おかし

④ からだ

単語ピンイン日本語訳
鼻子bí zi
嗓子sǎng ziのど
脑子nǎo zi脳、頭
头发tóu fa髪の毛
耳朵ěr duo
眼睛yǎn jing
眉毛méi mao眉毛
胳膊gē bo
屁股pì guおしり

⑤ その他の名詞

単語ピンイン日本語訳
消息xiāo xi知らせ
意思yì si意味
地方dì fang場所
时候shí hou
部分bù fen部分
月亮yuè liang
星星xīng xing

⑥ 動詞・形容詞

単語ピンイン日本語訳
告诉gào su告げる
收拾shōu shi片づける
厉害lì haiすごい
漂亮piào liangきれい
清楚qīng chuはっきり
休息xiū xi休む
觉得jué de~と思う
认识rèn shi知り合う
明白míng baiわかる
便宜pián yi安い
麻烦má fan面倒くさい
谢谢xiè xieありがとう
客气kè qi遠慮する

⑦ 疑問詞・指示語

単語ピンイン日本語訳
什么shén me
怎么zěn meどうやって
这么zhè meこんなに

軽声の有無で意味が変わる単語

中国語には、軽声で発音するかどうかで単語の意味がガラリと変わってしまう言葉があります。

よく使う単語だけはちょっと注意して覚えましょう。

単語元の声調軽声
东西dōngxī:方角の東と西dōngxi:もの
大意dàyì:文章の要約dàyi:油断した、うっかり
地道dìdào:地下道dìdao:本場の、生粋の
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軽声の地域差と学習時の考え方

軽声の地域差と学習時の考え方
軽声の地域差と学習時の考え方

「ドラマで聞いた発音が、教科書と違う気がする……」そんなふうに戸惑ったことはありませんか?

実際に中国語は広大な地域で話されているため、場所によって発音の「癖」が大きく異なります。

特に軽声の扱いは地域差が大きく、教科書のルールが必ずしも現地の「唯一の正解」とは限りません。

それでは、具体的な地域差を見ていきましょう。

事実(1)台湾や中国南方では軽声化しない

台湾や大陸の南の地区では、軽声をあまり使いません。

普通話では軽声化する単語も、台湾や南の方では本来の声調ではっきりと発音されるのが一般的です。

HSKなどの試験では軽声が発音されますが、もしこれらの地方への旅行やビジネスが目的なら、無理に軽声を覚えず、漢字の本来の声調ではっきり発音する方が、現地では自然に聞こえることもあります。

目的に合わせて使い分けるくらいの気持ちでOKです。

事実(2)北方標準語と南方方言の違い

標準語(普通話)は北京方言をベースにしているため、音が滑らかにつながる「軽声」や「儿化音」が多く含まれています。

実際、辞書や教科書にも軽声が記載されています。

一方で、中国南方や台湾では、漢字1つ1つをはっきりと発音する傾向が強く残っています。

南方地方の人に軽声や儿化音を使って話すと「北方訛りだ」と言われることがあるほどです。

スピーチ大会などに参加するならば、辞書を基準とした普通話を使うのが無難ですが、お友達との交流ならば、実際のところ「どちらが正しい」ということはありません。

もしあなたが「軽声が苦手」と感じるなら、「南方スタイル」で楽しく続けるのも1つの方法です。

事実(3)完璧でなくても通じるという安心感

軽声はあくまで会話のリズムを整えるための「潤滑油」のような存在です。

文脈や他の主要な単語の声調さえ合っていれば、軽声が不自然でも、意味は十分に伝わります。

まずは「多少間違えても通じればOK!」と割り切り、恐れずに声に出していきましょう。

それが、結果的にきれいな発音への最短ルートになります。

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自然な軽声を身につける練習ステップ

自然な軽声を身につける練習ステップ
自然な軽声を身につける練習ステップ

「頭では分かっているのに、自然に話せない!」という悩みは、誰もが通る道です。

軽声の習得は、知識というよりもスポーツのような「身体感覚」をつかむことに近いです。

理屈で考えるよりも、実際に口や体を動かして、リズムを体に覚え込ませていきましょう。

ステップ(1)前の音を少し強めに発音する

軽声を意識しすぎて声全体が小さくなり、ボソボソと聞こえてしまう……これは非常によくある失敗です。

原因は、軽声そのものではなく、その「前の音」にあります。

前の音のエネルギーが不足していると、余韻としての軽声が出せないのです。

成功の秘訣は、「前の音」をしっかりと出すことです。

前の音にエネルギーの90%を注ぎ、軽声は残りの10%で添えるだけ。

この「9:1」の意識配分に変えるだけで、驚くほど発音がクリアになりますよ。

ステップ(2)手を叩いてリズム感をつかむ

軽声は、通常の音の「半分以下の短さ」で発音されます。

しかし、私たち日本人は「すべての音を同じ長さで読むリズム」が染み付いているため、無意識に軽声を長く伸ばしてしまいがちです。

この癖を直すには、「手を叩く練習」をしてみましょう。

前の音に合わせて「パン!」と手を叩き、軽声の時は叩かずに拳を握る。

この動作を繰り返すことで、頭ではなく「体」に正しい強弱のリズムを覚えさせることができます。

ステップ(3)単語だけでなく文単位で聞く

「単語なら言えるのに、会話になると軽声が聞き取れない」というのもよくある悩みです。

実際の会話では、助詞などの軽声はさらに弱く、短く発音されるため、耳が追いつかないことが多いのです。

単語帳のクリアな発音と、実際の会話のスピードにはギャップがあります。

リスニング力を上げるには、単語単体ではなく「短いフレーズ」や「文全体」で聞く習慣をつけましょう。

軽声が文のリズムの中でどのように溶け込んでいるか、耳が慣れれば徐々に聞こえるようになってきます。

ステップ(4)録音して自分の高さを確認する

視覚を使うのも賢い方法です。

多くの辞書アプリ(Plecoなど)には、声調ごとに色を変える機能があり、軽声を「灰色」などで表示してくれます。

音だけでなく「色」でも区別することで、脳への定着率がグンと上がります。

また、ぜひやってほしいのが「録音」です。

自分の声を録音し、ネイティブ音声と聞き比べてみてください。

「思っていたより下がっていない」「長すぎる」といったズレに気づくはずです。

スマホ1つでできるこの確認作業が、あなたの発音を劇的に変える第一歩になります。

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まとめ

まとめ
まとめ

中国語の軽声は、前の声調によって高さが変わります。

  • 1声+軽声:少し落とす
  • 2声+軽声:少し落とす
  • 3声+軽声:ポンと上げる
  • 4声+軽声:一番低くする

助詞や接尾語、家族、親しい人などは軽声になることが多いです。

他にも日常生活でよく使われる軽声の単語を記事内で紹介しました。

一方で、大陸の南の地域や台湾では軽声をあまり使いません。

そのため、実際のコミュニケーションでは、軽声でも軽声でなくても、ほとんど問題なく交流ができます。

まずは、声に出して発音することから始めてみてくださいね。

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