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中国語の過去形はどう書いたらいいですか?
実は中国語には過去形がないんです。
では、どうやって過去を表すのでしょうか?
この記事では、日本語や英語の感覚で理解しようとしてしまい、なかなか先に進めなくなってしまう中国語の「過去」、そして「了」の使い方をピックアップしてお伝えします。
今までのモヤモヤを晴らし、会話も試験も自信を持って臨めるようにしていきましょう!
えっ!?と思う方も多いと思いますが、中国語には「過去形」をはじめとする「現在形」「未来形」などの「時制」という仕組みが存在しません。
ではなぜそう言えるのか。その理由を次の3つの観点から見ていきましょう。
英語や日本語は、動詞の形を変えることで時間の流れを示すことができます。
例:
日本語:行く→行った
英語:go→went
しかし中国語では、動詞の形が過去を示すために変わることはありません。
代わりに、その状況に応じて「昨天(昨日)」「明天(明日)」などの時間を表す単語をつけ足すことで「いつのことか」を表現します。
そのため「中国語には過去形がない」と説明されるのです。
中国語は、英語や日本語のように「過去・現在・未来」という時制(tense)で表すのではなく、アスペクト(aspect)と呼ばれる仕組みで表現します。
アスペクトとは「動作が完了したのか」「継続しているのか」「経験があるのか」といった動作の状態を示す考え方です。
例えば「了」は動作が完了したことや変化を、「过」は経験を表します。
この「アスペクト」の考え方に慣れることが、中国語学習においての大きなポイントになります。
中国語を学び始めると、「我吃饭了」を「私はご飯を食べた」と訳す場面に多く出会います。
これが「了=過去形」という誤解の大きな原因です。
しかし実際には、「了」は過去のことだけを表すわけではありません。
現在や未来のことでも使われます。
例:
このように、「了」は「過去時制」を表すのではなく、動作の完了や状態の変化、未来の確定 などを示すマーカーであることを理解しておきましょう。
中国語に過去形という仕組みはありませんが、過去を表す便利な方法がいくつもあります。
代表的なのは時間詞や助詞を使った表現です。
この章では、初級者でもすぐに使える過去表現の基本を整理します。
中国語で過去を表す最もシンプルな方法は、時間を示す言葉(時間詞)を文に入れることです。
動詞は過去でも形を変えないので、「いつ」を示す単語を加えるだけで、過去の出来事だと伝わります。
よく使われる時間詞の例:
・昨天(昨日)
・前天(おととい)
・刚才(さっき)
・上个星期(先週)
・以前(以前、かつて)
例文:
・我昨天在家。(私は昨日家にいた)
・我上个星期很忙。(私は先週忙しかった)
・他以前住在上海。(彼は以前上海に住んでいた)
ポイント:動詞の形はそのままで、時間詞が過去を示す手がかりになる。
中国語の「了」は過去形ではありませんが、動詞の直後に「了」を置くことで過去に動作が完了したことを表すことができます。
例文:
・我看了电影。(私は映画を見た)
・他给我打了电话。(彼は私に電話をかけた)
・我昨天见了朋友。(私は昨日友達に会った)
ポイント:日本語に訳すと「〜した」となるが、中国語の感覚では「完了した」ことを伝えている。
「过 guò」は、過去に一度でも経験したことがある という意味を表す助詞です。
「〜へ行ったことがある」「~を食べたことがある」といった表現に使われます。
例文:
・我去过北京。(私は北京に行ったことがある)
・我看过这部电影。(私ははこの映画を見たことがある)
・我吃过四川菜。(私は四川料理を食べたことがある)
ポイント:「过」は過去に「~したことがある」という経験を表す。
「曾经 céngjīng」は、日本語の「かつて」「一度は」「以前に」にあたる副詞です。
過去の経験を強調したいとき に使われます。
単独でも使えますが、実際には「过」と一緒に使われることが多いです。
例文:
・我曾经去过北京。(私はかつて北京に行ったことがある)
・她曾经学过钢琴。(彼女はかつてピアノを習ったことがある)
・我们曾经是同事。(私たちはかつて同僚だった)
ポイント:「曾经」は、ただ時間を示すだけでなく、過去の経験や事実を強調する。
過去の出来事について「〜しましたか?」「〜しませんでした」と言えるようになるのは、日常会話に欠かせないスキルです。
中国語では、動作を表すときと状態を表すときで、使う否定の言葉が異なります。
この章では、過去表現の基本となる2つのパターンを紹介します。
過去の動作に関する疑問文や否定文は、「吗」や「没有」を使います。
疑問文の例:
・你昨天去学校了吗?
・你昨天去学校了没有?
(昨日学校に行きましたか?)
・你吃过北京烤鸭吗?
・你吃过北京烤鸭没有?
(北京ダックを食べたことがありますか?)
否定文の例:
・我昨天没去学校。
(私は昨日学校に行かなかった)
・我没吃过北京烤鸭。
(北京ダックを食べたことがない)
ポイント:動作の否定文は「了」を消す。
過去の状態や性質の疑問文・否定文は「吗」「不」を使います。
疑問文の例:
・你昨天忙吗?
(昨日忙しかったですか?)
・昨天冷吗?
(昨日は寒かったですか?)
否定文の例:
・我昨天不忙。
(昨日忙しくなかった)
・昨天不冷。
(昨日は寒くなかった)
ポイント:状態や性質を否定するときは過去でも「不」を使う。
「了」は中国語学習で混乱しやすい助詞のひとつです。
過去を表すと思われがちですが、実際には 「動作の完了」や「状況の変化」 を示します。
最後にこの章で、「了」の主な使い方と、不要な場合を整理してみましょう。
動詞のすぐ後に置く「了」は、その動作の完了を表します。
一般的に、具体的な目的語を伴う文で使われます。
例:
・我今天喝了两杯咖啡。
(私は今日コーヒーを2杯飲んだ)
・他上周买了三本书。
(彼は先週本を3冊買った)
・我到了家就给你打电话。
(家に着いたら電話するよ)
ポイント:「動詞+了+目的語」で、その動作の完了を表す。過去とは限らない。
文末に置く「了」は、ある状況や状態が変化したこと、または新しい状況が始まったことを示します。
単純に「〜した」という過去の意味ではなく、「状況が変わった」というニュアンスを伝えるのが特徴です。
例:
・下雨了。
(雨が降ってきた → 雨が降る状況に変化した)
・我感冒了。
(風邪を引いた → 今は風邪の状態になった)
・8点了。
(8時になった → 時間が変化した)
ポイント:「文末の了」は「過去形」ではなく、「変化・新しい状況」を表すとして理解しましょう。
日本語では「〜だった」「〜た」と必ず過去形を使うので、中国語でも「了」を付けがちです。
しかし、状態や職業、性質などを淡々と述べる文では「了」は不要です。
例:
✕ 他以前是老师了。
◯ 他以前是老师。
(彼は以前先生だった)
✕ 昨天的天气很好了。
◯ 昨天的天气很好。
(昨日の天気はよかった)
✕ 动物园的熊猫很可爱了。
◯ 动物园的熊猫很可爱。
(動物園のパンダはかわいかった)
ポイント:「是+名詞」「形容詞」の文で過去を述べるときは「了」がつかない。
補足:「了」を使えるケース
ただし、変化や新しい状況の発生を強調したいときには「了」を使うことができます。
例:
・昨天很冷 = 昨日は寒かった(事実を述べる)
・昨天很冷了 = 昨日になって寒くなった(変化を強調)
「了」はあくまで「過去」ではなく「変化・完了」を表すことを再確認しましょう。
中国語には、日本語や英語のような「過去形」という仕組みがありません。
動詞の形は変わらず、時間詞(昨天・以前など) や 助詞(了・过)を使って過去を表します。
ポイントふりかえり:
・「了」= 動作の完了や状況の変化を表す
・「过」= 過去の経験を表す
・「没」= 過去の動作や経験の否定
・「不」= 過去の状態や習慣の否定
特に「了」は日本人学習者が誤解しやすく、「過去形」ではなく「完了」 と理解することが大切です。
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