
中国語の資格を徹底比較|目的別おすすめと学習方法
この記事でわかること
- 中国語の資格試験はHSKと中検以外にも複数ある
- 中国語の資格は、学習目的によって選ぶことが大切
- 受験する資格を決めたら、試験日から逆算して学習計画を立てよう!

中国語の資格を取得したいけれど、HSKや中検など種類が多すぎて、どれを選べばいいのか迷ってしまいます。
就職活動や転職で本当に評価される資格はどれなのか、難易度はどうなのか、自分はどれを受けたら良いのか、知りたいですよね。



実は複数ある資格は性質が異なり、学習の目的によって選ぶことが大切です。
この記事では、7種類の中国語の資格を徹底比較し、あなたの目標に最適な資格選びから、効率的な学習方法まで具体的に解説します。
必要な資格を最短ルートで手に入れましょう。
目次
日本で受験できる主な中国語資格一覧


中国語の資格試験には、実はたくさんの種類があることをご存知ですか?
この章では、日本で受験できる主要な中国語資格7種類を紹介します。
それぞれの特徴を知って、あなたに最適な資格を見つけましょう。
- なお、本記事で紹介する試験情報は全て2025年11月現在のものです。受験の際は公式サイトにて最新情報をご確認ください。
資格(1)HSK(漢語水平考試)
◇ 試験概要
| 特徴 | 中国政府公認の国際的な中国語能力試験 |
|---|---|
| 等級 | 1級(入門)~6級(上級)+新設された 7~9級 |
| 内容 | リスニング・読解・作文(4級以上) |
| 受験料 | 1級 3,850円~6級 11,550円(2023年5月改定) |
| 日程 | 東京は毎月実施、その他の地域は年に数回 |
| 公式サイト | HSK 日本で一番受けられている中国語検定HSKネット試験 |
HSK(Hànyǔ Shuǐpíng Kǎoshì)は中国の大学に留学する場合に必須とされることが多く、就職やキャリアアップにも有利な資格として高く評価されています。
試験は全て中国語で、実際の会話や文章を理解できる実用的なコミュニケーション能力が測られます。



HSK3〜4級で日常的会話レベル、5〜6級以上でビジネス対応が目安です。
「中国語を専門的に使いたい」「中国内の大学に進学したい」「グローバルに仕事をしたい」という方におすすめです。
- HSKは紙の試験だけでなく、会場のパソコンを使った試験もあります。
申込サイトが異なるため、目的の試験サイトをご覧ください。
- リスニングや読解とは別に、口頭試験(HSKK)も実施されています。
口頭試験は初級・中級・上級の3レベルです。
資格(2)中国語検定試験(中検)
◇ 試験概要
| 特徴 | 日本語を母国語とするを対象とした中国語試験 |
|---|---|
| 等級 | 準4級(入門)・4級・3級・2級・準1級・1級(上級) |
| 内容 | リスニング・筆記・口述試験(準1級以上) |
| 受験料 | 準4級 3,800円~1級 13,800円(2025年4月改定) |
| 日程 | 毎年 3月・6月・11月 第4日曜日 |
| 公式サイト | 中検 | 中国語検定試験 |
中国語検定は日本人向けの試験で、日本人が中国語を学習する際につまづきやすい部分や間違いやすい内容が多く出題されます。
他の試験と違って、翻訳問題があるのも大きな特徴です。
日本国内で知名度が高く、特に日系企業への就職・転職活動で高く評価されています。



一般的に3級以上が履歴書に書けるレベルとされ、特に2級以上はビジネスで使えるレベルとして就職や転職時に強みになります。
資格(3)TECC(中国語コミュニケーション能力検定)
◇ 試験概要
| 特徴 | 中国語でコミュニケーションする際の中国語運用能力を測定 |
|---|---|
| 等級 | 0~1000点のスコア表示方式 |
| 内容 | リスニング・リーディング自宅のパソコンで受験 |
| 受験料 | リニューアル後に要確認 |
| 日程 | リニューアル後に要確認 |
| 公式サイト | TECC(中国語コミュニケーション能力検定)ー日本人の中国語によるコミュニケーション能力を測定する中国語の資格検定 |
TECC(Test of Communicative Chinese)は、実践的なビジネスコミュニケーション能力を測定します。
1000点満点のスコア方式で、基礎レベルから難しい問題までバランスよく出題されるため、レベルを問わず受験可能です。
400点以上で簡単な日常会話、550点以上で仕事で使えるレベルが目安です。
- 自宅のパソコンで受けられるうえ、合否がないため、学習のモチベーション維持や習熟度チェックとしても活用できます。
資格(4)BCT(ビジネス中国語検定試験)
◇ 試験概要
| 特徴 | 中国政府公認のビジネスシーンに特化した試験 |
|---|---|
| 等級 | 初級レベル BCT(A)・中上級レベル BCT(B) |
| 内容 | リスニング・読解・作文 |
| 受験料 | BCT(A) 5,890円、BCT(B) 9,380円 |
| 日程 | 毎年 6月・11月 |
| 公式サイト | BCT-ビジネス中国語検定 |
BCT(Business Chinese Test)はビジネス実務に即した内容が出題されます。
BCT(A)はHSK1〜3級程度の基礎会話内容、BCT(B)はHSK4〜6級レベルで、商談・プレゼン・メールなどビジネス用語が中心です。
- 中国企業との取引がある社会人や、中国ビジネスに携わる方におすすめです。
資格(5)全国通訳案内士試験
◇ 試験概要
| 特徴 | 報酬を得て外国人観光客に通訳案内を行うための国家資格 |
|---|---|
| 内容 | 外国語・日本の歴史・地理・一般教養・通訳案内の実務・口述試験 |
| 受験料 | 15,345円(1か国語) |
| 日程 | 年1回 筆記 8月、口述 12月 |
| 公式サイト | 全国通訳案内士試験概要|JNTO(日本政府観光局) |
全国通訳案内士は、日本を訪れた外国人観光客に日本の良い印象を持って帰ってもらえるよう、重要な役割を担っています。
- 受験に年齢、性別、学歴、国籍その他の制限はなく、誰でも受験することができます。
- 中国語で受験する場合、HSK6級180点以上の保持者は外国語試験の免除があります。
2024年度、中国語選択での受験者数は264名、最終合格者が31名(合格率11.7%)となっており、狭き門です。
◎ 全国通訳案内士については別記事で詳しく解説しています。
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資格(6)TOCFL(華語文能力測験)
◇ 試験概要
| 特徴 | 台湾政府が認定する中国語(台湾華語)の検定試験 |
|---|---|
| 等級 | Band A・Band B・Band C 各2レベルずつの6段階 |
| 内容 | リスニング、読解 |
| 受験料 | 受験料 7,000円+郵送料 500円 |
| 日程 | 東京会場は年8回 |
| 公式サイト | 台湾中国語検定 華語検定(TOCFL)公式サイト【台湾政府認定資格】 |
TOCFLは台湾華語の試験で、台湾への留学や就職・駐在を希望する方に適しています。
特に台湾への留学を希望する際はHSKが認められないことも多く、TOCFLが必要になります。



台湾華語と大陸の中国語(普通話)はおおむね共通しているものの、台湾華語独特の表現や発音があります。
台湾華語に特化して学習したい方におすすめです。
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資格(7)実用中国語技能検定試験
◇ 試験概要
| 特徴 | 公益法人が実施する中国語検定試験 |
|---|---|
| 等級 | 5級・準4級・4級・3級、2級、1級 |
| 内容 | 筆記・リスニング、2次試験(2~1級) |
| 受験料 | 5級 2,000円~1級 8,000円 |
| 日程 | 毎年 6月・11月 |
| 公式サイト | HOME|中検:実用中国語技能検定試験 |
他の検定試験と名前が似ていますが、「実用中国語技能検定試験」は中国語を中国語として認識する、使える中国語能力を測る試験です。
- レベルの目安は、実用中検5級がHSK3級程度、実用中検準4級がHSK4級程度です。
基礎段階の学習を終えた人の実力試しや、他の人があまり持っていないような資格にチャレンジしたい方におすすめです。
【目的別】おすすめの中国語資格


たくさんの資格があって、どれを受験したらよいか迷ってしまいますよね。
中国語の資格は、学習の目的によって選ぶのが効率的です。
この章では、初めての挑戦、就職・転職、留学に適した資格と、目指したいレベルを解説します。
目的(1)初心者が初めて挑戦する場合
中国語を始めたばかりの人には、モチベーションを維持しやすい検定から挑戦するのがおすすめです。
- HSK 2級~3級
→ コミュニケーションを重視したい人向け。設問も全て中国語です。
- 中国語検定 準4級~4級
→ ピンイン、単語、文法などを整理したい人向け。設問は日本語です。
- HSKは1級が最も基礎ですが、日本人は漢字が分かるので比較的短期間で達成できます。
勉強は1級から順にはじめ、試験は数か月勉強した後に2〜3級あたりから挑戦するのが達成感も得やすくおすすめです。
- 中検は日本人が学習しやすいように設計されています。
学習を始めたばかりの頃は中国語のルールにまだ慣れていないため、半年〜1年程度勉強して基礎固めをし、準4級もしくは4級からチャレンジすると自信を得やすくなります。
どちらの試験を受けるかは、コミュニケーション重視か、知識重視かで選びましょう。
目的(2)就職・転職活動でアピールする場合
就職活動や転職で「中国語ができます」とアピールするなら、信頼性と知名度の高い資格を選ぶことが大切です。
- 日本の企業なら:中国語検定試験 3級以上(2級以上推奨)
→ 日本企業の採用担当者に最も知られており、履歴書でも評価されやすい資格です。
- 海外の企業なら:HSK 4級以上(5級以上推奨)
→ 中国企業やその他の外資系企業では、世界的に知られているHSKが評価されます。
履歴書に書けるラインは一般的に中検なら3級以上、HSKなら4級以上とされていますが、即戦力として認められるのは多くの場合、中検2級以上、HSK5級以上です。
また、取得した資格だけでなく、中国語を使って何ができるのか(例:メールや電話などの日常業務可能、海外メーカーとの交渉経験あり)などをあわせてアピールしましょう。
目的(3)中国の大学に留学する場合
中国大陸の大学に留学するならHSK、台湾ならTOCFLがほぼ必須です。
- 大陸の大学留学の目安
学部理系:HSK4級180点以上
学部文系:HSK5級180点以上
- 台湾の大学留学の目安
TOCFL Band B以上
名門校の文系専攻や大学院留学ではさらに基準が高くなることもあります。
また、中国政府奨学金や孔子学院奨学金などの申請にも、多くの場合HSKが必要です(必要な級はプログラムや大学によって異なります)。
ゼロから始める中国語資格取得へのステップ


「中国語の資格を取りたい!」と漠然と思っても、やみくもに勉強したのでは遠回りになってしまいます。
無駄なく合格するには、目的を明確にし、具体的な目標を定め、それに沿って学習を続ける、この3ステップが欠かせません。
それでは、具体的に見ていきましょう。
ステップ(1)中国語学習の目的を明確にする
資格取得の第一歩は「なぜ中国語を学ぶのか」、その目的をはっきりさせることです。



就職活動で履歴書に書きたいのか、中国留学を目指しているのか、趣味で楽しく学びたいのかなど、目的によって選ぶべき資格試験が大きく変わります。
例えば、日本企業への就職なら中国語検定が評価されやすく、中国の大学への留学ならHSKが必須要件になります。
この段階を飛ばしていきなり資格に手を出すと、勉強が中途半端になり、時間とお金を無駄にしてしまう失敗パターンに陥りやすくなります。
まずは「何のために中国語を学ぶのか」を紙に書き出してみましょう。
ステップ(2)「いつまでに〇級合格」と具体的な目標を立てる
目的がはっきりしたら、次は具体的な期限と目標級を決めます。
- 中国語ができるようになりたい
- 半年後にHSK2級に合格する
- 1年以内に中国語検定4級を取得する
このように、明確な数字を設定しましょう。
目標があいまいなまま学習を始めると、途中でモチベーションを失ってしまいがちです。
「ゼロから1ヶ月でHSK6級」のような高すぎる目標設定も、達成できずに挫折してしまいます。
自分の現在のレベルより1段階上の級が、無理なく継続できて現実的です。
目標を決めたら、カレンダーに試験日を記入し、逆算して毎日の学習時間を計算してみてください。
具体的な目標があると、日々の学習にも張り合いが生まれますよ。
ステップ(3)学習習慣をつけて継続する
目標が決まったら、毎日、中国語に触れる習慣を作りましょう。
仕事や学業で忙しくても、毎日勉強した方が定着しやすくなります。
週末だけまとめて勉強するスタイルは、前の週に勉強したことを忘れてしまいますよね。
- 1日30分でも構いません。
朝の通勤時間にアプリで単語を覚える、昼休みにリスニング音声を聞く、寝る前に文法を復習するなど、生活リズムに組み込むと無理なく続けられます。
- どうしても時間を取れない日は、5分だけでも中国語に触れることで学習のリズムが途切れません。
- 完璧を目指さず、小さな積み重ねを大切にしましょう。
継続こそが、資格取得への最短ルートです。
参考:中国語の資格取得に必要な勉強時間の目安



どのくらい勉強したらどの級に合格できるのでしょうか?
HSKや中検の公式サイトには学習時間の目安が記されており、1つの指標になります。
語学学習は個人差がとても大きいので、1日に割ける学習時間、学習のスタイル、いつまでに取得したいかの目標に応じて調整しましょう。
◇ 大学の第二外国語で学ぶ場合
| 時間の目安 | HSK | 中検 |
|---|---|---|
| 半年 | 1級 | 準4級 |
| 1年 | 2級 | 4級 |
| 1年半 | 3級 | – |
| 2年 | 4級 | 3級 |
中国語の資格を取得するための勉強法


受ける資格と目標級が定まったらいよいよ勉強のスタートです。
試験合格には、正しい勉強法を知ることが成功への近道です。
ここでは、初心者でも今日から実践できる5つの勉強法を紹介します。
基礎から試験対策まで、段階を追って学習を進めることで、無駄なく合格に近づいていきましょう。
基礎:ピンインと声調から始める
中国語で最初に学習したいのはピンインと声調(四声)です。
日本語でいう「あいうえお」から始める感覚に近いです。
ピンインとは中国語の発音を表すアルファベット表記のことで、これが読めないと正しい発音ができません。
声調は音の高低を示すもので、第1声〜第4声と軽声があります。
同じ音でも声調が違うと、全く違う意味になってしまいます。
ピンインと声調は中国語の土台であり、ここを最初にしっかり固めると、後々のリスニングやスピーキングも伸びやすくなります。
もし独学で正しい発音が分からない場合は、最初だけオンラインレッスンを受けることも検討してみましょう。
単語:五感を使って文脈で覚える
単語は一つひとつ単独で覚えるのではなく、文の中で覚えた方が覚えやすくなります。
2025年11月現在、現行のHSKで必要な単語数は次のとおりです。
| HSKの級 | 単語数 |
|---|---|
| 1級 | 150語 |
| 2級 | 300語 |
| 3級 | 600語 |
| 4級 | 1200語 |
| 5級 | 2500語 |
| 6級 | 5000語 |
3級で600語、4級になると1000語を超え、これだけの単語を丸暗記するのは容易ではないですよね。
人間の脳は、何かに関連付けていた方が記憶に残りやすいと言われています。
「りんご」「食べる」と、別々に覚えるのではなく、「りんごを食べる」「りんごは赤い」など、例文を使って情景を思い浮かべながら覚えましょう。



音声と視覚的要素があるHelloChineseなどの学習アプリもおすすめです。
文法:文の型を理解する
中国語の文法は比較的シンプルながらも、英語や中国語とは違う独特のルールがあります。
そのルールは「パターン」で覚えるのが効率的です。
例えば「我在图书馆看书」(図書館で本を読む)という型を覚えれば、「我在家吃饭」(家でご飯を食べる)、「我在公司工作」(会社で仕事する)と応用できます。
- HSKも中検も単語を並べ替えて正しい文をつくる問題が出題されます。
- 級が上がると、和文中訳や、自分で文を書く問題もあります。
文の型が身につけば、作文問題にも自信を持って取り組めますよ。
リスニング:中国語は必ず声に出して読む
リスニング力を上げる最も効果的な方法は、音声を聞いたら自分でも声に出して読むことです。
外国語学習において、話せる言葉は聞き取れるようになるという原則があります。
- 黙読や聞き流すだけでは耳が中国語の音に慣れず、聞き取れるようになりません。
- 声に出すことで、「この漢字が読めない」と気付くことができます。
正しい発音を知らない単語は、聞いても理解できないですよね。
ピンインや声調の練習はもちろん、単語暗記や文法練習、読解問題でも、普段から音声を聞いて声に出して読むことを習慣にしましょう。
その地道な練習が、確かなリスニング力向上へとつながっていきます。
本番対策:対策本と過去問を活用する
中国語の資格は、それぞれ出題傾向や出題形式が異なります。



試験の1〜2か月前からは、その試験の対策本と過去問題を使った練習に切り替えましょう。
- 基礎力があっても試験形式に慣れていないと、本番で力を発揮できません。
- 過去問題を解くと点数が気になってしまいますが、ここで大事なのは「なぜそうなるのか」を理解することです。
- 練習の過程では、不明点や弱点を補うことが最大の目的です。
点数には一喜一憂せず、着実に得点できる問題を増やしていくことが大切です。
中国語の資格を取得するメリット


中国語資格の取得は、単なる語学力の証明以上の価値があります。
キャリアアップや就職活動で有利になるだけでなく、学習の道しるべとしても機能します。
ここでは、資格取得によって得られる2つの大きなメリットを紹介します。
メリット(1)中国語の自信がつき、キャリアアップにつながる
何級であっても合格すれば嬉しいものです。
自分の進歩は自分では気づきにくく、試験に合格することで「ここまで達成した」「去年より知識が増えた」と客観的に感じることができます。
また、級が上がってくれば、履歴書に書くことができます。
口頭で「中国語ができます」と言うよりも「HSK5級200点」と言った方がずっと説得力があります。
その結果、周囲からの評価も得やすくなります。
さらに、資格取得によって自信がつくと、実際の会話や業務でも積極的に中国語を使おうという前向きな姿勢が生まれます。



「できた!」→「もっとがんばろう!」という好循環になるのは資格取得の大きなメリットです。
メリット(2)試験勉強を通して、体系的に学習できる
HSKや中検などの資格試験を目標にすると、基礎から順に難易度を上げていくことができます。
独学で勉強していると、基礎がないまま難しい文を読んでしまったり、全く聞き取れないドラマやポッドキャストを聞いてしまってお手上げ状態になることも少なくありません。
また、得意な分野ばかり勉強して、苦手な分野は後回しにしてしまうこともよくあります。
一方で、資格試験を道しるべに勉強を続ければ、自然に今のレベルにあった語彙や文法をバランスよく学ぶことができます。
今やるべきことが明確になれば、勉強も続けやすくなりますよね。
中国語の資格取得で気を付けたいこと


中国語資格の取得を目指す際には、いくつか注意すべきポイントがあります。
試験対策に集中するあまり、本来の目的を見失ってしまうケースも少なくありません。
ここでは、資格取得を目指す上で特に気をつけたい2つの注意点を紹介します。
注意点(1)「試験合格=そのレベルが話せる」とは限らない
資格試験に合格しても、実際の会話では思うように中国語が出てこないという経験をする人は多くいます。
実際にHSK4級や中検3級に合格した人の中には、「試験では高得点を取れたのに中国人と会話しようとすると言葉が出てこなかった」という声も聞かれます。
これは試験対策に特化した勉強をしすぎて、実際の会話練習が不足していたからです。
資格試験は読解力や文法知識を測るものであり、スピーキング能力とは別の力です。
- HSKや中検の試験問題は選択式が中心で、リスニングも限られた場面の会話が出題されるため、実際の会話で必要な瞬発力や柔軟な対応力は測れません。
- 普段からネイティブと交流の機会をつくる、オンラインレッスンを受けるなどして、話す練習も取り入れていきましょう。
資格はあくまでスキルを証明する手段であり、実際に使える中国語力を養うことが最終目標です。
注意点(2)もし不合格だったら
試験に不合格だった場合でも、落ち込む必要はありません。
不合格は自分の弱点を知る貴重な機会だからです。
不合格の原因を分析すれば、リスニングが弱いのか、文法が足りないのか、語彙力が不足しているのかが明確になります。
不合格は現在地を教えてくれるナビゲーションのようなもので、次にどこを強化すればいいかが分かります。
- HSKは年に何度も受験機会があるため、すぐに再挑戦できます。
- 中検も年3回実施されるので、次の試験まで弱点を重点的に勉強すれば合格の可能性が高まります。



不合格は失敗ではなく、合格への道のりの一部だと考えましょう。
まとめ


日本で受験できる中国語の資格は複数ありますが、知名度が高いのはHSKと中国語検定です。
台湾の中国語を勉強したい場合はTOCFLが適しています。



どの資格試験を受験するかは、中国語を学ぶ目的によって選びましょう。
試験勉強の際は、「いつまでに何級合格」と具体的な目標を立て、逆算して学習計画を立てるのが効果的です。
また、試験に合格すれば自信がつき、キャリアアップが目指せる一方で、合格したからといって話せるようにはならないことに注意が必要です。
学習の初期段階でピンインと声調をしっかり学び、普段から中国語を声に出す習慣をつけていきましょう。
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