目的別に選ぶ中国語参考書｜入門からHSK・中検、会話まで

書店やAmazonには、発音・文法・単語などたくさんの参考書があって困ってしまいますよね。

参考書はあなたのレベルや目的にあっていて継続しやすいものが最適です。

この記事では、現代の生活習慣にあっているおすすめ参考書を分野別に厳選しました。

参考書選びのポイントや参考書の活用法もあわせて紹介します。

あなたにピッタリの1冊を見つけて、中国語学習を加速させましょう！

中国語の参考書の選び方

数ある中国語参考書の中から「これだ！」と思える一冊に出会うのは、簡単なことではありません。

参考書選びで失敗する最大の原因は、「目的とレベルが曖昧なまま、なんとなく選んでしまうこと」です。

この章では、あなたに最適な一冊を見極めるための4つの具体的な基準を、わかりやすく解説します。

• 選び方（1）目的にあった参考書を選ぶ
• 選び方（2）自分のレベルを知る
• 選び方（3）音声とピンインが付いているか確認する
• 選び方（4）継続しやすさを重視する

選び方（1）目的に合った参考書を選ぶ

中国語の参考書選びは、「何のために学ぶのか」という目的をはっきりさせることから始まります。

目的によって、選ぶべき教材が大きく異なるからです。

目的例	適した参考書
基礎固め	バランスの良い体系的な本
旅行・日常会話	場面別フレーズが豊富
HSK・中検	各試験問題準拠の対策本・過去問題集
ビジネス	専門語彙とビジネスフレーズを網羅

まずは「3か月後に何ができるようになりたいか」を具体的に書き出しましょう。

目的に合わせた1〜2冊を選ぶことで、無駄な教材購入を防ぎ、効率的な学習ルートを作ることができます。

選び方（2）自分のレベルを知る

現在の中国語レベルに合わない参考書を選ぶと、「難しすぎて挫折する」か「簡単すぎて時間を無駄にする」という残念な結果になりがちです。

あなたの現在地を客観的に把握することが、失敗しない参考書選びの第一歩です。

まずは無料のオンラインレベルチェックなどを活用して、現在の実力を客観的に把握しましょう。

その上で、今のレベルより「少しだけ挑戦しがいのある」教材を選ぶと着実にステップアップできます。

◎HSKレベルチェックテスト
>>>https://www.hskj.jp/level/check_test/

選び方（3）音声とピンインが付いているか確認する

中国語はカタカナ読みではほとんど通じないため、学習初期で最も重要なのが「発音の基礎作り」です。

そのため、ネイティブ音声とピンイン（中国語の発音表記）が付いている参考書は必須です。

最初に発音の土台をしっかり作ると、リスニングや会話力の伸びが格段に変わります。

最初の一冊は、CDや音声ダウンロードが付属し、口の形や舌の位置を詳しく図解している参考書を選びましょう。

文法や単語のテキストも音声付きのものがおすすめです。

選び方（4）継続しやすさを重視する

たくさんある参考書の中で、あなたが「毎日開きたくなる」一冊が最も適しています。

どんなに良質な参考書でも、続けられなければ意味がありません。

学習を継続できるかどうかは、使いやすさが大きく左右します。

できれば実際に書店に足を運び、パラパラとめくってみましょう。

文字の大きさ、レイアウト、色合いなど、直感的に「見やすい！」「分かりやすい！」「楽しそう！」と感じるものが、あなたにとってのベストです。

オンライン購入の場合も、レビューに加えてサンプルページを確認しましょう。

簡体字と繁体字の違いと選び方

中国語には「簡体字（かんたいじ）」と「繁体字（はんたいじ）」という2種類の文字があることに気づきましたか？

この章では、どちらの文字の参考書を選んだら良いか、それぞれの文字の特徴と選択基準を解説していきます。

• 文字選び（1）簡体字と繁体字の特徴
• 文字選び（2）学ぶ地域・目的に合わせて選ぶ
• 文字選び（3）初心者におすすめの文字体系

文字選び（1）簡体字と繁体字の特徴

簡体字は1950年代に中華人民共和国が識字率向上を目的として制定した文字体系で、複雑な漢字の画数を大幅に減らして書きやすくしたものです。

一方、繁体字は古くから使われてきた伝統的な漢字の形をそのまま保持しており、字形が複雑で画数が多いのが特徴です。

日本の漢字（新字体）には、繁体字と共通するものや、繁体字を少し簡略化したものが多いため、日本人にとっては繁体字の方が直感的に意味を推測しやすい場合もあります。

◎簡体字と繁体字については別記事で詳しく解説しています。
>>>中国語は二種類ある！？簡体字と繁体字の違いとは

文字選び（2）学ぶ地域・目的に合わせて選ぶ

簡体字は中国大陸やシンガポール、マレーシアで使用され、繁体字は台湾や香港、マカオで使用されています。

例えば、中国大陸の企業との取引を想定しているなら簡体字での学習が適していますし、台湾留学が目的なら繁体字対応の台湾華語を学ぶのが効率的です。

学習を始める前に、「3年後、自分はどこで、誰と中国語を使っているだろう？」と具体的にイメージしてみることが、最適な文字体系を選ぶためのヒントになります。

文字選び（3）初心者におすすめの文字体系

もしどちらを学ぶか迷ったら、まずは簡体字から始めることをおすすめします。

なぜなら、日本で出版されている教材の大部分が簡体字を採用しており、主要な検定試験も簡体字で実施されるからです。

教材の豊富さは、教材の選びやすさ、学習のしやすさにもつながります。

また、簡体字と繁体字は、地域的な小さな差異はあるものの、基本的な発音や文法は共通しています。

一度簡体字で基礎を固めれば、繁体字への移行も比較的スムーズです。

分野別おすすめ中国語参考書

いよいよここからは、具体的なおすすめ参考書を紹介していきます。

現代の生活習慣に合わせて、スマホで音声を聞けるものを中心に厳選しました。

あなたの目的に合った最適な1冊を見つけましょう。

• 参考書（1）基礎から体系的に学ぶ
• 参考書（2）キレイな発音を身につける
• 参考書（3）会話を練習する
• 参考書（4）単語を覚える
• 参考書（5）リスニングを強化する
• 参考書（6）HSK・中検など中国語の試験合格を目指す
• 参考書（7）台湾の中国語を学ぶ

※以下で紹介する参考書は全て紙の書籍の税込み価格です（2025年11月現在）。

参考書（1）基礎から体系的に学ぶ

• 『新ゼロからスタート中国語 文法編 改訂版』（Ｊリサーチ出版 / 1,320円）
  • 発音動画・音声DL付き
  • 基礎を体系的に学べる定番の入門書
  • 分かりやすい解説とレイアウトで定評
    
• 『NHKラジオまいにち中国語』（NHK出版 / 月刊誌 680円）
  • NHKラジオ講座のテキスト
  • 継続的な学習で基礎から順にステップアップしやすい
  • 聞き逃し配信あり：NHKラジオ らじる★らじる

これから中国語を始める場合は、発音の解説が充実していて、文法や単語を段階的に学べる参考書がおすすめです。

まずは「発音の基礎」から開始しましょう。

参考書（2）キレイな発音を身につける

• 『日本人のための 中国語発音完全教本』（アスク / 2,420円）
  • CD3枚・音声DL・発音解説動画付き
  • 正答派中国語発音テキスト
  • スッキリ簡潔な説明、写真とイラストで口の形がひと目でわかる

中国語は発音が不正確だと通じにくい言語です。

初級者だけでなく、「自分の発音に自信がない」と感じる中級者にもおすすめです。

参考書（3）会話を練習する

• 『すぐに話せて必ず通じる 李姉妹と基礎から中国語』（KADOKAWA / 1,705円）
  • 音声DL付き
  • 人気YouTuber李姉妹の楽しく学べる参考書
  • ゼロから中国語を学ぶ人に寄り添った一冊
    
• 『話すための思考が身につく! 中国語文法講義』（アスク /2,200円）
  • 音声DL付き
  • ネイティブの考え方に触れることで思考を身につける
  • 入門学習を終えた人向けの豊富な例文

会話力を伸ばすには、「理解する」→「使う」の繰り返しが重要です。

参考書で練習したら、ネイティブと積極的に話す機会を設けましょう。

参考書（4）単語を覚える

• 『キクタン中国語』シリーズ（アルク / 1,980円～）
  • 音声DL付き
  • リズムに乗って覚える単語帳
  • 入門編・初級編・初中級編・中級編の各レベル

リズムに合わせて発音しながら覚えることで、記憶が定着しやすくなります。

通勤・通学中のスキマ時間を有効活用しましょう。

参考書（5）リスニングを強化する

• 『究極の中国語リスニング Vol. 1 ~ キクタン【入門編】【初級編】対応』（アルク / 1,980円）
  • 音声DL付き
  • 『キクタン』で覚えた単語でリスニング練習
  • ゆっくりスピードから、速めのスピードへ3段階ステップアップ
    
• 『はじめよう 中国語音読 初級編 / 中級編』（アスク / 1,980円）
  • 音声DL付き / Podcast 対応
  • 「意味のかたまり」でとらえる練習をする
  • 口と耳を同時に鍛えられる

リスニング力アップには、聞くだけでなく「自分でも正しい発音で言えるようにする」ことが効果的です。

参考書（6）HSK・中検など中国語の試験合格を目指す

• 『HSK公式過去問集』1級～6級（SPRIX）
• 『HSK公認テキスト』1級～5級（SPRIX）
• 『合格奪取！』シリーズ（アスク）
  • HSK 4級、5級、6級：読解・作文編、リスニング編
  • 中検 準4～1級：筆記編、リスニング編
• 『出るとこだけ！』シリーズ（アスク）
  • 中検 準4～3級の頻出問題を攻略

試験はそれぞれ出題範囲や傾向、形式が異なります。

受験する試験に対応する参考書を使うのが合格への近道です。

参考書（7）台湾の中国語を学ぶ

• 『単語と文法から学ぶ PAPAGO式 台湾華語』（アスク / 2,420円）
  • 音声DL付き
  • 繁体字と注音（ボポモフォ）を使った本格的な台湾華語の総合テキストシリーズ
  • 入門から中級まで、「留学・進学・就職・生活」に必要な力を身につけられる

台湾と大陸では文字体系が異なり、発音や語彙面も少し違います。

台湾の中国語を学ぶ際は「台湾華語」と記載のある参考書を選びましょう。

中国語学習に効果的な参考書活用術

せっかく選んだ参考書も、使い方を間違えると効果が半減してしまいます。

大切なのは、「参考書を読むこと」ではなく「使いこなすこと」です。

この章では、中国語参考書を最大限に活かす4つのポイントを紹介します。

今日からすぐに実践できる工夫で、学びの効率をぐっと高めましょう。

• 活用法（1）メイン参考書を決める
• 活用法（2）音声を聞いて声に出して読む
• 活用法（3）無料教材・アプリを組み合わせて学習効果アップ
• 活用法（4）継続しやすい学習スケジュールを立てる

活用法（1）メイン参考書を決める

中国語学習は「読む・書く・聞く・話す」各分野をバランスよく学習するのが理想です。

新しい参考書を次々に買うよりも、それぞれの分野を満遍なく学べるメインの1冊を使いこなす方が効果的です。

基本的な学習方法は次の通りです。

練習問題を解く過程で記憶が定着していきます。

正答率を気にする必要はありません。

「理解する→練習する→理解する→練習する」という流れを確立しましょう。

活用法（2）音声を聞いて声に出して読む

参考書は「目で見て」理解するだけでなく、「音声を聞く→真似して声に出して読む」の繰り返しが大切です。

発音を真似して声に出すことで、発音・リズム・語順の感覚が自然に身についていきます。

特に、中国語の発音は日本人にとって言いにくいものが少なくありません。

しかし、「漢字」という安心感から、発音や漢字の読み方を軽視してしまいがちです。

声に出して読むことで、読み方を覚えていない漢字や発音があやふやな単語に気づくことができます。

単語や文法事項を学習する際も、音声を聞いて真似して発音する習慣をつけましょう。

自分の発音を録音してお手本と聞き比べるのも効果があります。

活用法（3）無料教材・アプリを組み合わせて学習効果アップ

中国語の参考書は、無料アプリやYouTube動画と併用することで、学習効率をさらに高めることができます。

文字だけでは理解しづらい部分も、音声や映像で学ぶとぐっと身近に感じられるはずです。

アプリはゲーム感覚で学べるものが多く、1日5〜10分のスキマ時間にぴったり。

発音練習や単語の定着にも効果的です。

また、YouTubeにはネイティブ講師や学習者による質の高い解説動画が数多くあります。

「ピンイン」「了の使い方」「中国の挨拶」など、気になるキーワードで検索すると、参考書では得られない生きた中国語や文化的背景を知ることができます。

活用法（4）継続しやすい学習スケジュールを立てる

独学を成功させる最大の秘訣は、継続した学習です。

「今日は2時間やるぞ！」とやる気のある日だけ頑張るよりも、「1日10分でもいいから毎日続ける」ことを目標にしましょう。

現実的で柔軟なスケジュールを立て、小さな成功体験を積み重ねることが、無理なく学習を習慣化する鍵となります。

通勤・通学中の時間や、朝活、就寝前の10分などスキマ時間を活用し、生活の中に中国語学習を組み込むと続けやすくなります。

◎学習継続のコツは別記事で詳しく解説しています。
>>>中国語学習を習慣化する方法｜小さな積み重ねで大きな成果

まとめ

中国語学習に欠かせない「参考書」。

その参考書選びは、目的・レベル・継続しやすさの3つがポイントです。

本記事では、スマホで音声が聞ける使いやすい参考書を中心に紹介しました。

あなたにピッタリの1冊を最大限に活用して、旅行や資格取得など目標達成へ向けて歩んでいきましょう。