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中国語のシャドーイングはどのような効果がありますか?どう練習したらいいですか?
シャドーイングとは、音声を聞きながら影のようにそのまま口に出していく練習で、もともとは同時通訳者の訓練法として使われてきた専門的な技術です。
しかし、現在では中国語や英語など、外国語学習全般で広く活用されるようになりました。



中国語初級者がシャドーイングで効果を得るには、練習方法をアレンジして、ステップアップしていくことが大切です。
この記事では、シャドーイングの定義、得られる効果、初〜中級者向けの練習方法をわかりやすく解説していきます。




中国語のシャドーイングを始める前に、まず「シャドーイング」とは何かを理解しましょう。
この章では、以下の3点を解説します。
「シャドーイング(shadowing)」とは、音声を聞きながら、0.5〜1秒遅れで影のように追いかけて発声する学習法です。
「リピーティング(聞いてから繰り返す)」よりもタイミングが早く、文字どおり「影(shadow)」のように音声を追いかけるのが特徴です。
中国語では一般的に「影子跟读(yǐngzi gēndú)」と呼ばれます。
もともとシャドーイングは、同時通訳者などの養成に使われていた高度な訓練法でした。
聞きながらほぼ同時に発話し、さらに内容を理解するという非常に高い集中力と瞬発力を必要とする練習です。
しかし現在では、この技法が外国語教育の現場でも応用され、一般学習者向けにアレンジされた形で広く使われるようになっています。
今では、発音練習やリスニング強化法として、便宜的に「シャドーイング」と呼ばれることが多くあります。
「シャドーイング」と似た学習法に音読やリピーティングがあります。
しかし、練習の仕方・目的・得られる効果はそれぞれ異なります。
中国語学習者にとっての特徴を見てみましょう。
| 練習法 | 音声 | 文字 | 特徴・目的 | 難易度 |
|---|---|---|---|---|
| 単純な音読 | × | 〇 | 発音・文法・構文を理解 | ★☆☆ |
| 音声を真似して音読 | 〇 | 〇 | 正しい発音・声調・リズムを体に覚えさせる | ★★☆ |
| リピーティング | 〇 | × | 聴覚記憶・語順感覚・リスニング力を鍛える | ★★☆ |
| シャドーイング | × | × | 聴覚処理・発音・声調・リズム感を総合的に強化 | ★★★ |
中国語は声調と言葉のリズムが意味に直結する言語です。
そのため、音声を聞かずに自己流で音読を続けると、悪い癖がつきやすくなります。
音声を聞いて、文字を見ながら段階的に練習するのがおすすめです。



中国語は読めるけど聞き取れないし話せません
中国語は漢字を見れば意味がわかりやすいため、読む力が先に伸びやすい反面、リスニングやスピーキングが追いつかずに止まってしまうケースが多いです。
そこで役に立つのがシャドーイングです。
シャドーイングは「耳」と「口」を使って、「聞く」と「話す」を同時に行うトレーニングです。
この同時処理によって、聞いた音を瞬時に理解するリスニング力や、その音を再現できる発音・声調力が自然に結びつきます。
読む力だけでなく、音として理解する力と、口で表現する力が一緒に鍛えられるのが、シャドーイング最大の強みです。


シャドーイングを続けると、中国語の「音の世界」がだんだん変わって聞こえるようになります。
ここでは、学習者が実感しやすい5つの大きな効果を紹介します。
シャドーイングは、音声を聞き取るだけでなく、それを即座に再現する必要があるため、音声を感じ取る力が向上します。
中国語を聞いていると、「この単語なんだっけ?」と考えているうちに話がどんどん先に進んでしまうことがありますよね。
シャドーイングでは、ネイティブが一息で発する「意味の塊」として音を捉えるため、自然と文全体を理解するリスニング力が養われます。
その結果、実際の会話や試験のリスニング問題を聞くのが格段にラクになります。
シャドーイングでネイティブスピーカーの音声を再現する練習を続けると、自然な発音が身につきます。
教科書で理論を学ぶだけでは、理解しても言えるようにはなりません。
また、息継ぎの場所や、抑揚のつけ方などは、教科書ではなかなか学べないものです。
自転車に乗るのと同じように、中国語の発音も繰り返し練習して体にしみ込ませる必要があります。
シャドーイングを日々行うと、「どうしてもカタコトの発音になってしまう」「どことなく不自然」という発音の問題も改善され、ネイティブの発音に近づくことができます。
シャドーイングの大きな効果の1つが、スピーキングの向上です。
音声を聞きながら意味を理解し、同時に発声するという高負荷な練習を繰り返すことで、脳内で「聞く→理解→話す」という一連の処理が高速化されます。
「頭では分かっているのに、すぐに言葉が出てこない」のは脳内での処理速度が遅いことが原因です。
シャドーイングを継続すると、考えずに口が動く状態が作られ、会話での反応速度が向上します。
シャドーイングはフレーズ単位で音を処理するため、中国語の感覚が自然と身につきます。
日本語と中国語では語順や表現方法が異なるため、日本語の感覚で中国語に訳そうとすると、不自然な中国語になってしまいがちです。
しかし、文を聞いてそのまま発音するシャドーイングでは、その単語の使われ方やニュアンス、文法パターンを文脈の中で理解することができます。
その結果、単語や文法を意識せずとも中国語を書いたり話したりできるようになり、試験での正答率向上にもつながります。
シャドーイングを継続すると、日本語に訳さず中国語を中国語のまま理解できるようになっていきます。
学習の際に、全ての中国語をきちんと日本語に訳している人も多いですよね。
分からないところを確認することはもちろん大切ですが、全てを日本語に訳していると読むのも聞くのも時間がかかってしまいます。
シャドーイングでは、音声を聞いて即座に発話するため、日本語を通さず直接中国語で理解するように脳が切り替わり、スッと中国語が頭に入ってくるようになります。


シャドーイングの効果を最大限に引き出すには、正しい手順で進めることが大切です。
この章では、初心者でも実践できる5つのステップを具体的に解説します。
まずは、シャドーイング練習に使う素材を選びましょう。
素材の選び方ポイント
特別な教材を用意する必要はありません。
手元にある中国語のテキストに音声が付いていれば何でも活用できます。
HSKなど試験のリスニング問題を使うのもおすすめです。
いきなりシャドーイングを始めるのではなく、まずは文を読んで内容を理解します。
初級の頃は耳だけで意味を理解することが難しく、意味が分からないまま音だけを真似しても効果が半減してしまいます。
文章の意味をしっかり理解した上で音声を追いかけるのが鉄則です。
やること
丁寧に準備することが、その後の効率的な学習につながります。
内容を理解したら、いよいよ音声を再生し、声に出していきます。
ここでは「正しい発音を覚える」ことが目的です。
やり方
さらに、自分の音読を録音してお手本の音声と聞き比べると、お手本と違うところが客観的にわかり、修正点が見えてきます。



「聞く→読む→録音→比べる」このサイクルを繰り返しましょう。
音読で発音を確認したら、次は音声と同時に読む練習に進みましょう。
スクリプト(文字)を見ながら、ネイティブ音声とぴったり重ねて発声する練習です。
ここでの目的は、スピードとリズムに慣れることです。
やり方



何度も繰り返すうちに、自然にスピードに慣れ、口が滑らかに動くようになります。
音の流れと自分の声を重ねる感覚を楽しみながら練習してみましょう。
スクリプトを見ながら音声と同時に読む練習に慣れてきたら、いよいよスクリプトなしの本格シャドーイングに挑戦しましょう。
この段階では、文字情報に頼らず、耳から入った音をそのまま口で再現することが目的です。
やり方
継続のヒント
シャドーイングは、1回で完璧にできる練習ではありません。毎日少しずつ取り組みましょう。


シャドーイングは短時間でもいいので、毎日続けることが最大のポイントです。
ここでは、継続しやすく効果を高めるためのコツを4つ紹介します。
シャドーイングは集中力を必要とします。
1日に長時間練習して、疲れてその後やらなくなってしまうより、10分でも毎日続けることで効果が高まります。
ハードルを下げて取り組みやすさを重視しましょう。
コツ
シャドーイングは日々少しずつ進歩していきます。
最初から100%を求めてしまうと「できない」とモチベーションが下がってしまいます。
繰り返すうちに口や耳が慣れてきて自然に改善されますので、完璧を目指さず続けましょう。
コツ
似たような素材ばかりだと飽きてしまうことがあります。
そんな時は練習にバリエーションを持たせましょう。
コツ
シャドーイングは効果の得られる学習法ですが、それだけでは不足してしまう面もあります。
他の勉強法も取り入れ、相乗効果を狙いましょう。
コツ


シャドーイングはやり方を間違えると逆効果になることもあります。
最後に、ありがちな3つの失敗パターンと、その対処法を紹介します。
中国語はカタカナでは表せない発音がたくさんあり、さらに声調(四声)が意味を決定づけています。
カタカナで発音を覚えてしまうと、いざ話したときに通じないばかりか、後から正しい発音に直すのに何倍も時間を要します。
そのため、ピンインを学習していない場合は先にピンインを学習し、シャドーイングでもピンインで発音を確認しましょう。
ピンインについては別記事で詳しく解説しています。


知らない単語がたくさんあるような難しすぎる文はシャドーイングに適していません。
読んでも理解できない文は、聞いたときになおさら理解できず、シャドーイングの効果を得られないからです。
シャドーイングに使う文は、辞書を引かなくても80%程度分かる文を選びましょう。
そして、辞書などを利用して、完全に文章を理解してから声に出す練習を始めます。
お手本と同じスピードばかり求めてしまうと、1つ1つの発音がおろそかになってしまいます。
自分の発音とお手本のスピードに大きな差がある場合は、再生速度を遅くするか、別のゆっくり目の教材に変更しましょう。
慣れてきたら、少しずつ速度をあげていきます。



焦らず、練習を積み重ねることが大切です。


中国語のシャドーイングは、リスニング力・スピーキング力・発音を同時に鍛える効果の高い学習法です。
練習のポイントは次の通りです。
言葉は「頭で覚える」だけではなく、「体で慣れる」ことが大切です。
シャドーイングを習慣にすれば、あなたの中国語は、聞くたび・話すたびに自然な音へと近づいていきます。
今日の10分が、半年後の「話せる自分」をつくる。



ぜひ、あなたの毎日の学習にシャドーイングを取り入れてみてくださいね。
毎日中国語公式LINEで配信している中国語学習情報もあわせてご覧ください。


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