中国語の声母とは?21個の発音をやさしく解説

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この記事でわかること

中国語の声母って何ですか?うまく発音できません。

そり舌音や有気音・無気音の区別など、日本語に存在しない発音がうまくできずに悩んでいるのはあなただけではありません。

その原因は音の仕組みを理解していないことにあります。

この記事では、ピンインの基礎となる21個の声母をわかりやすく解説します。

今日から実践できるコツで、ネイティブに通じる発音を身につけましょう。

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目次

中国語の声母とは?初心者もおさえたい基本

中国語の声母とは?初心者もおさえたい基本
中国語の声母とは?初心者もおさえたい基本

中国語を勉強すると必ず出てくる「声母(せいぼ)」と「韻母(いんぼ)」。

どちらも発音に欠かせない要素ですが、「どう違うの?」「日本語でいう子音・母音とは別?」と疑問に思う人も多いでしょう。

この章では、以下の3点を解説します。

ピンインの基礎をしっかり押さえて、中国語の発音力を一段アップさせましょう。

  • 基本(1)「声母」の意味と中国語発音における役割
  • 基本(2)声母と韻母の違い
  • 基本(3)日本語の子音と声母の違い

基本(1)「声母」の意味と中国語発音における役割

中国語の声母(shēngmǔ / せいぼ)とは、音節の最初にくる音で、日本語でいう「子音」に近い存在です。

例えば「猫(māo)」の声母は「m」です。

声母は、単語の出だしを決める非常に重要な部分で、発音の明瞭さ・聞き取りやすさに直結します。

正しい声母を理解して発音できるようになると、単語全体の印象も格段に良くなります。

◎音節について詳しくは別記事で詳しく解説しています。
>>>中国語の音節とは?構造と重要性、覚え方を初心者にもわかりやすく解説

基本(2)声母と韻母の違い

声母が音の始まりであるのに対し、韻母(yùnmǔ / いんぼ)は音の残りの部分を担当します。

例えば、上述の「猫」(māo)は「m」が声母、「ao」が韻母です。

そして「ā」の上の記号は声調を表しています。

中国語の1つの音節は基本的に「声母+韻母+声調」という3つの要素で構成されており、この3つの要素が組み合わさって初めて「猫」という意味が成立します。

また、「爱(ài)のように直接韻母から始まっている音節もあり、「零声母」と呼びます。

基本(3)日本語の子音と声母の違い

日本語の子音は「あかさたな…」の「か」以降にある「k, s, t, n, h, m….」で、14種類程度なのに対し、中国語の声母は21種類あります。

中国語の方が発音のバリエーションが多く、舌や息の使い方も繊細です。

たとえば日本語の「た」と中国語の「tā」は似て聞こえますが、実際には息の強さや舌の位置が違います。

また、中国語では「zh」「ch」「sh」など、日本語には存在しない「そり舌音」があり、これらも声母の一種です。

声母をマスターすることは、日本語にはない発音の感覚を身につけることです。

この違いを意識するだけで、中国語の発音がぐっと自然になります。

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中国語の声母の種類と一覧|発音の分類と特徴を学ぼう

中国語の声母の種類と一覧|発音の分類と特徴を学ぼう
中国語の声母の種類と一覧|発音の分類と特徴を学ぼう

中国語の声母は、発音の基礎を形づくる重要パートです。

この章では、中国語の声母を6つの調音部位から分類し、さらに有気音と無気音の違い、代表的な例を解説します。

発音の理屈を理解すれば、似ている音の区別も一気にわかりやすくなりますよ。

  • 特徴(1)6つの調音部位による声母の分類
  • 特徴(2)有気音と無気音の違いと見分け方
  • 特徴(3)21個の声母一覧と代表的な例

特徴(1)6つの調音部位による声母の分類

中国語の声母は、舌や唇のどの部分を使って発音するかによって6つに分類されます。

この分類を理解しておくと、発音練習のときに「どこを動かすか」が明確になり、似た音を区別しやすくなります。

名称声母発音の特徴
唇音b, p, m, f唇を使って発音
舌尖音d, t, n, l舌先を上の歯茎につけて出す
舌根音g, k, h舌の奥(舌根)を上あごの奥や喉に近づけて出す
舌面音j, q, x舌の中央(舌面)を上あごに近づけて出す柔らかい音
そり舌音zh, ch, sh, r舌をやや後ろに反らせて上あごに近づけて出す
舌歯音z, c, s舌先を上の歯の裏または歯ぐきの手前に当てて出す

同じ「舌」を使っていても、舌先・舌の中・舌の奥のどこで音を作るかによって声母の音質は大きく変わります。

この表を発音練習のベースにして、位置関係をイメージしながら声を出すと効果的です。

特徴(2)有気音と無気音の違いと見分け方

中国語の声母には、「有気音(ゆうきおん)」と「無気音(むきおん)」という2つのタイプがあります。

日本語にはほとんど存在しない発音上の区別で、中国語の発音をマスターする大きなポイントです。

  • 有気音:発音するときに「息を強く出す」音
  • 無気音:息をほとんど出さずに発音する音

どちらも声帯を震わせない清音で、息の強さだけが違います。

口を開けた瞬間に空気が「パッ」と出る音が有気音です。

■ 有気音と無気音のペア一覧

調音部位無気音有気音
唇音bp
舌尖音dt
舌根音gk
舌面音jq
そり舌音zhch
舌歯音zc

息の強さをチェックするコツ:
口の前に手のひらをかざして「pà」「bà」と言ってみましょう。

「pà」のときは手のひらに息が当たりますが、「bà」ではほとんど感じません。

この違いが「有気音」と「無気音」です。

◎有気音と無気音については別記事で詳しく解説しています。
>>>中国語の有気音・無気音とは?発音のコツと練習法を徹底解説

特徴(3)21個の声母一覧と代表的な例

中国語の声母は全部で21個あります。

この21個をしっかり覚えれば、中国語のすべての声母を正確に読めるようになります。

それぞれの発音のポイントと代表的な単語を紹介します。

唇音(b, p, m, f)

唇を閉じたり、歯と唇を使って出す音。

声母単語意味
bお父さん
p怖い
mお母さん
ffēi飛ぶ

ポイント:
bとpの違いは「息の強さ(無気音/有気音)」だけ。mは鼻音、fは下唇を軽くかむようにして発音します。

舌尖音(d, t, n, l)

舌先を上の歯茎に当てて発音する音。

声母単語意味
d大きい
t
nあなた
llǎo老い・年上の人

ポイント:
舌先を歯茎の裏につけることを意識して練習しましょう。

舌根音(g, k, h)

舌の奥(舌根)を持ち上げて喉の近くで発音。

声母単語意味
ggāo高い
kkàn見る
hhǎoよい

ポイント:
hは息を強く出す喉音で、日本語の「ハ行」よりも喉の奥で発音します。

舌面音(j, q, x)

舌の中ほど(舌面)を上あごに近づけて出す、柔らかい音。

声母単語意味
jjiā
q気・空気
xxiǎo小さい

ポイント:
jとqは有気・無気のペア。jは息を弱く、qは息を強く出します。xは「シー」と言うときよりも舌を少し奥に引きましょう。

そり舌音(zh, ch, sh, r)

舌を少し後ろに反らせて出す音。日本語にはない発音で、巻き舌音と呼ばれることもあります。

声母単語意味
zhzhōng中心・真ん中
chchī食べる
shshū
rrén

ポイント:
舌先を軽く反らせて上あごの奥に近づけます。「r」は英語の[r]よりも柔らかく、「ジュ」と「ル」の中間のような音。

舌歯音(z, c, s)

舌先を歯茎のすぐ後ろに置いて出す音。そり舌音より前方の位置で発音します。

声母単語意味
z文字
ccài野菜・料理
ssān数字の3

ポイント:
zとcは有気・無気のペア。sは息を長く出す摩擦音で、日本語の「ス」よりも舌先を前に出す感覚です。

◇ 補足:声母は21個?23個?
中国の小学校では、y と w を含めて「声母23個」と教えることもあります。
しかし音声学的には、y と w は独立した子音ではなく「母音を導く滑音」とされるため、正式な声母の数は21個と考えるのが一般的です。

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声母の正しい発音方法とコツ

声母の正しい発音方法とコツ
声母の正しい発音方法とコツ

前章では声母の種類や有気・無気音の理論を学びました。

日本語にはない音も多いですが、コツをつかめばキレイな発音に近づけます。

この章では、声母を正しく発音するための実践的なコツを詳しく解説します。

  • 練習(1)口の形・舌の位置・息の出し方を徹底する
  • 練習(2)韻母をつけて練習する
  • 練習(3)そり舌音のコツ
  • 練習(4)日本語の「ふ」とは違う f・h の発音のコツ
  • 練習(5)舌面音(j, q, x)と舌歯音(z, c, s)の使い分け方
  • 練習(6)発音は「体で覚える」

練習(1)口の形・舌の位置・息の出し方を徹底する

声母を正確に発音するポイントは次の3つです。

  • 口の形
  • 舌の位置
  • 息の出し方

日本語は音の種類が少ないので多少あいまいでも通じますが、中国語はわずかな違いで全く別の音になってしまいます。

鏡を使って、自分の口がお手本と同じ形になっているか確認しながら練習しましょう。

練習(2)韻母をつけて練習する

b p m f…の声母は単体では発音しにくいので、韻母をつけて練習します。

ピンイン表は次のように読むのが一般的です。

声母練習の発音
b, p, m, fbo, po, mo, fo
d, t, n, lde, te, ne, le
g, k, hge, ke, he
j, q, xji, qi, xi
zh, ch, sh, rzhi, chi, shi, ri
z, c, szi, ci, si

◎解説動画で実際の音を聞いてみましょう(10分ちょうどから声母です)。
>>>【80万回再生!】この動画1本で全中国語発音400種類を完全網羅【全ての母音&子音を徹底解説】

練習(3)そり舌音のコツ

そり舌音(zh, ch, sh, r)は日本語にはない音で、多くの学習者が「最難関」と感じるポイントです。

ポイントは、「巻き上げる」というより「舌全体を奥に引きながら、舌先をスプーンのように少しへこませる」イメージです。

舌先はどこにもつけず、宙に浮かせた状態を保ちます。

また、そり舌音は日常会話に頻繁に登場します。

  • 我是日本人(wǒ shì rì běn rén):私は日本人です
  • 吃饭(chī fàn):ご飯を食べる
  • 很热(hěn rè):とても暑い

このように、そり舌音をマスターしないと「私は日本人です」という自己紹介や、食事・天気の話もできないのです。

はじめは舌が疲れますが、コツさえ掴めば必ずマスターできます。

繰り返し練習しましょう。

練習(4)日本語の「ふ」とは違う f・h の発音のコツ

中国語の fu や hu は日本語の「ふ」と似ていますが、実際には全く違う発音の仕組みで作られています。

この2つは日本人が混同しやすいペアなので、口の形と息の方向を正確に区別して練習しましょう。

f の発音のコツ
上の前歯を下唇に軽く当てて、歯と唇の隙間から息を出す。

練習語例:
・富 fù(豊か・お金持ち)
・法 fǎ(法)
・飞 fēi(飛ぶ)

h の発音のコツ
・舌をやや後ろに引き、喉の奥を少し開けて息を出す

練習語例:
・湖 hú(みずうみ)
・好 hǎo(よい)
・很 hěn(とても)

チェック:
「fù」「hù」を交互に言って違いを体感しましょう。

練習(5)舌面音(j, q, x)と舌歯音(z, c, s)の使い分け方

舌面音(j, q, x)と舌歯音(z, c, s)は、どちらも舌の前方で作る音ですが、韻母が「i」のときに母音の音が異なる点に注意が必要です。

舌面音(j, q, x)の特徴と発音のコツ
・舌の中央(舌面)を上あごに近づけて出す。
・口をやや横に開いて、「イ」に近い明るい音を作る。

練習例特徴
jī(鸡)「ジ」に近い
qī(七)「チ」+息の強い音
xī(西)「シ」+舌を後ろに引く

q と x は英語の読み方からは想像ができない音なので、特に注意して覚えましょう。

舌歯音(z, c, s)の特徴と発音のコツ
・舌歯音は、舌先を上の歯の裏または歯ぐきの近くに置いて出す。 
・口はやや縦に開き、息は舌先と歯のすき間から抜ける。

練習例特徴
zì(字)「ズ」に近いがもっと硬い
cì(次)「ツ」+息の強い音
sì(四)「ス」に近いがもっと鋭い

「i」でも「イ」の音ではないことに注意しましょう。

練習(6)発音は「体で覚える」

声母の正しい発音を身につけるには、口の形や舌の位置、息の出し方を体で再現できるようになるまで練習することが欠かせません。

発音は、スポーツや楽器の演奏と同じ「身体の技術」です。

頭で理屈を理解するだけでは上達せず、正しい口・舌・喉の動きを筋肉に覚え込ませる必要があります。

最初はぎこちなくても、繰り返すうちに自然に動かせるようになり、息の強さや舌の位置を意識しなくても正確な音が出せるようになります。

毎日少しずつ声に出し、お手本を見聞きし、鏡で自分の口の形を確認しながら練習することが、確実に上達する最短の方法です。

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まとめ

まとめ
まとめ

本記事では、中国語学習の基礎となる「声母」について、その仕組みから具体的な発音のコツまでを解説しました。

声母は正しい「口の形」「舌の位置」「息の強さ」の3点が揃って初めて通じる音になります。

特に、多くの初学者がつまずく「そり舌音」や「有気音・無気音」の違いは、頭だけでなく体で覚えることが上達への近道です。

これまで発音が難しいと感じていた方も、この記事で紹介したポイントを意識して練習を続けていきましょう。

あなたの中国語は必ずネイティブに伝わるようになります。

毎日中国語は本気で中国語を学びたい皆さんを応援しています!

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中国語の声母とは?21個の発音をやさしく解説

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